逆行EVA劇場 その7 [九条公人] -------------------------------------------------------------------------------- -------------------------------------------------------------------------------- 逆行EVA劇場 その7の#01 --------------------------------------------------------------------------------  「ふぁあああああっ、いい加減飽きたね」  ひねもすLCLのたまった芦ノ湖へ釣り糸をたれる日々。  もっとも引っかかるのは、ゴミだけだが。    もう一人生きていた赤い少女は、もう数十年も前に分かれたきり生きているのやら死んでいるのやら。  「・・・まあ死んだら判ると思うけど」  地球の反対側までゆっくりと移動してゆく気配はつかんでいた。  向こうもだからこそ反対側に行ったのだろう。  そうしてそこにいついてもう数え切れない月日を過ごした。    最初は、そう結構まめに経過してゆく日数を数えていた。    しかし5年、10年と過ぎ去りLCLから一人として帰還しないことが感情的にも理解できたとき日数を記録していたノートは、吊り上げたゴミと同様にかれの後ろに築かれたゴミの山へと捨てられた。    以来ゴミの山の大きさだけが年月の推移を図るものとなった。  シンジの背後には、富士山大のゴミの山脈が築かれていた。    そりゃあ飽きて当然だろう。    そういえばしばらく前に幽霊みたいな女の子が立ってこっちをひたすら睨んでたよなぁ。  あれ多分知り合いなんだけど名前があの時思い出せなかったんだよ。  「あ」までは出たんだ  で思わず「あ、荒波ぃ」って声かけたらなんか泣きそうな顔で消えちゃったんだよなぁ。  その顔もなんだか哀れな老人を見るような目で消えてったんだよ。  こんなに格好いい僕を失礼だよね。    今、彼が着ているのは、釣り上げた「黒い」シリーズだった。TシャツGぱんYシャツ、ネクタイ、靴下に靴まで全部「黒」である。  あ! あの時僕は、面倒くさくて作務衣をきてたんだ。  頭もぼさぼさで、たしかヒゲもそってなかったなぁ。  ああ、それじゃあんな目で見られても仕方がないよ、うん。  あの子、なんて名前だったかなぁ。  浅海じゃないし。  赤海じゃないし  赤並みじゃもっとないだろうし。    そして彼は、口の中で50音順に合成をはじめていた。  「ああ波」違う。  「愛波、あう波、あえ波、青波、赤波、秋波、悪波、朱波、あこ波・・・あまなみ、あみなみ、あむなみ、あめなみ、あもなみ、あらなみ。    「どして、どして<や>ぎょうを飛ばすの碇君」  「ああごめん、たしかあゆ波だったね」  「『うぐぅ』ってネタが古すぎだわ」  「でいまさら何のようなんだいアヤナミレイことリリスの化身さん」  「何のようとはご挨拶ね」  「ああ、挨拶だからね・・・」  「も、もしかして碇君怒ってる?」    「いまさら何に怒れと言うんだい?  ここがこういう状態になってから何十年経ったのか分からないけど、もう少し早く出てきてくれたらこんなに凶暴な気分にはならなかっただろうね」  「それは残念ね、私は肉の器を持たない思念体、あなたにはどうにもできない」  「くくくく甘いな甘い甘い甘い甘ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああい」  「思念体、結構。  僕のこの手が光って唸る、滅せ封ぜよと轟き叫ぶ!」  シンジの右手が何もない空間をムンズっとつかむと思念体であるはずのレイの表情が苦しげにゆがむ。  「や、やめて碇君くるし・・・」  「くくくくっお前があんなキチガイの言うことなんて聞かずに、さっさと無に帰っていたならこんな世界には、ならなかったんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああっっっっっっっっっつつ」  <ぽひっ>という破裂音とともに少女の首が千切れ飛ぶ。  白い砂浜の上を転がるレイの首。  「ひぃひひひひひっざまあみろ!!」  その頭を足蹴にしつつ、思念体の体を撫で回す。    「碇君」  自分の体をもてあそばれている生首が口を開く  「体は気持ちいい・・・けど、面白くないわ」  「僕もだよ、狂った振りというのは思いのほか難しいものだね」  「ええ」  「綾波、いい加減この世界にも飽きたんだけどどうにかならない?」  「・・・月並みだけど戻ってみる?」  「戻ってどうするのさ髭親父をいぢめる?」  「親父だけ?」  「そりゃもう重点的に、アスカはどうするぅ?」  「面白そうね」  「かなり面白いと思うよ」  「戻る時間は、決められるのね?」  「それほど正確には、戻れないわ、時間の流れは実を言えば不正確だから」  「いいわ使徒戦が始まるころ程度で」  「僕もそれでいいよ、じゃ目をつぶって・・・10数えます、ひとぉつ・・・・いつぅつ・・・・ここのぉつ・・・・とお」  「ふぁぁぁぁぁぁぁっ相変わらず遅刻癖の抜けない人だなぁ」  マンションで寝こけていたミサとを車の中にディラックの海で押し込むと、今度は車をデッラックの海へ沈め目の前に出現させた。  ミサトは、服を着たまま爆睡している。  「あ〜あ、ま、いいか」  ナビシートでねこけつづけているミサトを乗せたままシンジの運転するルノーはゆっくりと走り出した。  「はい、そうなんですよ、ええよろしくお願いします」  なんだか悪口をいわれている気がしてミサトは目を覚ました。    むううう・・・自分は車の中で寝てしまったのだろうか?  だが車は動いている。  それに運転席の男の子は、明日迎えに行くはずの司令のご子息だ。    まずいなんだか分からないが猛烈にまずい予感がし、あわてて飛び起きようとしてシートベルトに阻まれた  「ふぎゃん・・・いたたたぁい・・・あなた、い、碇シンジさんですね」  「ええ、そうですよ葛城ミサトさん大丈夫ですか? 眠そうだったから運転変わったんですよ、覚えてますか?」  「あ・・・あれ? そうだった?」  「ええ」  「ってあなた免許は」  「いやだなぁ国際免許ならちゃんとありますよ、国内には書き換えられないけど年齢制限で・・・」「それって走っていいの?」「さあ?」「代わりなさい」「あ、危ないですよ」  「ほら、ちょっとどこ触って、だめ・・・いやだぁやめて」  「すん・・・・すん・・・」  「あ〜あの葛城さん?」  「こっちくるなばかぁ、すけべ、へんたい、まだだれにも触らせたことなかったのにぃ」  「へ?」  なんなんだ一体。  ここのミサトさん、こんなに可愛いってあり?    まあ、いいや。  「あ〜ごめんなさい」  「責任」  「いぃ?」「責任とって」  「いや、だっておっぱいくらいで責任取れって言われても」  「だったらセクハラで訴えちゃうもん」  「はい、きっちり責任とらせていただきます」  「ん、じゃあこれにサインして」  「・・・はぁ・・・婚姻届ですか、手回しが良いですね」  「・・・碇シンジっと」  「たった今から私たちは夫婦です。  不束者ですがどうぞ末永くよろしくお願いします」  「いいえこちらこそ」  なんか変な世界だけどこれはこれで面白いからいいや。 -------------------------------------------------------------------------------- -------------------------------------------------------------------------------- 逆行EVA劇場 その7の#01 Fin COPYRIGHT(C) 2004 By Kujyou Kimito -------------------------------------------------------------------------------- -------------------------------------------------------------------------------- 逆行EVA劇場 その7の#02 --------------------------------------------------------------------------------  「ふ・・・ふええええええん」  「また泣くぅ」  迷ったんなら、迷ったと言えばいいのになぁ。  すでに30分ばかし本部の中をあっちへうろうろこっちへうろうろ。  基本的に、案内の類を見ないのが悪いんだけど、ここの作りも角を一つ間違えると、全然違う場所へ出てしまうというのすごく悪いと思う。    「だってぇ、ここどこぉ」  うるうると目をさせつつ、左右をおろおろを見回す。    ええもう、そりゃあ可愛いですとも。  思わず抱きしめて、頭をなでなでしちゃったよ。    「携帯とか持ってないんですか?」  「あ、忘れてた」  えへへへっと笑いつつ、ポケットから携帯電話を取り出し、短縮ダイヤルを叩く。  「あ、リツコごめんなさい、また迷っちゃったのたすけきてぇ」  助けに来てって、完全に迷子だよ。  「うん、はい、お願いしまぁす」  にこっと笑い、もう大丈夫って、ミサトさんが大丈夫なんでしょ?  すっかり安心しきった顔してる。    むうう、ミサトさん、かわゆい。  とてもかわゆいのですが、体格は前のミサトさんと同じなんだよなぁ。  顔のつくりがなんとなく幼くて、しゃべり方が砂糖菓子を頬張ったような甘い感じになっている。      で来ました、赤木博士が。    