TITLE : 天中殺占い 本作品の全部または一部を無断で複製、転載、配信、送信したり、 ホームページ上に転載したりすることを禁止します。また、本作品の内容 を無断で改変したり、改ざんしたりすることも禁止します。 本作品購入時にご承諾いただいた規約により、有償・無償にかかわ らず本作品を第三者に譲渡することはできません。 本文中に「※」が付されている字句には注釈があります。「※」が付されている字句にマウスポインタを合わせると、ポインタの形が変わります。そこでクリックすると、該当する注釈のページが表示されます。注釈のページから元のページに戻るには、「Ctrl」(マッキントッシュの場合は「コマンド」)キーと「B」キーを同時に押すか、注釈の付いた字句をクリックしてください。 天中殺占い  目次 はじめに 第1章 天中殺であなたの「宿命」がわかる 運のいい人と悪い人の差が広がっている 宇宙のバイオリズムに逆らわずに生きる知恵 宿命はこの世の「お役目」、運命は人生の「道のり」 天中殺は、時間と空間がかみ合わなくなるとき 天中殺は生かし方によってはプラスになる イラスト 天中殺の根本原理 算命学は、中国歴代皇帝の門外不出の「帝王学」 生年月日でわかる6種類の天中殺 イラスト 年運・月運の天中殺期間 空間の「欠けた部分」を補うため、正反対のものを追い求める イラスト 6種類の天中殺の位置と意味 自分の天中殺の割り出し方 幸運も不運も自分の心が呼び寄せている 6種類の天中殺は固有の宿命、運命を持っている 先祖代々の運命の流れが、あなたに影響を及ぼす 子丑天中殺の性格 寅卯天中殺の性格 辰巳天中殺の性格 午未天中殺の性格 申酉天中殺の性格 戌亥天中殺の性格 第2章 天中殺・相性の法則 同じ天中殺同士の相性、 違う天中殺同士の相性 子丑天中殺→子丑天中殺 子丑天中殺→寅卯天中殺 子丑天中殺→辰巳天中殺 子丑天中殺→午未天中殺 子丑天中殺→申酉天中殺 子丑天中殺→戌亥天中殺 寅卯天中殺→子丑天中殺 寅卯天中殺→寅卯天中殺 寅卯天中殺→辰巳天中殺 寅卯天中殺→午未天中殺 寅卯天中殺→申酉天中殺 寅卯天中殺→戌亥天中殺 辰巳天中殺→子丑天中殺 辰巳天中殺→寅卯天中殺 辰巳天中殺→辰巳天中殺 辰巳天中殺→午未天中殺 辰巳天中殺→申酉天中殺 辰巳天中殺→戌亥天中殺 午未天中殺→子丑天中殺 午未天中殺→寅卯天中殺 午未天中殺→辰巳天中殺 午未天中殺→午未天中殺 午未天中殺→申酉天中殺 午未天中殺→戌亥天中殺 申酉天中殺→子丑天中殺 申酉天中殺→寅卯天中殺 申酉天中殺→辰巳天中殺 申酉天中殺→午未天中殺 申酉天中殺→申酉天中殺 申酉天中殺→戌亥天中殺 戌亥天中殺→子丑天中殺 戌亥天中殺→寅卯天中殺 戌亥天中殺→辰巳天中殺 戌亥天中殺→午未天中殺 戌亥天中殺→申酉天中殺 戌亥天中殺→戌亥天中殺 第3章 天中殺に負けない運気逆転法 天中殺中にやっていいこと、いけないこと 恋愛・お見合い 婚約・結婚 同棲 離婚・再婚 出産 不動産購入・新築 就職・転職 会社の設立 通院・手術 お墓の購入 子丑天中殺の運気サイクル 寅卯天中殺の運気サイクル 辰巳天中殺の運気サイクル 午未天中殺の運気サイクル 申酉天中殺の運気サイクル 戌亥天中殺の運気サイクル 天中殺算出表  天中殺表 あなたの天中殺 あなたの運命を決める人の天中殺 基本運命数早見表 算命学総本校 尾学館 東京都文京区白山5-31-10 TEL 03-5684-4181 http://www.sanmei-gaku.com はじめに  人間が困難を避けて、無事に生きるために知っておいた方がいい「知恵」があることをご存じでしょうか?   災いをいかに避け、安泰に暮らすか。人間の抱える大きな命題ですが、その答えが、算命学宗家であり、文学博士の故・尾義政先生が公開された尾算命学の中にあります。  算命学の教えには、古代中国より生き抜いてきた人間たちの叡智が凝縮されています。本来なら中国の皇帝の目にしか触れられず、一般人が学ぶことのできなかった算命学の教えの中でも重要な「天中殺」の理論を、占いを知らない方のためにわかりやすく解説したのが、この 『天中殺占い』です。これは算命学の数多くある占術の中の一つである「天中殺」を使った占いで、生まれた瞬間に天から与えられる宿命・運命を知るものです。 「自分はどのような資質を持った人間なのか?」「何のために生きているのか?」あるいは 「今の自分を変えて運をよくしたい!」など、読者のあなたはさまざまな悩みや思いを抱かれていることでしょう。その答えがいつまでも見いだせず、悶々とした日々を送っている人もいるかもしれません。どのような人にも、悩みは必ずつきまといます。その尽きない悩みとどうつきあっていけばよいのでしょうか?   本書に記してある尾算命学の知恵の中に、その答えはあります。  人の一生は道にたとえられます。人生の道のりは、平坦とは限りません。起伏のある土地を猛スピードで過ぎていくのは危険です。人生には立ち止まって周りの様子を見て、慎重に進まなくてはいけない個所が必ずあります。実はこのような個所が、人生における「天中殺」の時期なのです。  無理にスピードを出して通り過ぎようとすると大事故になったり、ケガをしたり、本来の道をはずれたりするなど、マイナスになることが起こる可能性が高くなります。しかし道の形状を慎重に見極めて進路を取れば、行き着く先に思いがけない幸福が待ち受けていることもあるのです。  大いなる自然界から学び、運命の法則を手に入れた古代中国の人々の知恵に触れることは、今を生きる私たちにとってとてもたいせつなことです。書店に行っても、孫子や老子など、古代中国の偉人たちの教えが今でもベストセラーとして並んでいます。古代中国と現代では、文明の度合いは違っても、「心の学び」という分野では変わりありません。  この本を手に取ったあなたは、既に幸運への第一歩を踏み出すヒントを手に入れました。しかし、何が書かれていても落胆することはありません。なぜなら自身で環境を整えれば、運命は軌道修正することが可能だからです。この尾算命学の知恵を日々の生活に取り入れ、運命を自分の思いのままに変えてください。 第1章 天中殺であなたの「宿命」がわかる ☆運のいい人と悪い人の差が広がっている 「天中殺」という言葉を聞いたことがありますか? 「よく知らないけど、何かこわいことが起こりそう」「行動がすべて裏目に出る、不吉な時期でしょう?」など、ほとんどの人は天中殺をこわいもの、おそろしいものとしてとらえているようです。  天中殺は今から約20年ほど前に大ブームを引き起こし、その後「いわゆる厄年のようなもの」「何もしないで静かに過ごすべき時期」というイメージが定着しました。  そして21世紀に入った今、再び「天中殺って何?」