「でその子が例の子なのね」  「そ、わたしのダーリンなの」  腕を取って、頬を摺り寄せられる。    「はぁ?」  だからねミサトさん、何を言っているのか赤木博士には通じないと思うよ。    「かくかくしかじか、あれこれくまぐま、というわけでして」  「あらあら、それはシンジ君も災難ねぇ」  「いやまあミサトさん可愛いからいいんですけどね」  リツコの横に並んでいるのはシンジであり、そのシンジのカッターシャツのすそをつまみなぜか真っ赤になって歩いているのがミサトである。  まあ<可愛い>とシンジに言われて、照れているのである。      「真っ暗ですね」  ケージ、まあ僕は何がそこにあるのか知っているから、ほわわんとした口調で、言ってみせる。  しかし、冷却用のLCLも血臭がすごいんだなぁといまさら思った。  って良く歩いてきたなぁ、ここまでこんなアンビリカルブリッジの上を・・・。    まあ落ちたところで、LCLが抜かれるまで沈んでれば良いんだけどさぁ。  へっ? 圧力差がすごくてLCLが循環しないだろうって?  そのまま酸素が切れて、窒息死?    そりゃ肺に空気が入ってるときの話。  LCLは液体なんだから、圧力がかかったって、4気圧程度(水深40メートル相当)じゃそれほど圧縮なんかされるわきゃなくて、それほど意識せずにそのまま循環させることができるって赤木博士は言ってたぞ。    「今、ライトが点くわ」  どこかでブレードスイッチの入れられるような「ガシャン!」という大仰な音が響きキセノンライトに灯が入った。  「首・・・ですよね、ロ・・・ボットですか?」  「いいえ、これこそが人類が使徒に対抗するために作り上げた、究極汎用人型決戦兵器・人造人間EVANGELIONの初号機よ」  「・・・究極汎用?」  「究極汎用人型決戦兵器よ。もうミサト、あなた何度せつめいしたら理解できるの?」  「いや漢字が6つ以上並ぶと頭がウニになっちゃうから」  ウニってなんだよ。  「で、これに僕が乗ればいいんですね」  「そうだ」  「解りました乗りましょう」  どこからか、おっさんの声がしたけど、んな声は、無視、無視んしてリツコさんへ答える。  「いいの? だって、ダーリン痛いし危ないし」  まあ、確かに痛いんたけどねぇ。    「嫌だ、といっても乗せる気まんまんなんでしょ?」  「そうだけど」  うつむいてしまうミサトさん。    「それなら気持ちよく物事は、進めたほうが利口じゃありませんか」  ミサトさんを抱き寄せて、背中をぽんぽんとたたきながら答える。    「・・・あなた」  その目、疑っていますね赤木博士、僕のこと。  「ああ、本物の碇シンジですよ。  DNA検査でも深層心理テストでも、なんでもしてください。  戦闘が終わった後で生きていたならの話ですけど」  「そう、解ったわ、こっちへ来て説明をするわ」      そして三人はケージを出で行ってしまった。  「臆病者に用はない。  冬月レイをよこせ。  死んでいる訳ではない・・・。  ぅうううっ・・・シンジぃ父に見得のせりふを言わせてくれても良いだろう・・・」    本日、唯一の見せ場を完全にスルーされて全く立つ瀬のないゲンドウだった。      「基本的には考えれば動くようなっているわ。  だからレバーは基本的に握っているだけ。  ただこのレバーをひねって、こう起こすと機体は、高機動モードっていう高速移動が可能な状態に入って消費電力が跳ね上がるわ。  内臓バッテリー満タンで1分が最大になってしまうから気をつけて」  なるほど、そう説明されれば、納得して乗れる。    「これを頭につけてね」  って渡された青いインターフェースが、大きいよこれ・・・まるで。  「猫耳?」  その指摘に、あからさまに赤木博士をうろたえさせたのがわかった。  ったくぅ、自分の趣味で仕事するなよなぁ。  綾波とかアスカならともかく、僕は、男なんだけど・・・。  プラグスーツに尻尾が付いてないことを今から祈ったほうが良いんだろうか?    「せ、性能が出なくてそこまで大きくなっちゃったのよ、ほ、本当よ」  「趣味に走ってますね、楽しいですか職場?」  「・・・いいじゃない似合うんだもの」  「うん、うん、ダーリン可愛い」  ぎゅっと抱きしめられた。  だから顔に胸が当たってますってばぁ。    「そう? ミサトさんが言うならいいや」  まあどうでもいいことだし。  あ、ミサトさんの胸やわらけ〜っ。    「一度ジオフロントに出てもらって動作の練習をしてもらうわ。良いわね、シンジ君」  いきなりミサトの口調が変わり、凛々しいものへと変わった。  今までのどこか砂糖菓子を頬張っていたかのような甘さが全く感じられない。    二重人格かよと瞬間思ったけど、どうやらマインドセットというやつが、切り替わっただけのようだ。  「ああ、それからエントリープラグがEVAにセットされるとLCLっていう酸素飽和度の高い液体に満たされるわ、少し血なまぐさいけど我慢して」  「解りました」    「じゃあシンジ君エントリーを開始するわ」  長々としたシーケンスがよどみなく進んでゆく。  まあ、このあたり当たり前といえば当たり前。  僕が関わることでもないし、本部のオペレータの人たちも物凄い訓練をしていたんだろう、流れるように物事が進んでゆくさまは、見ていて気持ちがよい。  何をしているのかも今ならば判るしね。    そして、初号機と僕が母さんを介して接続された。  相棒の息吹が、体に力が漲るのを感じる。  人外の感覚は、ほとんど遮断されているにもかかわらず、見る気になれば赤外線レベルから紫外線レベルまで知覚できるスペクトラムが広がったのが感覚で理解できた。  もっとも、それらのスペクトルは、色としての認識できなくて、映像を補うレベルで僕には知覚できるだけでしかない。  初号機が感じているその感覚を、人に知覚することは、そもそも不可能なのだろう。    「シンクロ率・・・」  女性オペレーターが言いよどむ。  「どうしたの報告して」  その様子に、リツコの叱責が飛んだ。    「は、はいシンクロ率62.29パーセントで起動しました」  「すごいわね」  こんなに高いシンクロ率は本物の碇ジンジ以外は考えられない。  どうやら私の取り越し苦労だったようね。    「シンジ君、いいジオフロントへ一旦出てもらって時間いっぱい動作の練習をしてもらって、そのまま本番に移行するわ」  「了解です」  「よろしいですね、司令」  「ってあれぇ?」    「碇ならまだ管制室でいじけとるよ。  しかし葛城君の方針に問題は、ないやりたまえ」  「はい副司令、EVANGELION初号機発進」  かなり短い距離の移動しか行わぬため射出というよりもエレベーターによる荷揚げという風情なのが玉に瑕だろうか。  要するに、初期加速が必要ないと、迫力がないことおびただしいのである。    「最終安全装置解除」  「EVANGELION初号機リフトオフっ!  まずは、シンジ君歩いてみて」    そのミサトの指示を聞きシンジは、思っていた。  そうだよなぁ敵の目の前で歩いてみせるのはいくらなんでも無謀だよなぁ、と。  そして初号機は、何事もなく歩いてみせる。    シンジとしては、最早当然であるが、発令所ではどよめきが沸き起こった。  初号機の起動確率オーナイン・システムという呼び方は、レイが既に起動させているのだから、当てはまらないと思うのだが、やはりそれなりのシンクロ率をもって起動した初号機というのは、人類の切り札という幹部連中のおためごかしを、そのまんま信じていた低ランク職員にとって守護鬼神の降臨とでも映ったのかもしれなかった。    「シンジ君歩けるようなら走って見せて」  「どのくらいですか?」  「そうねジョギング程度で良いわ」  「了解」  これも良し。  軽いジョギングであっても、汎用駆逐艦ほどの重量を持った機体が走るのだから、周囲は群発地震の様相を呈している。  もっともNERV本部棟は、ショックアブソーバーによって、まるでそれを感じていなかったが。    「いいわシンジ君。  殴る蹴るとか出来るかしら?」  「あんまり格好よく出来ませんよ」  「そんなの気にしなくて良いわ」  「じゃあ行きます」  すっと姿勢が直されシンジが息を吐いた。    姿勢が低く落とされ両腕がボクシングのガードであるように口元でそろえられた。  「ピーカーブースタイル?  ふふ〜ん、はじめの一歩?」  「あたりです」  「そう、じゃあリバーブローからのコンビネーションしてみてくれる?」    そしてシンジは見よう見まねのイメージのみで、リバーブローからガゼルパンチ、フェイント入りのデンプシーロールへと、まるで相手が存在しているかのような見事なシャドウボクシングを決めて見せた。    「「「「「「うおおおおっ!!!」」」」」  再び発令所がどよめきに満たされた。  どうやら、もののみごとにデンプシーロールまで決められて使徒は殲滅されたようだ。    「・・・呆れるくらいに凄まじいわね」  ヴェイパーをたな引かせ無限軌道を描いていた上半身が止まった。  周囲は、凄まじい暴風が荒れ狂ったかのような様相を呈していた。    「すごいわね、本当に人間みたいじゃない」  ミサトが、リツコへ向かい思わずそう感想を漏らした。  「そりゃぁ、人以上の動きをしてくれなかったら、意味がないわよ」  至極当然といった感じにリツコは返す、だがその心の中では、思った以上の自然さで初号機が動いたことで、興奮を覚えていた。  「・・・そりゃそっか・・・シンジ君、見事だったわ。  でも、本番で使おうなんて思わないこと」  「解ってます」  「「グローブつけてないからこぶしが潰れる」」    「ぷっ」  発令所のあちこちから笑いが漏れた。  「なんなのよ、この二人」  いきなりこうも息が合うものなのだろうか?  まあ、だからミサトもダーリンとか言い出したのだろう。  そう思いリツコは、気持ちを切り替えた。    「武器ってあるんですか赤木博士?」  「右肩にナイフ、左肩にフラッシュニードルの射出器があるわ」  「フラッシュ・・・?」  「フラッシュニードルよ、敵に突き刺さると内部の爆薬で弾けるわ」  「そ、そりゃまた痛そうな武器だなぁ」    痛くない武器は、役に立たないでしょ。  というミサトの突っ込みは、不発に終わった。  ジオフロント全体が微かに鳴動したからだ。    「この振動、いったい何です。  なんだかあっちの方ですごく熱い感じがするんですけど」  そういって初号機の腕で方角を示して見せた。  「戦自がN2地雷を使ったわ」  発令所のメインスクリーンはホワイトアウトしている。    「日本の領土内ですか? だってこの辺りって無人じゃないですよね?」  そのシンジの疑問に答えたのは、戦略自衛隊の高級将校三人組のうちの一人、ウイングマークを胸につけている空将だった。  「もちろんだ、だがあの化け物を倒すためには仕方のない犠牲・・・」  「爆心付近にN2とは、明らかに違うエネルギー反応!」  その声に、重なるようにロンゲの兄ちゃんの報告がなされた。  「なんだと、そんなばかな」  「街を一つ吹き飛ばしたんだぞ」  「おしまいだ我々はもう・・・」  そうがっくりと肩を落とした海将の携帯電話が鳴り渡った。  慌ててその電話に出ると、海将の顔色が見る見る青ざめてゆく。  「はい、はい、それは重々はい解りました・・・」  しばらく小さな声でやり取りをした後、同じデッキでその様子を眺めているNERVの幹部へ向かい口を開いた。  「冬月副・・・おや碇君いつの間に」  「先ほどから」  「君たちに指揮権は移ったよ、今、見せてもらったがあれなら勝てそうだな」  ややホッとしているのは、サードインパクトが発生してしまうという最悪の事態だけは、避けられるだろうと思えたからだろう。  「ええ、オールKO勝ちのチャンプですから」  「君も好きかね」  「少々」  「デンプシーロールとは、言わんがKOを期待しているよ」  「了解です」  そう激励なんだか、なんだかわからない言葉を最後に戦時の幹部連は、迷彩服の護衛達とともに退場して行った。      「あれ、父さん居たんだ」  「居てはいけないのか」  「なに、すねてるのさ。  僕が可愛いお嫁さんをもらったのが不満なんだね」  「なに?」  「葛城ミサトさんと結婚したよ」  「おまえまだ14だろう」  ゲンドウも、流石に呆れた声を上げた。    「だって、おとことしての責任を取れと言われたんだもの」  「何をした」  「おっぱい触った」    その答えに、くすくすと失笑が起こる。  どうやらミサトの潔癖症ぶりは、NERV全体に知れ渡っていたらしい。  「それだけか?」  「そうだよ」  「・・・いや、まあそうだな。  うん何事も責任をとるというのは、大切なことだ。  シンジよくやったな」  実は、このときリツコが思い切りゲンドウを睨みつけていたのである。  ───ひぃぃい、リツコ君が睨んでいるではないか。わたしもそろそろ年貢の納め時なのかもしれんぞシンジぃ。  「とにかくそういう訳だから今まで放っておかれた分も含めてご祝儀弾んでもらうからね」  「も、問題ない」    「それにこれ、まったく一つの組織の長が送ってくる手紙じゃないだろ」  そういって、広げられたハローキティのピンクの便箋には「シンちゃん待ってるから絶対来てね。パパより」というまあいい年をしたおっさんが書く類の手紙でじゃね〜だろう! という文面が踊っていた。    「いや、それは手に火傷をしていたから代筆をリツコ君にだな・・・」  「リツコ君ん?  なんだよ父さんも再婚する気まんまんなんだね」  「い・・・いや、あの・・・」  しどろもどろの父さんっていうのも珍しい光景だ。  ここ本当にへんな世界だよなぁ      「シンジ君そろそろ出番のようだわ」  「解りました」  んん、ダーリン格好いい。  なとと内心ミサトは思っていたが、指揮官としてのペルソナがそれを表に出すことを抑制していた。  初号機は一旦リフトでケージへ降ろされ簡単な機体チェックをされた後、再びリフトへ固定される。  「敵は第三新東京市の南10キロまで迫っているわその左後方3キロの位置に射出します。  この位置に強羅絶対防衛線の支援火器が存在しているわ。  ただし充足率が低くてあまり当てにできないの、ごめんなさい。  できればATFを・・」  「あのATFってなんですか?」  やっとATFが出てくれたよ、出なかったらどうしようかと思ったよ。    「え〜っと・・・そうね説明してなかったわごめんなさい。  ATFはある種のバリアとされているものなの。  使徒が張ることは確認できたけどEVAにも張ることができるはずなの」  「バリアですか?  たとえば壁でもイメージし・・・」    いきなりMAGiの警報が鳴り響く。  ATFを第三ケージにおいて感知、パターンオレンジEVA初号機のATFです」  「・・・たら出ましたね」  「まったく、こうだったらもっと早くシンジ君にきてもらうんだったわ」  「で、ATFをどうするんですか?」  「ATF同士は、干渉しあって中和作用を起こすの、中和すればATFは、事実上なくなったのと同様、通常兵器が効くようになるわ」  「解りました」  「いい、シンジ君あなたのATFの出力だと中和距離は微妙な距離になるわ結局EVAで肉弾戦をしてもらうことになると思うの」  「了解です」  「いいの?」  そう赤木博士に聞かれたけど、乗っちゃってるのにどうしろっていうんだろうなぁこの人も。  「やりますよ、やるしかないならね」    「司令、よろしいですね」  「使徒を倒さねば人類に未来は無いやりたまえ」  「はい、シンジ君出すわよ」  「どうぞ」  「EVANGELION初号機、発進!」  いきなり最大加速でリフトが打ち上げられる。  慣性をまるで無視したかのような強引な電磁加速によって瞬間的に7Gという化け物じみた加速度へ達しそのまま地表へ向かい無数の分岐ポイントを通り過ぎ地表へ到達する。  万が一の装甲扉が縦、横、と開き、初号機が発進シャフトの最後の部分を思いのほかゆっくりとせり上がってくる。  「リフト停止、ロックボルト解除します」  「EVANGELION初号機リフトオフ!」      「シンジ君慎重に行きましょう」  アンビリカルケーブルを付け替えプログナイフを装備する。  その間にも強羅絶対防衛線の阻止火力は五月雨ではあるものの使徒をたたき続けている。  まあ一切効いていないけどね。  シンジは初号機を中腰姿勢のまま走らせ使徒へと接近してゆく。  かなり接近したとき、使徒が初号機へ振り向く。  一瞬足元への注意がそれた。  その上げた右足の下にはtype90改が擱座しておりそのうえに右足を乗せてしまった。  そして不用意に右足に重心を移した瞬間初号機は思い切り足を滑らせた。  「うわぁぁぁぁぁぁっ」  ベショッという擬音そのままに顔から地面へ倒れこむ。  そして手にしていたプログナイフを思い切り投げ出してしまった、その正面には使徒が居たさらに倒れた拍子にレバーのスイッチを入れてしまったのだろうフラッシュニードルが一連射10本がやはり使徒めがけて撃ち出されてしまった。    そしてそれらはものの見事に使徒の赤い珠へと突き刺さりフラッシュニードルは深々と突き刺さったその数瞬後遅延信管を炸裂させた。  内部で起こった100キロ×10発の高性能爆薬の炸裂に使徒のコアは耐えることができず砕け散った。  「パターンブルー消滅」  「へっ?」  「・・・まあビギナーズラックなのかしらね」  もちろんそんなものはシンジの芝居で狙ってやったことであるがそれを見抜ける人間は発令所には居なかった。    どこにいたかというと病室でひたすらシンジの来るのを待っている綾波レイだった。      「お疲れ様ダーリン」  「ただいまです。なんかわけ解らない間に勝っちゃいました、あははは」    なぜかある程度の年寄りには<植木等>や<無責任男>などという名称が脳裏にちらついたが気のせいとその考えを頭から追い払った。    後日それが錯覚でなかったことにその人物たちは頭を抱えることとなる。      「はぁ・・・考えてみたら今日は朝を食べただけでなにも食べてないや」  検査入院をさせられた病室のベッドの上でそりゃ眠れないよなぁなどと一人で納得しているシンジだった。    そのときノックが聞こえた。  「どうぞ」  「ダーリン、お腹すいてるかなぁっと思ったからリツコに聞いたら軽いものなら食べても良いわよって言ってたからサンドイッチ持ってきたの」  「流石、僕の奥さん」  「あのダーリン」  「なんですか?」  「あの・・・結婚って迷惑じゃない?」  「ミサトさんは、どうなんです?」  「わたしは、あの場で責任をとってもらえば良かったの、でもシンジ君はこんな私を嫌がらないで受け入れてくれたからこのままでも良いかなって思ってる」  「本当にいいんですかぼく本気になりますよ」  「うん」  「んじゃ改めて不束者ですがどうぞ末永くよろしくお願いします」  「こちらこそどうぞよろしく・・・でミサトさん」  「なぁにダーリン」  早速夫婦らしいことをしましょう」  「もう? いくらここが病院でベッドがあるからって言ってもここはカメラで監視されているし・・・」  「ミサトさんのスケベ」  「え? ええっ?! 違うの?」  「キスですよいくら僕がスケベでも病院でHなんぞしますかい!」  「あは、あは、あは、あははは・・・そ、そうよね〜・・・」  「黙って座って」  ミサトは肯きベッドの端に腰を乗せた。  