「天中殺の期間はどう過ごせばいいの?」と関心を持つ人たちが急激に増えました。自分の運命を事前に知り、災厄やトラブルを少しでも免れようという人が多くなってきたのです。  その理由は、今が「先の見えない時代」だからです。なにかと落ち着かない政治機構やいつまでたっても暗いトンネルを抜け出せない日本経済、まさかと思っていた大企業の倒産やいつ自分に回ってくるかわからないリストラ、多発する不条理な犯罪など、今の世の中は不安な要素に満ち満ちています。  また、今は時代の流れるスピードがものすごく速くなっていますから、ちょっとしたミスが命取りになったり、「こんなはずじゃなかった」「あのときああしていれば」と、後悔することも少なくありません。「これくらい許されるだろう」という小さなミスがどんどん加速度的にふくらみ、取り返しのつかないミスに発展することも珍しくはないのです。  さらに、運のいい人と悪い人の差がどんどん大きく開いているのも今の時代の特徴です。同じような学歴で同じような会社に就職しても、一方はどんどん出世して短期間でトップに立つのに、もう一方はいつまでも鬱《うつ》々《うつ》と底辺に甘んじるパターンは決して珍しくありません。ひどい場合は、せっかく就職した会社がつぶれてしまうことさえあります。  あるいは女性の場合なら、お金持ちで性格のいい男性と結婚してかわいい子宝に恵まれたり、仕事でがんばって身も心もどんどん豊かになる人がいる一方、結婚したくても願いがかなわなかったり、仕事に生きがいを見いだせず、不平や不満だらけの人生を過ごす人もいます。  つまり、運のいい人は上昇気流に乗ってどんどん幸せになっていくのに対し、運のない人はとことん落ち込んでいくというのが、今の時代の図式なのです。もし「自分はツキが落ちているかもしれない」「最近、なかなか思うようにいかない」と少しでも思うなら、今のうちに軌道修正をして運を立て直さないと、取り返しのつかないことになってしまうおそれがあります。  しかし、そんなときに限って、人は悪い方向にがんばってしまうものです。ツキが落ちているときは周囲の状況や自分の置かれた立場を冷静に見ることができませんから、無意味な努力によってパワーを消耗し、ますます自分を追いつめてしまうことになるのです。  そんなとき、強い味方になってくれるのが「算命学」の知恵なのです。 ☆宇宙のバイオリズムに逆らわずに生きる知恵  21世紀になっても、占いや風水などの人気が相変わらず衰えないのはなぜでしょう。それは、私たちが「目に見えない大きな力」の存在を、どこかで感じ取っているからにほかなりません。  人間は宇宙の産物です。大宇宙のうねるようなバイオリズムの中で天から生を受け、この世に降り立ちます。私たちの運は「どの瞬間に生を受けたか」で一人一人違いますし、天から与えられた役目もそれぞれ違います。  古代中国からの歴史を持つ「天中殺」は、大宇宙と人とのかかわりを探り、それぞれのバイオリズムから宿命と運命を知り、「最上の人生を送るためにはどうすればいいか」を解き明かす学問です。  その言葉のイメージから「不吉なもの」「忌むべきもの」を連想する方も多いと思いますが、天中殺を単に「こわいもの」と恐れる必要はありません。自分に与えられた天中殺を知っておのれの宿命に気づき、宇宙のバイオリズムに逆らわず生きることによって運命をよりよいものに高めていく。これが、古代中国に発生した東洋の運命学、「天中殺」の目的であり、真髄なのです。  天中殺の仕組みや現象についてはのちほどくわしく説明しますが、確かに、天中殺は誰にとっても一見「ありがたい」ものではありません。わかりやすく言ってしまえば、「天中殺に事を起こすと、すべてが裏目に出てしまう」のです。  天中殺の期間は大なり小なり災いやトラブルに見舞われやすく、いたずらにもがけばもがくほど状況が悪くなってしまいます。この時期に起こした新しい行動は、すべて「そうあってほしくない状況に転がってしまう」と考えてほぼまちがいありません。  たとえば天中殺中の結婚です。どちらか片方、あるいはお互いが天中殺の時期に結婚してしまうと、「6〜7割は離婚、もしくは別居しやすい」と算命学ではいわれます。  のちほどくわしくご説明しますが、天中殺の時期は「ブラックホールにほうり出されるようなもの」。ですから、たとえ「幸せになろうね」と本人同士が誓い合っても、「天」が味方してくれないのです。  結婚に限らず、就職や転職も、天中殺の時期に無理に決行すると、「人間関係で大きなストレスがたまる」「すぐに転勤が決まる」「貧乏くじを引く」など、「こんなはずじゃなかった」と痛い目を見ることが多いのです。  そのほか、家の新築や転居、会社設立、旅行、試験、留学、投資など、天中殺の影響は、人生のあらゆる場面において発揮されます。 ☆宿命はこの世の「お役目」、運命は人生の「道のり」 「天中殺はこわいもの、おそろしいもの」と頭から思い込んでいる人は、「運命は変えられないもの」「逆らえないもの」と思っています。しかし、「宿命」と「運命」とは違うことを、ここできちんと頭に入れておいてください。  宿命とはその人がこの世で担う「お役目」、運命とは宿命を果たすためにその人がたどる「道のり」のことです。ゴールに向かって最短距離を行く人もいれば、途中で迷って回り道をする人もいます。周りの景色を楽しみながら軽々と歩いていく人もいれば、大きな石につまずいてひどいケガをしてしまう人もいます。  つまり、運命は人によって千差万別であり、どの道をどのように歩いていくかは、個人の意志や努力で自由に変えられるものなのです。  ただし、どの道にも必ず「難所」が待ちかまえていることを忘れてはなりません。これは天のバイオリズムによって決められた宿命であり、どの人にも等しく、周期的に「運命の難所」が訪れるのが、この世の定めなのです。  逆に言えば、難所があるからこそ、人間は成長できるのです。算命学では、「不運という名の玄関を通らなければ、幸せという名の居間にはたどり着けない」という考え方をします。 「難所がどこにあるか」を知っている人は、事前に心の準備をしておくことができますから、災いを最小限に抑えることができます。こわいのは、「難所」の場所や避け方、乗り越え方を知らない場合です。  たとえば、東京から大阪まで行くには複数のルートがあります。新幹線に乗ってもいいし、飛行機を利用してもいいでしょう。あるいは旅そのものを楽しみたいなら、いろいろな列車を乗り継いで行く方法もあります。旅の楽しみ方は人それぞれ自由です。  しかし、「列車を乗り継いでいく場合、途中で土砂崩れすることになっている」とあらかじめわかっている場合はどうでしょう。  たいていの人は新幹線か、飛行機のルートに切り替えるはずです。