「目を」  頬へそっと両手を添え合わせるだけの口付けをする。    じっと見つめられていることに気がつきミサトの頬が赤く染まる  「恥ずかしい」  「なに言ってるんです綺麗ですよどうしてこんな綺麗な人を放っておいたんでしょう他の男性たちは」  「だって私ずっと女子校だったし大学はリツコと一緒だったけどいつもリツコと一緒に居たからリツコが防波堤になってくれてて」  「下手に近寄ると改造されてしまうかもしれない」  「そう、多分本気でみんな心配してたわ」  「そっかこんなに可愛らしいミサトさんが僕のものになったのはリツコさんのおかげなのか、感謝しないといけないな」  「でもUNFの軍隊って大変じゃありませんでした?」  「うんでもヨーロッパってそういうのすごく厳しいところだったから」  「そうなんですか」  「あのねダーリン」  「なんですか?」  「ぎゅって抱きしめて欲しいの」    ああもうかわいいなぁ。  とはいえ体自体が小さいわけではもちろん無いのでぎゅっなんてすると僕が抱きついているようにしか見えないし。  必殺Fカップのおっぱいに顔がうずまってしまうんだけどね。  でまあなにか忘れているなぁと思ったら綾波さんでした。  ええミサトさんの可愛らしさに綾波のことなんて吹き飛んでしまいました。    相当にお冠かと思ったらそうでもなくて、このおっぱい星人! と嫌味を言われただけで済んだ。  別に胸が大きいからミサトさんとくっついたわけじゃないぞ。  われながら説得力が皆無だけど。    まあそんなこんなで綾波が退院してなぜか京都の爺様の家へミサトさんを紹介に行ったり。  いきなり数十億の資産分与させてビビったり。  父さんが六分儀姓へ戻ってリツコさんが入籍したり。  なぜかミサトさんと綾波に高級外車が買えるであろう指輪を買わされたり。    ねえ、お妾さんの契約指輪で本当にいいの綾波ぃ?  「わたしアルビノだから日向には出られない日陰の女なの」  とかもう一つ分けわかめなこと言ってたけどさ、前の時には、平気で炎天下プールに入ってたじゃん。  アルビノじゃなくて父さんが形質操作に失敗しただけのはずなんだけどなぁ。  まあいいけど。  二人とも好きだしね。    それにしても平和だなぁ。  訓練もしているし前と違って体を使った格闘訓練なんてこともさせられているけどなんか楽しくて仕方ないや。    で、三週間が過ぎ去りました。  え〜来ました真昼の侵入者(古っ    で出撃です。  「パレットライフルの弾体は、劣化ウランからタングステンに変えてあるけど基本的に牽制にしか使えない補助火器だということを忘れないでね。  あくまでEVAによる殲滅が現状の通常火器の充足率ではメインになります」  「解りました」  「EVANGELION初号機発進!」  例によって無茶苦茶な初期加速で打ち上げられて強羅絶対防衛線の端でリフトオフする。    ったくこいつどういう原理でふよふよ浮いてるんだかなぁ。  ATFだってぇんなら初号機だって飛べ・・・ああ、羽根がでるから駄目なんだ飛んだら。    まあ効かないライフルをそれでも叩き込みつつ踏み込むタイミングを図っていたら、いきなり光のムチが出やがりました。    で、またまた足首に巻きつかれてぶん投げられそうになったので思い切り踏ん張りましたが、流石に踏ん張りきれずに空中に持ち上げられてビッタンビッタン、たたき付けられております。    ATFで衝撃は、和らいでいるけどいい加減腹立ってきたぞこの野郎!  で、思い切り投げつけようとでも思ったのか、思い切り振り被ったところで光のムチがすっぽ抜けやがりました。      慣性に従い使徒の真上へ向かい投げ出されめちゃくちゃに振り回されたプラグ内で、しがみつける唯一のものを思い切り握り締める。  もちろん、んなことをすれば、唯一の内装兵装であるフラッシュニードルのトリガーを入れることになる。  左右の肩のフェアリングに仕込まれていたフラッシュニードルは、100本あまりそれが全弾が射出されそのうちの60本が使徒へ突き刺さり炸裂した。  さらにそのまま初号機は、体制を立て直す暇も無くかかとから無様に使徒の真上に落下した。  もちろん、そのかかとは、後背部からものの見事にコアを直撃していたのである。      「ぱ、パターンブルー消滅・・・しました」  「・・・呆れた、またラッキーヒットよ」    「いちちちっ、まったく思い切り振り回しやがってぇ・・・。  で、どうなりました」  「もどってらっしゃいもちろんダーリンの勝ちよ」  「な、なんにもしてないんだけどなぁまだ」      で外れた40本はもののみごとに某壱中の生徒二名の周囲になぜか集中して突き刺さりたまたま信管が死んでいたために泥をかぶった程度で済みましたとさ。    「なんちゅうか、命冥加な奴らですね」  「なぜかあさってのほうにとんだ全弾が突き刺さるだけで爆発しない設定にたまたまなっていたから生きているのよ。  そうじゃなかったら親でも<このあたりが息子かなぁ>なんてこともわからない様になってたでしょうね」  「何しにシェルターから出たんですか?」  「EVAが見たかったんですって」  「・・・馬鹿ですか?」  「まあ一人の子がどうしても見たいともう一人の子を引っ張り出したみたいだけど問題はそんな子供がシェルターを開けられたことにあるのよねぇ」  「ほんとうに頭痛いわ」  「だって普通死にたくなければ出ないでしょ?」  「そうなんだけどね」  「そう簡単に開けられる仕組みじゃないはずなのよ」  「開かないシェルターを開けてしまった・・・ようするにシェルターの管理が駄目だったってことですよね」  「端的に言えばそうなるわね」    「で、そいつらどうなるんですか」    10日ほど営倉にお泊りした後、しばらく教員室学習となるそうです。  ・・・本当にバカだ。      「ダーリン疲れた?」  「う〜ん、少し疲れたかな」  「おいしいもの作るね」  そうなのだ女子校育ちのこのミサトさんの料理は普通においしいのである。    で夕食後の決まりごとなのである。  「お風呂入りましょ」  異性の体に慣れてもらうために一緒にお風呂に入るのだ。  歳の離れた姉弟が洗いっこをするかどうかはしらないけどたぶんそんな感じ。    人に体を、洗われるというのは不思議な感じ。  子供の頃・・・もちろん今も子供だけどさ・・・父さんや母さんにそういうことをしてもらった思い出のない僕には、尚更とても新鮮に感じられた。  背中にそっと泡立てたタオルが押し当てられそれがゆっくりと降りてゆく。  そして、それが繰り返される。  手を持ち上げられ、洗われる。    その後、そっと肩をたたかれ前を向く  もちろん、なにもかくしていない。  ミサトさんの体は綺麗としか言いようが無い。  綾波もたいがい綺麗だと思ったけどミサトさんは、それ以上だ。  滑らかな肩、細い手足、本当に内臓が入っているのかと思うくらいに細い腰。  そして大きな胸とお尻。    「じっと見られたら恥ずかしい」    なんて甘い声を出されたらくらくらしてしまう。  そっと胸から腹へなでおろされてる。  はじめは、ものすごくくすぐったくて堪らなかった。  ミサトさんも最初はとてもくすぐったがった。    胸が終わると足最初は<僕>を見て真っ赤になってしまっていてこっちまで恥ずかしくなっちゃったけどここのところなれてくれてときどきつんつんとかつつかれたり積極的に手で包まれてしごかれたりするようになった。  ・・・だからそんなことされたら出ちゃいますよミサトさん。  って、まあいいか。    で最後に頭を洗って僕は終わり。    今度は僕の番。    やっぱり背中から力を入れすぎると傷つけてしまうからそれなりにちからを入れつつも、やさしく洗う。  手は指先まで丁寧に、そして後ろから手を伸ばしてボリュームのある胸を愛撫するように洗ってゆく。  乳首がつんと上を向いて時々甘い喘ぎを上げさせてしまうほど念入りに洗う。  お腹とおへそのあたりも後ろから洗ってしまう。  両足は前に回って丁寧に上から下へ。  すこし無理やり広げてもらったりして汗以外の液体が染み出しているのを触って確かめたりじっと見つめてヒュクヒュクと花びらがいやらしく打ち振るえるのを観察したり最後は、互いの性器を洗いっこといいつつ完全にその気の愛撫のし合いになり、そして抱き合ったまま繋がる。  一度ミサトさんの手の中に出しているので長持ちするからゆっくりと追い上げることが出来る。  最初は僕が動いていたんだけどどう考えても軍人さんであるミサトさんの方が基礎体力がべらぼうに高いのである。  そして体が性交に慣れれば自分が気持ちの良い動きというのが解るようになったらしくて今では、もっぱらミサトさんが動いてくれる様になってしまった。    「気持ちよかった?」  「もちろん、ミサトさんは?」  「もう解ってるくせに」  「まるで搾り取られるような動きをしましたからね、いったんだなぁって解りましたよ」  「そ、そういう風に感じるんだ?」  「うん、こう根元のほうから閉まった部分が先端へ向かって動いてゆくんですけどそれが連続されると命まで吸い出されるみたいにものすっごく気持ち良いですよ」  「恥ずかしいからそんなこと言ったらいや」  「ああ、もう可愛いなぁ。  えっちしている時には、妖艶なのに。  ああもう大好きですよミサトさん」  「わたしもダーリン大好きよ」    で、まあ汗をかくからそのままシャワーをもう一度浴びなおしてお風呂は終わり。  時間にもよるけどTVは、ミサトさんニュースとドキュメント番組程度しか見ない。  あ、時々歌番組が入るかな。  僕もゴールデンタイムの番組は興味が無いから、ふたりで背中合わせに本を読んだり互いに膝枕のやりあいっこをしたり。  