土砂崩れで電車が止まり、下手をすれば命にかかわることを知りながら、わざわざそのルートを選ぶ人はいないでしょう。  ところが、「土砂崩れになる」という情報を知らない人は、いつもと同じように家を出て、「どんな旅になるだろう?」とワクワクしながら列車に乗り込み、その結果、予期せぬ不幸に見舞われてしまうのです。  時たま、目を覆うような事件や事故が世の中に起こり、新聞やテレビで報道されます。最近でも、東京の歌舞伎町での44人の死者を出す火災やアメリカでの同時多発テロが起こり、話題になりました。    どんなに文化が発達しても、どんなに時代が進歩しても、火事や災害による惨事はなくなることがありません。これは、人の力ではどうしようもない大きな「天の意志」が、この世に働いているからにほかなりません。巻き込まれた人は「運が悪かった」と言われますが、言いかえれば、「難所に足を踏み込んでしまった」ということなのです。  天中殺を理解することは、自分の未来の「難所のありか」を知ることです。天中殺期間の2年間だけは「難所を避けて通る」と心がけていれば、誰でも道に迷うことなく、安全に、しかも確実にベストルートで目的地にたどり着くことができるのです。 ☆天中殺は、時間と空間がかみ合わなくなるとき  そもそも、天中殺とはいったい何なのでしょうか。  天中殺をより深く理解していただくために、まず、天中殺の土台となった「算命学」についてお話ししましょう。  算命学とは、今から3000年以上前に古代中国で生まれた学問です。算命学の根元にあるのは、「陰《いん》陽《よう》五《ご》行《ぎよう》説《せつ》」という東洋思想です。  陰陽五行説とは、「この世にあるあらゆる事象は、すべて5つの要素から成り立つ」という考え方です。5つの要素とは木、火、土、金、水のことで、算命学ではこれを「五行」とか「五性」などといいあらわします。  たとえば人の体を例にあげれば、頭、両手、両足を指して、あるいは頭、首、胸、手、足を指して「五体」といいます。「五体満足」という言葉もありますね。  また、人に備わった手足の指は5本であり、内臓は肺、心、脾《ひ》、肝、腎《じん》の「五臓」です。  地球という星に目を転じれば、人間の住めるところは「五大陸」で構成されています。  夜空を見上げれば、人間の肉眼で見える星の数は約6000個といわれますが、その中を駆け抜けるように移動する惑星は、水星、金星、火星、木星、土星の5つの星です。天王星や海王星、さらに冥王星などの惑星もありますが、これらの星は、肉眼で見ることはできません。  このように、この世にあるすべてのものは、大きく5つの要素に分類することができるのです。  さらに算命学では、木、火、土、金、水のそれぞれにプラス面(陽)とマイナス面(陰)がある、と考えます。木性の陽は甲(こうぼく)、陰は乙(おつぼく)、火性の陽は丙(へいか)、陰は丁(ていか)、土性の陽は戊(ぼど)、陰は己(きど)、金星の陽は庚(こうきん)、陰は辛(しんきん)、水性の陽は壬(じんすい)、陰は癸(きすい)と定め、それら10種類の項目を「十干」と呼びます。  一説によれば、十干は算数の十進法の原点ともいわれます。ひと昔前は、「甲乙丙丁」の採点で成績がつけられることもありました。 「平成13年は金の陰の辛(しんきん)の年」「平成14年は水の陽の壬(じんすい)の年」など、十干は今でも暦に当てはめられ、10年ごとに同じ十干が繰り返されています。  もう一つ、「十二支」という考え方があります。  木星は12年間かけて太陽の周りを1周します。そして12年過ぎると、また元の位置に戻ってきます。つまり、木星が運行する場所に印をつけていくと全部で12種類となり、これが十二支成立の原点といわれています。  また、地球が太陽の周りを一回りするには1年、つまり12カ月かかります。算命学では1月から12月までのそれぞれに、子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥の十二支を当てはめます。  12月は子、1月は丑、2月は寅、3月は卯、4月は辰、5月は巳、6月は午、7月は未、8月は申、9月は酉、10月は戌、11月は亥というぐあいです。  西洋では1年を12カ月と定め、時間区分は常に「12」を基本にしています。○年○月○日というのは、カレンダー上のある1点を指します。  東洋でも、時間に関しては「12」が基本です。十二支によって「午の年」とか「午の月」、「午の日」「午の刻」などと区分します。ただし東洋の暦では、時間軸だけでなく、空間(社会的な環境)軸も同時に考えるのが特徴です。つまり、時間単位をあらわす十二支に、空間単位をあらわす十干を組み合わせるのです。  その理由は、中国では古来、「人間は時間の中だけに生きるのではなく、空間(社会的な環境、または時代背景)の中にも生きる動物」と考えてきたからです。  時間と空間は常に人間の周りを取り巻いており、その二つを切り離して人間の人生を考えることはできない、という思想なのです。  わかりやすくたとえてみましょう。  今から450年ほど前の戦国時代では、ひどい失敗を犯した武士が上司への面目を保つために切腹するのは「当たり前」のことでした。しかし21世紀の今日なら、会社でミスを犯した部下が切腹するなど、「とんでもないこと」「非常識なこと」になります。  つまり人間の行為とは、時代背景や社会背景によって善悪が左右される、つまり「空間」によって価値が決まる、ということなのです。  大成功を遂げて富や名声を手にした人たちの行動は、すべてその時代(時間)と社会(空間)に必要とされ、味方された結果にほかなりません。  算命学では「時間」を「地上の神」、「空間」を「天上の神」と定義し、「この二つの神の力がなければ、人間がどんなに努力しても世の中に評価されない」と考えます。つまり、時間と空間を味方につけたときこそ、人間は大きな成功や幸せを手に入れることができるのです。 ☆天中殺は生かし方によってはプラスになる  そもそも「算命学」というのは、天体の動き(空間)と暦の原理(時間)を知り、その広大な時空間の広がりの中のある1点(誕生日)を見て、そこに生まれた人間の天命(宿命)と運命を知ろうとする学問です。   算命学では、時間の概念を十二支、空間の概念を十干であらわし、この二つを組み合わせて時間の流れを考えます。十二支と十干は1年ごとに一つずつペアを組みますが、十二支が12個あるのに対し、十干は10個しかありません。つまり時間単位のほうが二つ余るというわけです。1年〜10年まではペアを組めても、最後の2年間は十二支が二つ余り、「空《くう》」になってしまうのです(年単位だけでなく、月単位でも同じ現象が起こります。12カ月のうち2カ月間、「空」の月がやってきます)。  この空の部分のことを、道教では「空《くう》亡《ぼう》」、算命学の専門用語では「不自然融合時間帯」、あるいはわかりやすく「天中殺」と呼びます。  時間は存在するのに空間が存在しない状態というのは、言いかえれば「地上の神はいても天上の神が不在」ということです。つまり、時代は味方してくれても、社会や環境は味方してくれない状態なのです。  もう少しわかりやすく説明しましょう。  人の運命を、十二支と十干という太い綱でより合わされた「大きな管」と考えてみてください。管の中では、運命がリズムを持って流れています。ところが2年間だけ、片方の綱がなくなって管がとぎれてしまう期間がやってきます。そうなると、今まで流れていた運命はリズムを崩し、管の外へ勢いよく飛び出してしまうのです。  時間と空間がかみ合わなくなるため、この期間のことを「不自然融合時間帯」、または「天中殺」と呼ぶのです。  天中殺のとき、今までの運気の波が激しい人ほど反動も大きく、「運気がどこに飛んでいくのか予想できない」という法則があります。つまり、今まで絶不調だった人がいきなり天下を取ったり、逆に絶好調だった人がどん底に落ちたりすることも珍しくないのです。  ちなみに、そのパターンは生年月日によって、つまりどの天中殺グループに属するかによって、ある程度予測を立てることが可能です。これについては、第3章でくわしく説明します。  天中殺の期間は、自分の思惑と正反対の方向にものごとが進むのが特徴です。不思議にそういうときに限って、人は「移転したい」「家を建てたい」「職場を変えたい」「結婚したい」など、あせって自分の環境を変えたがるものです。  しかし先ほどもお話ししたように、天中殺の時期は「社会や周りの環境が味方につかない時期」です。周囲の反対を押し切って家を建てたり結婚したりしても、その努力が無駄になるばかりか、むしろ「踏み切らないほうがよかった」と後悔することになりがちです。  ただしその「目的」によっては、吉となることもあります。  たとえば「移転をしたい」という場合、「その移転によって自分の格を上げ、社会的なイメージをよくしたい」というなら、結果は裏目に出ます。なぜなら、天中殺の期間は「社会が味方してくれない」時期だからです。  逆に、世の中の賛同を必要とせず、自分一人の満足のために欲を捨て、名を捨て、遠いところでのんびり過ごそうとするなら、結果は吉と出ます。世間から離れて隠居する、つまり「周囲の協力を必要としない」のですから、天中殺を恐れる必要はどこにもありません。のびのびと自由に一人の時間を満喫して、内面を豊かに充実させることができるでしょう。  天中殺は「こわい」だけではないのです。「生かし方によってはプラスになる」ということを、ぜひ覚えておいてください。 ☆算命学は、中国歴代皇帝の門外不出の「帝王学」 「天中殺」という言葉が初めて歴史上に登場したのは、中国の唐の時代の終わりから、宋の時代にかけてといわれています。しかし天中殺の概念そのものはそれよりはるかに古く、3000年以上前に確立された運命学の中に、すでにあらわれていました。  算命学の礎を作った道教の神仙思想(今でいう自然科学や東洋医学など)や陰陽五行説は仏教とともに日本に入ってきましたが、わが国における「天中殺」という言葉や概念の歴史は非常に浅く、それを最初に知ったのは中国と交易のあった堺や大坂の商人たちだったといわれています。  もちろんそれまでにも、10世紀の終わりに安《あ》倍《べの》晴《せい》明《めい》が編んだ「占《せん》事《じ》略《りやつ》决《けつ》」という陰陽道の本には、「空亡」という文字が出てきます。ただし、当時の空亡の意味や解釈の仕方は、天中殺とはまったく別のものでした。  天中殺は中国国内では「天殺」と呼ばれ、あまり世の中に広められず、ひっそりした存在だったのです。その理由の筆頭にあげられるのは、天中殺は神に通じる道、つまり天の理(ことわり)に直結する学問だったからです。正しく利用すればこれほど役に立つ学問もないのですが、その原理や働きを知らない一般人がむやみに誤用すると、思いがけない災いを招くおそれがあったのです。  それゆえに、中国の歴代皇帝は算命学を外に出さず、自分のためにだけ研究させていました。つまり、門外不出の「帝王学」だったのです。  時の皇帝たちは、天中殺の原理を熟知していました。領地争いをするときも、自分や他の王たちの天中殺の時期を徹底的に調べ上げ、天の法則に従っていました。 「天中殺の時期はあがけばあがくほど裏目に出る」という決まりに従い、領土を奪われた王は、天中殺が終わるまでじっと辛抱していました。そして、天中殺が明けたとき、あるいは相手の王の天中殺がくるのを待って一気に攻め入り、失った領土を取り戻していたのです。  つまり、古代中国王朝の目まぐるしい攻防の歴史は、天中殺の歴史だったといってもいいのです。  古来、偉人や政治家などが生年月日を秘密にしてきたのは、自分の運勢の弱点を敵に知られないためでもあったのです。もちろん天中殺の法則は今でも通用しますから、中国や香港、台湾の名家などでは、自分の生年月日を公表しないことが多いのです。 ☆生年月日でわかる6種類の天中殺  ここまで、天中殺の歴史や概念について、大まかにお話ししてきました。  では次に、天中殺の具体的な種類について、ご説明していきましょう。  天中殺には子年、丑年が「不自然融合時間帯」、つまり「空」に当たる「子《ね》丑《うし》天中殺」、寅年、卯年が空の「寅《とら》卯《う》天中殺」、辰年、巳年が空の「辰《たつ》巳《み》天中殺」、午年、未年が空の「午《うま》未《ひつじ》天中殺」、申年、酉年が空の「申《さる》酉《とり》天中殺」、戌年、亥年が空の「戌《いぬ》亥《い》天中殺」の6種類があります。  自分がどの天中殺に属するのかは生年月日から求められますが(『《※》自分の天中殺の割り出し方』参照)、天中殺期間は、どの人も等しく12年に2年ずつです。  ちなみに、12年に2年の天中殺を「年運天中殺」、12カ月に2カ月の天中殺を「月運天中殺」、12日に2日の天中殺を「日運天中殺」と呼びます。  午未天中殺の人の「年運天中殺」は平成14年の午年〜平成15年の未年、申酉天中殺の人なら平成16年の申年〜平成17年の酉年が天中殺、ということになります。  ただしここで注意しておきたいのは、「1月1日から新年が始まる」とは考えないことです。算命学では「新年は立春(2月4日)から始まり、節分(2月3日)で終わる」と考えますから、まちがえないようにしてください。  つまり、たとえば午未天中殺の人なら2002年2月4日〜2004年2月3日まで、申酉天中殺の人なら2004年2月4日〜2006年2月3日までが天中殺期間となります。