恋人同士の睦みあいの究極だと思う耳掃除なんてことをしてもらったり。  で悔しいことに僕が眠っちゃって気がついたらミサトさんのベッドに寝ているというパターンが多い。  逆はさすがに僕の非力な腕力ではミサトさんを持ち上げられなくて、そのばに毛布で包まるというパターンになる。  あんまりないけどね。      で朝は弱いミサトさんに変わって僕がおさんどんをするのである。  なんのかんのと言いつつ、僕って結局おさんどんするんだなぁ。      さて、ここで問題です。  ラミたんをどう始末しましょう。    まあ普通の軍人さんのミサトさんだから偵察はしてくれるだろうしいきなり発進/至近にリフトオフっていう必死コンボは無いと思うんだけど八州作戦は綾波の命が危険が危ないからぜひとも却下却下却下したいところ。  代替の作戦が僕の発進のときまでに思いつかないと必然的に八州作戦になっちゃうんだろうなぁ    ああ〜どうしよう。     -------------------------------------------------------------------------------- 逆行EVA劇場 その7の#02 Fin COPYRIGHT(C) 2004 By Kujyou Kimito -------------------------------------------------------------------------------- -------------------------------------------------------------------------------- 逆行EVA劇場 その7の#03 --------------------------------------------------------------------------------   ・・・だめだ〜思いつかない。  そもそも僕ってEVAについてそれほど知っているわけじゃない八州作戦だってあのままじゃ綾波が危ないっていう事しか言えないんだ。    って綾波に言ったらATFを斜めに張って上にビームを逸らしてしまえば大丈夫って言った。    ああなるほど確かによさそう  なんだそれなら最初に出されるときにも使えるじゃないか・・・お! おおっ! それならもっと面白いことができるぞ。  弾けるかどうかを確認しないと駄目だけどね。    「綾波のおかげだよ」  「ご褒美欲しい」  「えっと・・・」  「葛城大尉と同じようにして」  「世間でそれは犯罪なんですけど」  「特務機関権限でうやむや」  「でもあの」  「わたし魅力ない?」  そりゃずるいよ綾波さん。  女はずるい生き物なの。      え〜しちゃいました。    もっともひたすら痛いだけだったらしくてなみだ目で責められました。  「痛かったの。  血も出たの」  んなこと言われたってさぁ。  そりゃ綾波の場合あんまり激しい運動とかしたことないでしょ?  ミサトさんの場合には軍人さんだからものすごい運動をしたわけさ。  で、すこしばかり激しい運動をした場合処女膜っていうのは破れちゃうんだよ。  だからミサトさんの場合には膣を押し広げられる痛みしか感じなかったからあんまり痛くなかったんだよ。  ごめん。  「知ってたならちゃんと教えて碇君、とっても意地悪」  いや、だから個人差が激しいんだよだからしてみるまでは解らないんだよ。  「でも痛かったの」    はいはいじゃあ痛いところを舐めてあげるよ。  「あ、ちょっと、駄目、それは駄目ぇん。  恥ずかしい碇君、駄目。  ひぁっ、んふっ。  駄目そんなところ汚いから。  あん、くううん駄目、噛んだら駄目なの」  「ううう」  気持ちよかったでしょ?  「ううう、恥ずかしかったの」  じゃあ恥ずかしくなくなるまで舐めてあげるよ。  「いや、もう駄目、これ以上されたら駄目になっちゃうから、駄目なの碇くぅぅん」      ご馳走様でした。合掌。      「むうううう」  あ〜なんか怒ってるよミサトさんほっぺを膨らませて。  「み〜ちゃんはどうして怒っているんですかぁ」  「レイにばかりやさしくしてずるい」  「そんなことないと思うけど」  「私だって初めてのとき痛かったの」  いまさらどうしろと言うんでしょうねぇこの娘っ子わぁ。  「解りましたとことんお詫びをいたしましょう」  「へっ?」  ミサトさんの腕を取るとリビングから寝室へ引っ張り込む。  「え? なにするの」  「決まっています綾波と同じようにしてあげますよ、とことん」  「そんな、あのそりゃ少しはいゃんスカートめくったらああん駄目下着の上からなんて駄目よダーリン駄目んんっはぁんんんっ  3時間舐めっぱなしでした。  その後とつて美味しくミサトさんをいただきました。  アレだけ乱れたあとなのにぎゅってしがみつかれて延々と搾り取るような動きだけでいかされました。  無意識にそれをするあたり只者ではありません。  ものすんごく気持ちよかったです。    ・・・いただいたのではなく、いただかれただなこりゃ。    「また今日はずいぶんとミサトに懐かれているわね」  「え〜っと夕べちょっと親密になりすぎまして」  「あらあら、そんなに愛されたの?」  「あぅ〜覚えてないのぉダーリンに・・・あそこにキスされてたのは覚えてるんだけど気がついたらダーリンと一つになってて  ダーリンに気持ちよかったって褒められたの」  「あらあらお熱いわね」    もっともリツコの執務室で無ければミサとも惚気たりしない分別はある。  あるにはあるが懐いている状態は変わらないらしい。  「綾波ぃ調子はどう?」  「問題ないわ」  「レイがんばるのよ」  「はいミサト姉さま」  「姉さまぁ?」  「だって棒姉妹ったぁい」  「女の子が下品な冗談言ったらためだよ綾波」  「ぐぅでぶったぁ」  「あ、ごめん痛かった?」  「痛かったの」  「ごめんごめん」  よしよしとでも言うように、なでなでをする。  「綾波が、み〜ちゃんのことお姉さんって思う気持ちはうれしいんだよ」  「レイと姉妹? シンジ君のあれがあれで、二人ともあれされてて私がお姉さま?」  「ほら、み〜ちゃんはセクハラギャクに耐性がないから意識を飛ばしちゃったじゃないか」  「ごめんなさいなの」  「まあいいや時間だから綾波大丈夫だって解っているけど気をつけてね」  チュッと軽い口付けで送り出す。  「あはははレイとあたしは姉妹なのね」  「まだ飛んだままかい・・・み〜ちゃぁんおーい戻ってこないとこの場で犯しちゃうぞぉ」  きゅっとある部分をショーツの上から軽く刺激してやる。  「ふひゃん・・・あ、ダーリンもうこんなところでえっちさんなんだからぁん」  「綾波はエントリープラグへ行きましたよ僕らも管制室へあがりましょ」  「もう少しして」  ぎゅっと体を押し付けられる。  「着替え持って来てないんですから駄目ですよ」  「あう〜っダーリンがしてきたのにぃ」  「・・・それじゃあショーツを脱いじゃってください。  舐めてあげますから」  シンジは跪くと足の間へ顔を寄せる。  そして薄いかげりを鼻の頭に感じながらそこへ吸い付いてゆく。  「あん・・・」  シンジはミサトを手早く追い込むため指を膣へと挿入する<あ〜もうミサトさんの中うねってるよ気持ちいいんだろうなぁ>などと思いつつ指を一番奥の少し手前で手前へと折り曲げそのあたりの質感を探る。  このあたりかなぁ。  強く吸いたてるのとミサトのGスポットを  指先で押し上げるのとを同時に行う。  「くひぃぃぃぃいぐいぐぅぅぅぅ」  数回シンジの喉がなる。  失禁を飲み干したのだ。  絶頂してしまい筋肉が緩んだためのそれを  「ダーリンだーりぃぃん好き好きなの」  「僕も大好きですよ。  可愛いミサトさん」  「み〜ちゃんあるける」  ハンカチで後始末をするとショーツをはいてもらう。  「あうううダーリンごめんなさいおしっこ飲ませちゃったよぉ」  「平気ですよそれくらいとっても濃かったですけど」  「ごめんなさぁい」  「いいですよLCLよかなんぼかましです」  「・・・そんなにすごい味なの?」  「匂いが血の匂いそのものだすからね」  「・・・どっちもどっちな気がする」  「まあミサトさんのおしっこは大好きなヒトのですから平気ですよ」  「ごめなさぁいでもいきなりオーガズムまでいかされちゃったから驚いたのなんかダーリンすごいことしたのね」  「今度説明しますからもう起動実験始まってますよ」  「あ、そうだった」      「遅れました」  「すいません」  「ちょうどシンクロが始まる所よ」    「零号機ボーダーラインクリア起動閾値を超えます!」    「EVANGELION零号機シンクロ率54パーセントで起動しました。  ハーモニクスは1.4〜1.2の間で推移。  振幅傾向は減少」    管制室内にほっとした空気が流れた。  なにしろもしも初号機が倒れたならばいきなり大ピンチ状態であったものがありあえずもう一枚使える手ふたが増えたのである。  とかもド素人のシンジと違い数年にわたって開発に携わってきたプロフェッショナルなパイロットが乗る機体であるのだ。  それをほっとせずになににほっとしろというのだろう。    「引き続き・・・」  そのとき警報が鳴り響いた。  「いきなり現れました。使徒です!」  「総員戦闘配置、初号機の発進準備には時間がかかるだろう、このまま零号機を出す。  その間に初号機の発進準備だ」    あちゃ〜っ綾波がババ引いちゃったよ。  零号機のTAFじゃあれは無理だろうなぁきっと。  「司令少々お待ちください」  「なにかね葛城君」  よし行けっみ〜ちゃん軍人さんの作戦を髭親父に見せてやれ!  ここは使徒の能力を測るためにも威力偵察を行うべきだと思います。  「なるほど私が口を出すべき事柄ではなかった。  葛城君の思うとおりにやってくれたまえ」  おおなんか髭が立派に見えるぞ。  多分威力偵察の意味が解らなかったのに違いないけど。    あリツコさんに聞いてら。    ようするに軽武装した車両や歩兵などを敵が居ると思われる位置へ送り込んでどれだけの部隊がどれだけの火力をもっているのかを強行的に情報収集すること。  戦闘まで込みで情報を取ってくるからそれなりに武装していないとやられてしまうことになるというなかなか危ない偵察方法だけど敵情を探るには一番確かな方法でもある。  でそれをEVAを出す前に行いますとミサトさんは言った訳だ。  今までは戦自の部隊のみなさんが図らずも使徒の能力を引き出してくれたけど  今回のラミエルは突然こちらのテリトリーに現れた上に多少の攻撃には見向きもしない空中要塞様だものだから敵さんの能力を探らないと決戦兵器をいきなり打ち出すなんて真似はしたくないってことになるんだと思う。    「バルーンダミーと独12式光学臼砲の用意をして」  「解りました5分ください」      「バルーンダミーは攻撃と同時に荷電粒子砲で蒸発。  光学臼砲は相転移層が視認できるほどのATFで弾かれたあと荷電粒子砲の餌食かEVAを出さなくて正解だったわね」  「そうねあの荷粒子砲をたたきつけられたら  EVAの特殊装甲だって5秒と持たないわ」  「で、作戦は?」  「二つあるわ今使徒は本部直上に静止シールドを伸ばし直接侵攻を図るつもりのようよね」  「まああの荷粒子砲が下へ向かって撃てないってだけでも僥倖といえるわね」  「そこで超長距離からATFを貫けるだけの威力を持った火砲による攻撃とこのシールドに対して超高圧電流を叩き込むという二つを試案としてブリーフィングを行います」    なるほど生き物だから高圧電流には弱そうだし電気が良く通りそうな使徒だものなぁ。    「長距離攻撃は第二案として高電圧作戦をメインとします。  なにしろお金がかからないのが利点になったわ」  「現NERVの  機材と資源だけで最大規模の落雷に相当する大電圧を発生させられます。  いかに使徒が無敵・・・ではありませんが精強の戦闘生物とはいえ億も二桁、三桁に達する電撃を喰らえば無事であるはずがありません」  「EVAは出さないのかね?」  「とどめとして出てもらうかもしれませんができれば電撃のみでかたを付けたいと思っています」  「解った」  「しかし電撃かね確かにあれは溜まらんからな」  「副司令?」  「いや実験でな30万ボルトの電極に誤って通電中に触れたことがあるのだよあのときああ人は翼が無くとも飛べるのだなぁと妙に遅い周囲の時間の流れを感じながら思ったものだったよ」  「よくご無事で?」  「いや爺様の形見の懐中時計が身代わりになってくれてな」  「それは初耳ですよ」  「おまえになんぞ話したら笑われるだけだからな」  「そんなことはありませんよ」  「では電撃作戦のご承認をいただけるのですね」  「うむその際にはやはり葛城君にスイッチを入れてもらうのが一番だろう」  「冬月先生も趣味に走りますな」  「トラジマビキニに黄色い角をどこかで調達をしてこないといけませんか?」  あのせりふも忘れんように」  「了解いたしました」    「いいのか碇彼女本気にしたぞ」  「まさか理解できるとは思いませんでした。  ダーリンとシンジを呼んでいる時点で気がつくべきでした」  「まあ恥をかくのはなれ取るから構わんがな」    外へ出さなければいいだけのことと違うのか爺さん達。      「トラジマのビキニ?」  「あるわけ無いでしょそんなもの」  「やっぱりぃ購買にも無いって言われたしぃ」  「あれのコスプレなんでしょ?」  「うんそうだと思う」  「だったらプラグスーツにトラジマ模様書き込んでインターフェースを黄色くすればいいんじゃない」  「あたしが着られるプラグスーツなんてあるの?」  「大人が乗るためのスーツも作ってあるのよパイロットのサポートのためにね」  「じゃあそれでお願いするわね」  「まあいいけど、あんまり悪乗りしないほうがいいわよ」  「そんなつもりは無いわよ。  でもダーリンが戦わなくて済むでしょ?」  「ああそれでなんか浮かれているのね」  「浮かれてないもん」  「まあそうね」      まあ今回なんか出番が無くなったみたいなんでホッとしていたり。  せっかくビーム攻撃を防ぐ方法を思いついたのに残念だったり。  もっとも電気流して使徒が倒せたらこれから先とっても楽になる気がする。      と言ったら綾波に楽あれば苦ありなんていわれてしまった。  そりゃ効かなそうな使徒の方が確かに手ごわいけどさ、そんなに脅かさなくてもいいじゃん。      これだけの規模の実験施設なのである放電設備程度探せばいくらでも沸いてくる。  まあ成りはいささかくたびれているが。  「ゲヒルン時代の遊休設備がこんなところで役に立つなんてね」  「それって大丈夫なの?」  「下手したら今の時代の設備よりも余程丈夫に作ってあるわよなにしろバブル景気の頃のお金に飽かせて作らせた品物だ物」  「余計に心配じゃない」  「ちゃんと品質試験は通っているわよ」  「まあリツコが太鼓判おしてるんだからそれでいけどさ」  「それにしてもあなたのファンがみた増えそうね、その格好」  ミサトの格好は、大人用のオレンジのプラグスーツの胸と  「うちはダーリンにだけ見てもらえればいいっちゃよ」  「口調まで真似せんでもええっちゅうねぇぇぇぇぇぇぇん!!」  「ったぁ・・・今度からランちゃんと呼んであげるわ、リツコ」  「失礼ねピコピコハンマーじゃない、あんな怪力娘と一緒にしないで、それにピンクハウス系の衣装は願い下げよ」    「じゃわたしは男なんてぇ〜〜っと叫ぶ人でないとだめですか?」  マヤがボブカットの少女の口調を真似て見せた。  「いやだから」  「とするとさしずめ僕なんかは、妙に活舌の良いプロテクトギア使いですね」  彼のいっているのは、メガネの彼のことだろう。  「似合いすぎているからやめときなさい、失恋するのも定めになるわよ」  「とっくに恋なんて破れてますから気にしませんよ」  「さあそろそろ本番行くわよ」  「「「うぃ〜っす」」」      「雷神の鎚(トールハンマー)作戦スタート30秒前です」  「各電極問題ありません全コンデンサフルチャージ状態!!」  「雷神の鎚(トールハンマー)って、またえらく立派な名前ですね」  「せめて名前だけでも格好付けないとね、なにしろ中身はたんなるコスプレ作戦なんだもの」  「あははは」  呆れた声を上げたのは、リツコである。    「作戦15秒前」  「使徒行動に変化なし、ATF微弱」  「双子山山麓に高エネルギー反応!!」  「使徒縁周部を加速エネルギー増大!」  「作戦5秒前」  「使徒荷粒子砲発射!!」  「射線は双子山山麓!」  「作戦2秒前」  「だ、だ、だ、だダーリンのばかぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!」  そのミサトの叫びには、自分たちの作戦を出し抜こうとした戦自部隊への怒りがかなりの成分含まれていた。  緑のかつらまで被ったミサトが叫びを発しつつブレードスイッチを叩きおろした。  その瞬間総電圧222億2千万ボルトという人類の作り出した最大の電圧のかけられた電撃が使徒のシールドシャフトめがけて地下数層から襲いかかった。      もちろん電撃の直接ぶち当たったシールドシャフトは瞬時に陥没溶解蒸発をしたが超電撃はシャフトをさかのぼり使徒の機能中枢へ到達さらに機能中枢の作り出していたエネルギー回路を通り体表へ逆流し撃ち放たれていた荷電粒子ビームに乗りアースしたのである。  瞬間使徒全体が光り輝きそして加速回路を作り出していた縁周部から無数の色鮮やかなビームが全域へ向かいなんの脈絡も無く放たれた。  そして大電流に耐えることのできなかった機能中枢が動作を止め光の濁流と言ってよかった荷粒子ビームが途切れたことでその命が尽きたことを示した。  だが電理由は停止されずプログラムに従いさらに使徒の体に流れ続けたその負荷に絶えられず使徒の構成物質が分解し炎を上げて燃え上がり、自らを火葬とするまでそれは途切れなかったのであった。    ラミたんへ合掌。    「双子山の戦自部隊に救援を出してあげてひどいことになっているわよ」  轟々と使徒が燃え盛る炎と比べたならばたいしたことはないように見えるがいきなりビームを叩き込まれた戦自部隊ははっきり言って全滅状態だった。  「こっちの上前を跳ねようなんてするからよ」  「どうミサト自分の手で使徒を倒した感想は」  「く・・・癖になりそう」    相変わらずへんな世界だなぁ。        「JA完成披露パーティーですか?」  「そうよ日重っていう企業体と海陸空の自衛隊が参画して作った戦闘ロボットなんですって」  「でどうして僕が呼ばれるんです?」  「だって日本最大の兵器産業の甕星重工のオーナーさまでいらっしゃいますし。  碇総本家の跡取様なんだもの当然だと思うわよ」  「ミサトさんは」  「婚約者だと思う」  「なるほど、それじゃ買い物行きましょうか」  なにしろ呼ばれた身分が身分なのであるNERVの士官服というわけにもいかぬためそれなりの服装を整える必要があったのである。      「これまたずいぶんと殺風景なところに呼ばれましたね」  甕星重工差し回しのVF/A−4でその場に降り立ったシンジとミサトは警備担当という碇四分家の一つである霧島家の一人娘マナに警護され殺伐としたまっ平らなコンクリート舗装の延々と続く荒野の只中に忽然と作られた感のある披露会場へと入ったのである。  