本書で「○年から天中殺期間に入ります」というのは、「その年の立春から」と解釈してください。  また、年運の天中殺より規模は劣るものの、「月運天中殺」も決して侮ることはできません。子丑天中殺は毎年12月(子の月)と1月(丑の月)、寅卯天中殺は2月(寅の月)と3月(卯の月)、辰巳天中殺は4月(辰の月)と5月(巳の月)、午未天中殺は6月(午の月)と7月(未の月)、申酉天中殺は8月(申の月)と9月(酉の月)、戌亥天中殺は10月(戌の月)と11月(亥の月)になります。  たとえば戌亥天中殺の人は毎年10月〜11月が「運の真空状態」になりますから、毎年その2カ月間はなにかとストレスがたまりやすくなったり、ミスを起こしやすくなったりします。  月運の天中殺の2カ月間は、「新しく事を起こさない」「物質的な利益より、自己の内面に心を向ける」を心がけることが大事です。  ただし「3月が天中殺」といっても、太陽暦のように「3月1日から3月31日まで」とは考えません。太陰暦では「節の変わり目」というのがあります。天中殺では、節の変わり目から新しい月が始まると考えます(節の変わり目は、毎月4日〜8日くらいです。ですから1日〜7日くらいの期間は、「前の月」として考えます)。  日の天中殺、つまり「日運天中殺」は12日の間に2日間回ってきます。子丑天中殺は子の日と丑の日、寅卯天中殺は寅の日と卯の日、辰巳天中殺は辰の日と巳の日、午未天中殺は午の日と未の日、申酉天中殺は申の日と酉の日、戌亥天中殺は戌の日と亥の日です。  時として年運天中殺、月運天中殺、日運天中殺の3つが重なることがあります。その場合、「絶対にこの日に新しいことを始めたり、重要なことを進めてはならない」と算命学では考えます。「後悔先に立たず」を避けるためにも、結婚式や不動産売買、家の新築など、大きな取り決め事をするときは、事前にカレンダーをチェックしてください。  もう一つ、すべての人に当てはまるわけではないのですが、120年に20年間回ってくる「大運天中殺」というのがあります。  人間の寿命は80〜90歳ですから、生きている間にこの大運天中殺が回ってこない人もいます。しかし人によっては、人生のいちばん大事な中年期に回ってくることもありうるのです。  大運天中殺には「陽転現象」と「陰転現象」の二つがあります。  陽転する人は、大運天中殺に入る前の5年間、運気が低迷します。しかし大運天中殺に入るやいなや急上昇をし始め、終了する5年くらい前から、また一気に下降し始めます。それまでの15年間の運気が盛り上がった場合ほど、最後の5年間の落ち込みも激しくなるのが特徴です。極端な場合になると、絶好調を極めていた事業が大失敗に終わったり、ひどい場合は命を落とすことさえあります。  陰転する場合はその逆で、大運天中殺に入る前の5年間は運気がよく、天中殺に入ってからの15年間はやることなすことすべて裏目に出てしまいます。しかし、最後の5年間は再び運気が上昇していきます。  いずれにしても大運天中殺を与えられた人はたいへんな「重荷」を背負うことになりますが、意外にも、組織のトップになる人や政治家、芸能人など、人前に出る宿命を持った人には、この大運天中殺を持った人が多いのです。  実は、イスラエルの故ラビン首相も、大運天中殺の持ち主でした。彼が暗殺されたのは1995年11月4日ですが、この日は、首相にとって大運天中殺、年運天中殺、月運天中殺、さらに日運天中殺が重なった大凶日でした。  さすがに4つの天中殺が重なると、「災厄から逃れることはほとんど不可能」と言っても過言ではないのです。しかし、もし彼が事前に天中殺のことを知っていたら、最悪の事態だけは免れたかもしれません。  この大運天中殺は計算方法が非常に難しく、人によっては時期が前倒しになったり、後年にずれたりすることがありますし、場合によっては20年で終わらず、40年にわたる人もいます。計算方法もその意味を理解していただくこともかなり高度な技術を要しますので、これについてはまた別の機会に譲ることにします。 ☆空間の「欠けた部分」を補うため、正反対のものを追い求める  6種類の天中殺には、それぞれ位置する空間があります。前にもお話ししたとおり、時間と空間でより合わされた管の隙間からほうり出されて宇宙空間をさまようのが「天中殺」です。つまり空間が欠けているため、「その空間が存在する位置の意味するものが欠けている」と解釈するのです。  子丑天中殺なら北、寅卯天中殺なら東、辰巳天中殺なら天上、午未天中殺なら南、申酉天中殺なら西、戌亥天中殺なら中央を、それぞれの天中殺の「位置」として考え、「その位置のパワーが欠けている」と考えます。それぞれの位置には、意味があります。  北は「父親」「先輩」「目上」「上司」「知恵による反骨精神」、東は「母親」「兄弟」「友人」、天上は「心の世界」「精神で形づくられる世界」、南は「子ども」「目下」「部下」、西は「配偶者」「家庭」「休息」、中央は「脈々と続く家系の流れ」「精神と現実の交わり」を意味します。  天中殺は空間が欠けている状態ですから、たとえば子丑天中殺の人は北が欠けていることになり、「父親の協力や援助が得られない」「目上に恵まれにくい」という宿命を持ち、特に天中殺の時期にそうしたものに縁が薄くなりやすいのです。  東に位置する寅卯天中殺なら、母親との縁が薄かったり、真の友人に恵まれにくかったりする宿命を持ち、天中殺の時期はさらにその傾向が強くなることを意味します。  しかし、「自分は子丑天中殺だから、父親や目上からの援助は得られないのか」などとがっかりする必要はありません。  人間には、「自分の天中殺の反対側に位置する要素にエネルギーを注ぐ」という本能があります。つまり、父親や目上にもともと縁の薄い子丑天中殺は、その反対側の南のエネルギー、つまり子どもや目下を本能的に追い求め、味方につけるようになるのです。あるいは、父親とのつながりがほかの人より密接でないゆえに、「がんばって自分の代で地位を築き上げる」という初代運を持つのも特徴です。  また、生まれながらに「母親や友人と縁が薄い」という宿命を持つ寅卯天中殺は、その反動として反対側の西のエネルギー、つまり自分で家庭をつくり、そこを安らぎの場にしようと努力するようになります。また、実家とのつながりが薄い分、独立独歩でダイナミックに運を切り開くのが、寅卯天中殺の特徴でもあります。  海に投げ出された人間は、たとえ泳げなくても、「本能的に」泳ごうとして岸にたどり着く努力をします。つまり、人間は自分に欠けたものを補うため、欠けたものと正反対の要素を自分に取り入れ、強化して、人生の武器にしようとする本能があるのです。  