「もしかして世が世ならマナさんがシンジ君の婚約者だったかな?」  「さあ四分家といいつつも碇総本家との繋がりはかなり緩いですから」  さっきからこんな牽制球の投げあい状態が続いていた。      目の前には豪勢な料理が並んでいるものの手をつけている客はあまり居ない。というか一人も居ない。  さらに言うならNERVから出席している赤木リツコと綾波レイの席にもそれなりに料理が並んでいた。  「うぉほん私が日本重工業連合のJAプロジェクト責任者時田ペ〜ック! でございます。  以後お見知りおきを願います。  「あ、こちらこそ」  なんていう挨拶とともにビジネスカードの交換なんて真似をするのである。  こそばゆいったらありゃしない。  しかしこの開発責任者の時田ペ〜ックとかいう人胡散臭くていいなぁ。  金髪をリーゼントだぜいまどき。  気忙しなく髪型気にしてるし本当に開発責任者なのかなぁ。    「おお、あなたが甕星の新オーナーでしたか」  「ええ、そのようですよ」  「わたしの作ったJA度肝を抜いて差し上げましょう」  「期待してます」  「もちろんですお任せください。  たとえNERVのEVANGELIONに乗りなれているとしてもそれだけは補償できますよ」  「ありゃそっちもバレバレですか?」  「そちらの女性は作戦部長という肩書きをお持ちでしたね」  「はい」  「子供を戦わせることを銅思っていますか?」  「好きで乗ってもらっているわけじゃありませんし乗せないで勝つ方法も考えています。  現に」  「おっとそうでした、EVAを使わずに第五の使徒はあなたが自ら殲滅なさっている立派な成果だと思います。  ならば、ならばなのです。  EVANGELIONを使わずに使徒と互角に戦うことが可能な機体が作れたならばNERVでの導入を  お考えいただけますかな?」  「現物を見てみないことにはなんとも言えませんよ時田さん」  「おおそれは確かにそうでしたな。  質疑応答の後JAを起動させて実可動をお見せいたしますよ」    「よろしいですか?」  「どうぞ赤木リツコさんでしたな」  「はい動力機関は内蔵とありますがどのような機関なのでしょう?」  「燃料電池、ディーゼル発電をはじめとするごくありふれた内燃機関と電気機関です」  「原子力電池ということはないのですか?」  「プルトニュームの入手が困難になってしまっていますのでそれは検討の埒外となっておりました」  「では外部からの無線によるリモコンとのことですが」  「大域スペクトルを使用したバースト信号型の司令信号です敵性体の特性として電波妨害があるようですが近距離でしたらレーザー通信も使い指令を行いますので支障はそれほどでないはずです」  「ATフィールドを暫定装備とありますが・・・本当なんですか?」  「もちろんABSOLUTE TELLER FIELDの略でATフィールド、もしくはATFとそちらでは略されているようですが、こちらでも独自にATFの本質の解明に成功しております。  そして人工的にATFを発生させることにも成功しております。  ただし出力が  低いためそちらの人型兵器のように単独で敵性体のATFを中和するというようなことはできませんがね」  「数がそろえば可能であると?」  「それも補償しかねますな。  ですが発生できたものの出力を上げてゆくことは可能だと思いませんか、赤木さん」  「ええ思います」  「なにか他に質問がございますか?」  「すいませんいいですか?」  「おおこれはミカボシ重工の若きオーナー自らのご質問ですか」  「というかNERVのEVANGELIONのパイロットという立場からの質問になります」  「そちらの方がうれしいですよ」  「では使徒の攻撃は場合によっては音速を超えたものや超射程のビームのようなものまで多彩なんですが特に速度性能でリモコンのロボットにその攻撃を避けたりカウンターを取ったりの行動が可能なんですか?」  「大変良い質問です。  ですから我々はJAに人工知性を搭載しました。  「まさか」  「ほほう赤木博士は気が付かれましたね」  「人工知性の単体静物化によるATFの発生そんな方法があるなんて」  「いや実にすばらしい我々が5年10年とかかった回答にたった数秒でたどり着いてしまわれるとはさすがにE計画責任者でいらっしゃる赤木さんですね」  「そんなことを本当にしたんですか?」  「ええ具体的な方法は勘弁してください木々用秘密ですからですがそれを我々は行いました。  」  その一言で質疑応答は幕を閉じたのであった。    「言うとおりの品物ならば導入を健闘する余地は大有りですね」  「本当に言うとおりならね」    そして実働披露が始まったのである。    「JAドック浮上!」  ゴゴゴゴっという地鳴りとともに50メートル四方の地面がぱっくりと両開きに口をあけてゆく。    その中から巨大なクロウラーに乗せられた高さ40メートルはあろうかというメカメカしい外観をした直立した棺が姿を現した。    時田氏は腕にしているらしいリモコンへ向かい思い切り声を張り上げ命を下す。  「じぇぇいえええいあ〜〜〜〜くしょんんっっ!!」    バタン!とすさまじい勢いで棺の蓋が跳ね上がる。  その棺の中には一回り小さな棺が姿を現し、その蓋も跳ね上がるとさらに小さな棺が現れ、さらに、さらに、さらに、さらに・・・。といい加減棺のサイズが人の大きさを下回ったころあいになってようやくその中からなにかが飛び出してきた。  それはどうみてもどこかで見た人型をした格闘技をこなすプラモデルの玩具にしか見えなかった。  「これが、これが、これが、これが、これが!!我が日重の渾身をこめて作り上げたジェットアローン最終バージョンんんん!!だぁぁぁぁぁぁっ!!」  たたたたたたたっと時田の前までJAは走ってくると華麗にシャドウボクシングなんぞを決めてみせる。  だが来客の大半はその姿を見た瞬間あまりにも呆れたのだろうあごを落とした表情の後無駄な時間をつかっちまったぁというぼやきとともに会場をいきなりぞろぞろと列を成し出て行ってしまっていた。  よくよく見れば一メートル四方のリングがなぜ作られているのか理解できたのだろうそのりんぐを蹴飛ばしてゆく人の姿も見かけられる。  「みなさんどうしたんです。  JAですよこれがねえほら格好いいでしょ?きっくもパンチもドロップキックだってかかと落しだってやっちまうんですよまさに無敵のJAかっこいいぞJA!!」      「プラレスやってるんじゃね〜!!あさってでなおしてこぉぉぉぉぉぉぉぉい!!」    ドゲシン!  ATFは張られた様だがシンジの蹴りを止めるだけの質量があるはずも無くJAこと柔王丸はあさっての方へふき飛ばされてしまった。  「のぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ」    「ったくどうせ作るんだったら桜姫つくりゃいいじゃんか」  「それだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」  「やかまし!!」  ペックの後頭部に、ミサトのぐぅパンチが炸裂したのであった。    ペックたんに、合掌    その後日重はJAをリモコン玩具として売り出しそこそこのヒットを飛ばしたということである。        さてデートですデート。  CV−22オスプレイに乗ってニミッツ級原子力空母CVN-77 ジョージ・H・W・ブッシュことオーバー・ザ・レインボーへお空のお散歩です。  「でセカンドってどんな人なんです?」  「うん頭の良い子よ自分能力をしっかりわきまえてるげとあんまり人付き合いはうまくない子よ」  「はぁ、良く解らないですね」  「私もあんまり親しくはしてなかったから」  「我が強くて付き合いづらい感じですか?」  「う〜んというか自分からあまり人とは付き合わない感じなの」  「綾波みたいに?」  「レイの場合はそもそも人との交わりを否定しているようなところがあったでしょ?」  「まあそうですね」  「そうじゃなくてある一定のラインからは踏み込んでこないし踏み込ませないって感じかなぁ」  「クールビューティー?」  「そう!クールって言葉がぴったりよん彼女は」  はぁなんかアスカが一番キャラがちがうのかもしれないなぁ。      そんなことを思っていたら  着きましたOTR「ようこそ太平洋艦隊へ艦隊司令自らのお出迎えとは驚かされました。  「いやなに気まぐれだよ、葛城ミサト大尉」  「まさか教官が艦隊司令をしていらっしゃるとは思いませんでした」  「君は相変わらずだな事前に艦隊編成表はNERVへ回っているはずだぞ」  「はあいただきましたがキャプテンの名は出ていましたがフリートコマンダーの名は見つけられませんでしたのでてっきりOTRの艦長がコマンダーを兼務かと思っておりました」  「おやそうだったか、済まなかった大尉今度からは気をつけさせよう」  「ではブリッジへあがるとしようか」  「セカンドチルドレンはきていないんですね」  「あの娘っ子がこんなところにでてくるものか・・・ああ失礼君がサードチルドレンなのかな?」  「はい碇シンジです。  どうぞよろしく」  「いやいや人当たりがやわらかくて助かるな」  「そんなにきついんですか、セカンドチルドレンは」  「まあおおよそ子供という範疇では考えられないくらいに可愛げが無い」  「はぁそれは大変でしたね」  「いやいや美人であるのは確かだから  居てくれるだけでも華やかでは会ったのだがね」  よほど冷たい態度をとったんだろうなぁ。      「それではグレアム艦隊司令この書類にサインをしていただけますか」  「この場でかね?」  「はぁ弐号機をNERVの指揮下へ配備するという国連の命令書なのですが」  「しかしこんな海の真ん中で引渡しをして意味があるのかねなにやら特殊装備も持ち込んだようだが。  