北(父親、目上)が欠けた子丑天中殺は南のパワーである「目下」や「子ども」「部下」を求め、東(母親、友人)が欠けた寅卯天中殺は西のパワーである「家庭の安息」を、天上(心の世界)が欠けた辰巳天中殺は中央の「現世的な利益」を、南(子ども、部下)が欠けた午未天中殺は北のパワーである「目上」や「自分を導いてくれる指導者」を、西(配偶者、家庭)が欠けた申酉天中殺は東のパワーである「母親、友人」を、中央(家系の流れ、現世的な行為)が欠けた戌亥天中殺は天上のパワーである「心の世界」「精神的な充足」を追求するようになります。  100パーセント充足している完璧な人間はいませんし、むしろ「欠けた部分」がなければ人間は成長しません。天中殺とは、「天が与えた試練」です。いたずらに恐れることなく正々堂々と受け止めることで、あなたの「成長の糧」になるのです。 6種類の天中殺の位置と意味 ☆自分の天中殺の割り出し方  では、自分がどの天中殺を持って生まれてきたのか、さっそく割り出してみましょう。やり方は簡単です。  まず、後表の「《※》基本運命数早見表」で、あなたの生まれた年と月が交わる数字を拾い出します。たとえば、1970(昭和45)年1月生まれの人なら、「18」という数字になります。これが、あなたの「基本運命数」となります。  前に「算命学では立春から節分までを1年と考える」とお話ししましたが、ここではその法則は用いません。あくまでもあなたの生年月日からそのまま探してください。  次に、基本運命数に生まれた日の数を足します。たとえば29日生まれなら、18+29=47になりますね(もしこの数が62以上になった場合、ここで60を引きます)。  さらに、60を引いた人も引かなかった人も、そこから1を引きます。つまり、47−1=46になるわけです。この数が、あなたの数字になります。  そして、後表の「《※》天中殺表」からあなたの数字を探し、その数のある列の下段にあるのが、あなたの天中殺になります。46なら、「寅卯天中殺」ということになります。 「基本運命数に生まれた日の数を足した数が62以上になったら、なぜ60を引くの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。  くわしい理論はここでは省きますが、簡単にいえば、「60」は十干の「10」と十二支の「12」の最小公倍数です。つまり、算命学では「60」を一つのサイクルとしてとらえるのです。 「60を過ぎると振り出しに戻る」と考えますから、たとえば61番目は1番目と同じ区分、62番目は2番目と同じ区分と考え、「運命的にも同じ」と判断するわけです。  では、有名人を例にあげて説明してみましょう。  歌手の郷ひろみさんの生年月日は1955年10月18日です。まず、基《※》本運命数早見表で、1955年と10月の交わるところを見ると、「32」です。郷さんは18日生まれなので、32に18を足して50、そこからさらに1を引きます。  基本運命数32+18−1=49  49という数字を天《※》中殺表で探し、これを下にたどると寅卯天中殺ということがわかります。  つまり、郷ひろみさんの天中殺は寅年、卯年。最も近い過去の天中殺は、1998〜1999年でした。郷さんが最初の結婚相手である二谷友里恵さんと離婚したのは、1998年4月。まさに天中殺の真っ最中です。  その後お互いに本を出し、それぞれ離婚の原因について書いていましたが、2冊の本を読み比べてみると、お二人で意見がすれ違っている部分も少なくありません。  天中殺の時期は、修復しようとあがけばあがくほど悪い方向へ進んでしまいます。二人が別れてしまったのは、やはり「天中殺のなせるわざ」と言わざるを得ないのです  もう一人、松田聖子さんの天中殺も調べてみましょう。  聖子さんの生年月日は1962年3月10日です。基《※》本運命数早見表から基本運命数は35となり、これに生まれた日の10を足し、1を引きます。  35+10−1=44  44という数字を天中殺表で見ると、聖子さんも郷さんと同じく、寅卯天中殺であることがわかります。実はお二人は、とてもよく似た気質の持ち主だったのです。第2章でくわしく述べますが、寅卯天中殺同士は「いいときはとことんいいけれど、いったん相手の欠点が目につくと、もう顔を見るのもイヤになる」という相性です。しかもお互いに頑固な面がありますから、なかなか意見を譲りません。  さて、彼女にとっても、1998年、1999年の2年間は天中殺期間でした。  1997年に俳優の神田正輝さんと離婚したあと、聖子さんは歯科医の波多野浩之さんと「ビビビッ」と意気投合し、1998年5月に電撃結婚しました。しかし、その結婚生活も長続きせず、わずか2年ちょっとで幕を閉じました。 「天中殺の期間に結婚をすると、ほとんどのカップルが離婚の危機を迎える」という法則を、聖子さんは体現してしまったわけです。  もちろん、愛情面だけではありません。仕事面、人間関係面、金銭面、健康面など、天中殺の期間はありとあらゆる分野において、「地雷が埋まっている」と言っても過言ではないのです。 ☆幸運も不運も自分の心が呼び寄せている  天中殺の年が来ると、今までにないさまざまな現象が起こります。「天の神」が味方してくれない時期ですから、愛情関係や人間関係、仕事関係、家関係などで何か新しいことを起こそうとすると、必ずといっていいほどトラブルが発生したり、ものごとが滞ったり、やり直しになったりして、スムーズに運ばなくなるのが特徴です。特に事故や災害、人間関係の裏切りなどには注意しなければなりません。  逆に、「天中殺なのに、こんなにいいことがあっていいの?」と思うほどのチャンスがめぐってくることもあります。しかしそのチャンスをつかんだがために、のちのち大きな災いにつながることが少なくないことを覚えておいてください。  天中殺の現象のあらわれ方は、6種類の天中殺によってそれぞれ違います。各天中殺の災厄の大小や特質、トラブルの起こりやすいバイオリズムについては第3章でくわしくご説明しますが、いずれにしても、天中殺の時期は何かしらの「逆風」を受けることを覚悟しなければなりません。  また、周囲の環境だけでなく、ささいなことで心の動揺が起こり、イライラしたり、あせったりするようになります。そのために身内といさかいを起こしたり、最も親しい人と仲たがいをしたりするおそれが出てくるのです。  人間の幸運、不運というのは、とかく「周囲の状況や環境が原因」と思われがちですが、それだけではなく、実は自分の「心」にも大きな原因があります。幸運も不運も勝手に向こうから寄ってくるのではなく、自分の心が呼び寄せるものなのです。  人がこの世に生まれ落ちた以上、天中殺の影響を受けるのは必然の理《ことわり》です。しかしそのときの現象が深刻なものになるか、軽くすむかは、ひとえに本人の生き方や心の持ち方しだいといってもいいのです。  当然ながら、常に前向きに生きようとする人は、天中殺時のトラブルが軽くてすみます。少々のトラブルに見舞われても、「大丈夫、なんとかなる!」「くよくよしても始まらない!」と、気力で明るく吹き飛ばすことができるからです。  ところがささいなことで落ち込んだり、深刻になったりするクセのある人は、「この次はもっと大きなトラブルがくるのではないか」と疑心暗鬼になり、自らトラブルの種を引き寄せてしまうことが少なくありません。  同じ冬の日を過ごすのでも、心の持ち方しだいで、ぽかぽかした穏やかな日を送る人もいれば、冷たい木枯らしに身をさらす人もいます。それを決めるのは、誰でもない「自分自身」なのです。  算命学では、「運命をつくる源は、その人自身の心の中にある」と考えます。男に生まれた、女に生まれた、長男に生まれた、こういう家柄の家に生まれたなどの「宿命」、言いかえれば「本質」は変えることはできませんが、その本質を生かしながら幸せになっていくのは、本人の心がけと努力しだいなのです。  そのことさえ知っていれば、天中殺は決してこわいものではありません。「この2年間は試練の時」と割り切って心を前向きに保ち、自己の内面を静かに深く見つめる努力をすれば、その後の人生はよりすばらしく、実り豊かなものに変わっていくのです。 ☆6種類の天中殺は固有の宿命、運命を持っている 子丑、寅卯、辰巳、午未、申酉、戌亥の6つの天中殺は、それぞれ固有の宿命や運命のバイオリズム、気質、行動パターンを持っています。同じ年や月に生まれた人でも、辰巳天中殺と午未天中殺とでは、性格も運気も違います。  ここで有名人を例にあげながら、簡単にそれぞれの天中殺の特徴を説明していきましょう。 「芸能界のドン」と呼ばれるタレントのタモリさんは子丑天中殺です。父親や目上には恵まれにくい天中殺ですが、その反動で、目下や部下を本能的に求めます。つまり後輩に対して人一倍やさしく、情が深いのです。  タモリさんが司会を務める「笑っていいとも!」はもう何年も続いている「オバケ番組」ですが、ここまで長く続いてきたのは、やはりトップに立つタモリさんの人柄ではないでしょうか。たぶん、子丑天中殺特有の周囲に対する細かい気配りと、自らの地道な努力が実を結んでいるのでしょう。あの番組から次々に新しいタレントが育っているのは、周知の事実ですね。 「初代運」を持っているのも子丑天中殺の大きな特徴です。内閣総理大臣を務める小泉純一郎さんは、「改革」をスローガンに掲げ、これまでの政治の在り方を根底から大きく変えようとしています。自分がトップに立ち、新しい政治機構の「初代」になろうとしているわけです。  実際、子丑天中殺は先人が敷いたレールの上を歩くより、自分でレールを敷き直すことを好みますし、その方が運が上がるのです。その意味では、小泉さんは天から与えられた「宿命」を素直に受け止め、体現している、と言っていいでしょう。  小泉内閣の支持率が極めて高いのは、小泉さんのセンスや考え方が今の時代にマッチしているのはもちろん、「天からのお役目」をきちんと果たそうと努力しているからなのです。  気をつけたいのが2002年の午年。運気サイクルからいうと、「午年は身内の争いや体調不良などで運気が落ち込みやすい」という特徴を持っています。小さな不協和音が大きくならないよう、細心の注意を払いながら、上手に乗り越えていただきたいと思います。  寅卯天中殺は、6つの天中殺の中で最もパワーが強いといわれます。郷ひろみさん、松田聖子さんは日本の芸能界を代表する寅卯天中殺です。子丑天中殺がコツコツ地道に努力するのに比べ、寅卯天中殺はエンジン全開で突っ走る迫力とパワーがあります。度胸があり、押し出しがいいため、寅卯天中殺は専門の道でスムーズに頭角をあらわすのが特徴です。  ほかにも演歌歌手の藤圭子さんを母親に持つ宇多田ヒカルさん、結婚してパパになった今も根強い人気の木村拓哉さん、プロデュース業、作曲業で天才的な手腕を見せる小室哲哉さんなど、個性と魅力にあふれた人がたくさんいます。  寅卯天中殺は1998〜1999年が災厄の年でしたが、この天中殺の場合、その2年間より、天中殺の翌々年、つまり巳年に運気の真空スポットが訪れるのが特徴です。つまり、ほかの天中殺より現象が軽くなる分、そのあとの落ち込みが激しくなるのです。  特に顕著にあらわれるのが人間関係でのトラブル。巳年〜午年にかけて、パートナーとの信頼関係を大事にしないと、深刻な事態に発展するおそれがあります。  寅卯天中殺と並んで強い運気を持っているのが辰巳天中殺です。  この天中殺は、いいときと悪いときの差が非常に激しいのが特徴です。有名人でいうと、ビートたけしさんがその代表です。たけしさんは1994年8月にひどいバイク事故を起こし、一時期は誰が見てもわかるほど落ち込んでいましたが、翌年、見事に復帰を果たしました。いざというときの生命力の強さと運の強さは、辰巳天中殺の特徴なのです。  東京都知事の石原慎太郎さんも、たけしさんと同じく辰巳天中殺です。辰巳天中殺の武器は、現実に即して自分を変えていく変わり身の早さです。石原さんは1955年、「太陽の季節」で芥川賞を受賞し、その後1968年に政界入りを果たし、1999年4月、東京都知事に就任しました。「作家から政治家へ」という大胆な転身は、まさに辰巳天中殺ならではの得意技。  この天中殺を持つ人は、政財界や芸能界など、駆け引きや競争が横行する厳しい世界ほど、本来のたくましいエネルギーを発揮することができます。つまり、人にもまれることで本来の才能が花開く運命を持っているのです。  たけしさんも石原さんも、天中殺の脅威にさらされたのは2000〜2001年です。天中殺の期間は理由もなく気があせって新しいことを始めたくなるものですが、本格的に行動するのは午年以降が正解です。  午未天中殺には、反骨精神のたくましい知性派が多いのが特徴です。たとえば作家の林真理子さん、ミュージシャンの井上陽水さんなどがそうですね。  この天中殺は自分一代でパーッと燃え上がって成功するタイプが多く、なんでも自分の気分で事を進めるのが特徴です。また、どんなときもあっけらかんとした性格で、周囲の雰囲気を明るくさせるパワーを持っています。林真理子さんや井上陽水さんが幅広い層から支持されているのは、細かいことにこだわらない性格や作風が万人に受けているからではないでしょうか。  この人たちの天中殺の時期は、午年の2002年から未年の2003年まで。ほかの天中殺に比べるとそれほど運気の浮き沈みは激しくありませんが、家庭内のごたごたや子どもの問題、身近なパートナーとのトラブルには注意しなければなりません。