あれを起動させるなんて聞いていないぞ」  「教官も変わっていませんね」  「どこがだ?」  「出航前に国連軍の司令部から場合によっては弐号機の洋上での活動もありうるという口頭による通達を受けたはずです」  「・・・おおっ!  忘れていた。  たしかに聞いていたよ済まなかったな葛城大尉」  「すまなかったではありませんよ。  私が事情を知らなかった場合には命令違反になりかねない状況をどうお考えなのです?元生徒である以前に私はNERVという国連組織の代表としてここへ来ているのです。その代表を試すようなまねをするというのは」  「試されるほどなさけな成績だったってことじゃないのか」  「失礼ね何者よ・・・あんた誰?」  「ひどいなぁそりゃ加持だよ加持リョウジ」  「・・・知らないわ」  「・・・おい同じ大学で」  「加持君君をここへ呼んだ覚えはないのだがね」  「グレアム艦隊司令お答えをいただいておりませんが?」  「ミサトそんなセクハラ親父の相手なんていつまでしてても時間の無駄よサインならゲイザー艦長にもらえばいいのよそいつは勝手にここに乗り込んでる客でしかないわ」  「はぁ?」  「ミス惣流君は大人をなんだと」  「大人というならそれなりの事をして欲しいわね人の体に触ることしか頭に無いような下衆が司令面されたら迷惑だわ」  「え〜と事情が飲み込めないんだけどこのグレアムさんって司令じゃないってことなんだね?」  「そうよ、辞令も出で居ないのにかってに司令を名乗っているだけよ」  「ミス惣流出てゆきたまえ」  「司令官でもなんでもないあなたに命令をされる筋合いは無いわ」  「なんだと」  「横棒押しはその程度にしませんか。  グレアムさん」  「組織人として職業を全うしたならば、この当たりが限界だと思いますよ」  「うるさい」  「自分が何をしているのかお分かりで無いようですね」  「なんだと」  「あなたは艦隊司令だと私たちに名乗りましたね」  「当たり前だ」  「でも国連軍からは辞令は出ていない」  「・・・」  「あなたのしていることは官名詐称という立派な詐欺なんですけど気が付いていないようですね」  「なんだと貴様」  「子供に銃を向けますかたいした艦隊司令がいたもんだ」  「ミサトさん特務機関権限使えますよ」  「へ?」  この人世界に貴重なパイロットを殺害しようと企てました。  利敵行為でその場で射殺できます」  「でも」  「小僧貴様」  「葛城ミサトは僕のものなんですよグレアム・ワイツゼッカー准将」  「ガキが生意気を言うなこの女は俺とこの後寝るんだよ」  「ミサトさん!」    「特務機関権限でグレアムワイツゼッカーを拘束します!!」  隠れて狙っていたのだろう海兵隊員の一人がグレアムの  拳銃を一撃で撃ち落した。  そして次の瞬間なだれ込んできた海兵隊員によってグレアムは身動きが取れないように拘束されたのであった。      「はぁ・・・どうして黙ってあんなのを乗せてたんです?」  「やつは中央にいろいろとコネを持っていて我々は手出しができなかったのだ」  「解りましたそういうことならすべてNERVで処理いたします」  「頼む」  「安受けあいして大丈夫なのかい」  「誰ですあなた」  「加持リョウジって言ってねアスカの荷物持ちだよ」  「護衛でしょ?」  「実態は変わらないんだなぁそれほど」  「安請け合いじゃあありませんよもう副司令とは話がつけてあります」  「なるほど子供のお使いではないということか」  「この場合まさに子供お使い以外の  何者でもありませんけどね」  「面白いなぁ君は」  「生意気の間違いでしょう」  いやいやアスカを知っているから君なんかとつても素直な良い子に見えるよ」  「ひねくれ居る訳じゃないんですよね?」  「アスカかい?」  「そうですよミサトさんに言わせるとクールビューティーってことだったんですけど」  「まあそれが一番近いだろうな」  「はぁ」      「碇シンジ」  「ええっと惣流さん?」  「付き合いなさい」  「弐号機なら見なくても結構」  「どうしてよ」  「別にEVAなんて珍しいものじゃないし」  「そう・・・じゃいいわ」  「それに僕は英語はできてもドイツ語はバームクーヘンくらいしか知らないよアスカ」  「もう馬鹿」  「まさかミサトといいなかに成ってるなんてね」  「ここのミサトさんは可愛いんだよ」    「あたのことおかずにしたくせに」  「あ〜ごめんでも」  「こんどやったらその粗品引き千切るからね」  「き、肝に銘じるよ。  それにしてもどうしてミサトさんとか加持さんから距離をおいていたの?」  「信用できないからよ」  「ああなるほど確かに加持さんは胡散臭いよな」  「ミサトもよ」  「そうかなぁ」  「はんSEXで飼いならされたあんたになにがわかるのよ」  「そういうのできない人だよ」  「だって加持さんと」  「だから僕とするまできっちりバージンだったんだけど?」  「へ? え? ミサトが?うそぉ!?」  「そう思うでしょ?」  「信じられない」  「じゃ加持さんはミサトと一緒にならないのね」  「加持さん狙うの」  「・・・あんたがあたしの物にならない以上そうするわよ」  「じゃあ一緒に乗れないでしょ」  「それとこれとは話が別よ。  一人じゃあの使徒の口は」  「今回は特別製の武器を持ってきたから平気だよきっと」      「ぷぷぷぷっなにあれ」  EVA用特殊装備として持ち込んだ、EVAの背中のソケットから分流される電気ケーブル付き三叉の矛(トライデント)を打ち込まれた上に通電されて、しびれてしまい海面にぷっかりと浮かび上がったまま、小刻みに痙攣している使徒を見てのアスカの一言である。  「しびれて動けないんだから、笑ったらかわいそうだよ」  「だってさぁ」  「ミサトさぁんATFは中和してますからとどめ、をお願いします」  「解ったわ、ゲイザー艦長お願いします」  「おう、ウィスンシン、アイダホ良く狙えよ外したりしたら子供たちに笑われるぞ」      イスラフェルも電磁ネットにより大した手間をかけずに殲滅に成功。  事ここに至り人類補完委員会は各国政府からの突き上げに対抗できずついに特務機関NERVのさらなる縮小を決定した。    ドイツ日本アメリカの三本支部以外のG8に設置されていた支部は事実上閉鎖中国の支部は一部研究施設以外を閉鎖しNERVから独立させる。  さらに量産機のせいぞうについても参号機四号機を本部の予備として完成させる以外には建造を中止することとなった。      「加持君それ犯罪」  完全にアスカになつかれて、ビキニスタイルで擦り寄られている加持である。  「そういわれても好かれちまっているんだからさ」  「ふ〜ん加持君っておんなじ大学だったんだ?」  「必死にモーションかけようとしていたけどことごとく私が邪魔したものね」  「名前すら覚えてもらっていなかったとは思わなかったよ」  「だって男の人なんてみんなしっしょの顔にしか見えなかったものあの頃は」  「ひでぇなぁで今は?」  「ダーリン以外はみんなドテかぼちゃ!」  「あ・・・そ・・・んなもんだなぁ、アスカぁ泳ぐぞ!!」  「ええダーリン」    ・・・やっぱアスカも変だ。      で、この世界浅間山は噴火しっぱなしのためマグマ潜航艇は存在していません。  でどこから来るかと思ったら箱根温泉に出やがりました。  しかし二度目となると戦自も手馴れたもので  電磁ネットで三葉虫だかアロマロカリスだかの動きを簡単にとめてしまいました。  そして初号機零号機弐号機でたこ殴りです。  ・・・いぢめてるみたいで気分が悪いけどまあ簡単に済めばそれに越したことはないわけで・・・そういえば次の奴停電中に来たんだよなぁ。    「なんかずいぶん熱心に眺めてるけどなに?」  「ジオフロントの配電図です」  「はぁ?」  「イージス艦用のガスタービンエンジンがメインの発電設備として二基これで本部の大半の電力をまかないEVA出撃時にはさらにもう三基が全力運転される。  燃料としてはメタンハイドレートなんですね」  「まあ国内で手に入る一番確実な燃料だしね」  「どうせ人口減ったし温暖化以前に海水面は上昇した」  「その通りよ今現在の地球人口は25億に少し欠けるところまで回復したけどね。  温暖化を気にするほど二酸化炭素なんて出さないもの」  「なるほど」  「それに環境保護団体のプロ市民の皆様はアフリカだの南米だのの救済事業で  お忙しいみたいよ」  「・・・自立するつもりもない民族にいくらつぎ込んでも無駄だっていつまでたっても理解しないんですね」  「ダーリンきついわそれ」  「ああごめんなさい」  「それでも世界には救援物資でしか命をつなげない人たちがたくさん居るわ」  「そうでしたね」  「で、なんで配電図なの?」  「加持さんが楽しそうに眺めてたから面白いのかなぁって思ったんですけどね」  「「面白いもんじゃないでしょ?」  「船みたいにダメコンのことでも考えてたんですかね?」  「・・・そうなのかなぁ」  「で今日は?」  ダーリンにしてもらう日だよぉ」    トロンとした口調と表情で  ミサトがシンジへしなだれかかった。     -------------------------------------------------------------------------------- 逆行EVA劇場 その7の#03 Fin COPYRIGHT(C) 2004 By Kujyou Kimito --------------------------------------------------------------------------------