短気を起こすとあとで後悔することになりますから、くれぐれも慎重に行動しましょう。  さて、寅卯天中殺、辰巳天中殺と肩を並べて目立つ存在になりやすいのが申酉天中殺です。政治家の田中真紀子さんやサッカーの中田英寿選手、ニュースキャスターの久米宏さん、歌手の安室奈美恵さんなどがこのグループに属します。  この人たちは「言いたいことはハッキリ言う」「やりたいことしかやらない」「敵も多いけれど味方も多い」のが特徴です。  頭が切れるうえに裏表がないので人から頼られ、その世界のリーダーとして活躍することが多いのですが、好き嫌いが激しく、それがそのまま態度に出てしまいがちです。常に心を中庸に保つ努力をしないと、2004年から始まる天中殺のダメージを強烈に受けることになります。  申酉天中殺に限らず、ほかのすべての天中殺に言えることですが、天中殺というのは「今までの生き方」を問われる時期と心してください。  常に自分を高める努力をしている人は天中殺時の災いが軽くてすみますが、自分本位に行動し、周囲に迷惑をかけがちな人は、それなりの「報い」を受けることを覚悟しなくてはなりません。「因果応報」のなりゆきは、天中殺の時期に答えが出るのです。  戌亥天中殺の特徴は、「カリスマ性」を備えていることです。あるいは、集団で行動するよりじっくり一人で思索することを好む「聖人」と言ってもいいでしょう。  年齢や性別を超えて幅広い層から支持される長嶋茂雄元監督、「寅さん」シリーズほか数々の名作を撮り続けている山田洋次監督、タレント業のかたわら絵画でも評価の高い工藤静香さんなどは、戌亥天中殺の代表的な人物です。  工藤静香さんは、寅卯天中殺の木村拓哉さんと2000年12月に入籍しました。この年は辰年で、戌亥天中殺にとってはまさに運気上昇の真っ最中。つまり工藤静香さんにとって、2000年の妊娠、入籍はまさに「天から授かった幸運」だったのです。やはり運の強い人は、チャンスをつかむのもうまいのです。  逆に、寅卯天中殺の木村拓哉さんにとって、2000年の辰年は「天中殺明け」でした。この時期は天中殺のひずみがまだ残り、「完全には本調子でない」という運気を持ちます。たぶん、運命絶頂期の工藤静香さんにリードされる形で、今回の入籍が成立したのではないでしょうか。  さて、道を究めた戌亥天中殺は、単なる「人気者」という枠を超えて、「好き嫌いを超えて、世間から圧倒的に受け入れられる」という宿命を持ちます。  また、無から有を生み出すのも大きな特徴の一つ。この天中殺は自分独自の世界を切り開き、それを表現して世の中に出す力を持っています。  ただし、人に頼ると運を落としてしまいます。「戌亥天中殺の出発点はいつも孤独な世界から始まる」「孤独からスタートした事柄はすべて自分の栄養になる」と心して、コツコツと自分の「お役目」を果たす努力を続けなければなりません。 ☆先祖代々の運命の流れが、あなたに影響を及ぼす  有名人を例にあげながら6種類の天中殺の特徴をお話ししてきましたが、なんとなくイメージが見えてきたでしょうか。今まで述べてきたように、それぞれの天中殺にはまったく異なる特徴があり、それぞれ固有の運気のクセがあります。同じ親から生まれた兄弟でも、子丑天中殺の子どもと寅卯天中殺の子どもでは性格も異なりますし、かなり違った運命をたどることになります。子丑天中殺はコツコツ努力して親に頼らず人生を切り開いていくタイプですが、寅卯天中殺は小さいことにこだわらず、ダイナミックな迫力でものごとを推し進めていきます。  また子丑天中殺は「初代運」がありますから、たとえ長男でも家を出て、独立独歩の人生を歩むことが少なくありません。逆に寅卯天中殺は「跡継ぎ運」を持っているため、次男、三男でも親の跡を継ぎ、家業を大発展させることが多いのです。  このような性格や運命の違いは、本人の代だけで決まるわけではありません。誰もがみな先祖があって今の親があり、その親から生まれて今の自分があります。つまり、先祖代々受け継がれてきた運命の流れが、あなたに大きな影響を及ぼしているのです。  私たちはみな自分一人の力で生きているように思いがちですが、運命学的に見ていくと、その背後には親、そのまた親、そのまた親の親……というように、複雑に絡み合った因果関係が働いています。つまり私たちの宿命というのは、私たちの好みや意志だけでなく、背後の因果関係も大きく作用しているのです。読者のみなさんは本書を読むうちに、その事実に気づかれることでしょう。  この世にはさまざまな人生、つまりさまざまな道の歩き方があります。楽しく歩いているときはいいけれど、ときには「こんなはずじゃなかった」と後悔したり、つらい思いをして歩くのをやめたくなったりするときもあるでしょう。  けれど、自分の天中殺を知れば、自分に課せられた宿命や運命の傾向がわかります。あらかじめ目的地がわかっていれば、たとえ困難に出合っても乗り越える意志がわいてきますし、人生に迷ったり、不必要にムダな回り道をすることもなくなります。  ではここから、あなたが属する天中殺について、その特徴をくわしくお話ししていきましょう。これを読めば、あなたが持って生まれた宿命や運命の動向がわかります。  自分が属する天中殺は、自分を成長させるために天から与えられたもの。「自分は親に恵まれていない」「友達に恵まれていない」とネガティブにとらえるのではなく、「親に恵まれていないなら、自分の力で勝負してみよう」など、ポジティブに考えてください。 ☆子丑天中殺の性格 「北の要素」が欠けている、つまり父親運、目上運、上司運が欠けているのが子丑天中殺です。この天中殺は父親や目上の人との関係が薄く、「幼少期に苦労しやすい」という宿命を持ちます。 「身近に頼りになる人がいない」「自分をかばってくれる人がいない」「お手本になる人がいない」ということは、「自分しか頼る者がいない」ということです。つまり、いやでも人より早く自立心が身につくようになるのです。  そのため、子丑天中殺は小さなころから「しっかり者」と呼ばれ、早いうちから独立心が芽生えるのが特徴です。子丑天中殺が「初代運の星」といわれるのは、そこから来ているのです。  初代運とは、「自分の代からものごとがスタートする」ということです。たとえば親が店を経営しているとすると、その長男として生まれた子どもが親の跡を継ぐ、あるいは一人娘なら婿養子をもらって親の商売を継ぐのがふつうです。  しかしその子が子丑天中殺だとすると、「親の跡を継がない」という宿命を持っているため、二代目、三代目にはなりにくいのです。  たとえば、「世界で一番のお金持ち」といわれるビル・ゲイツが子丑天中殺です。シアトルで弁護士の父のもとに生まれた彼は、ハーバード大学に在籍中、幼なじみと組んでパソコンソフトを開発し、世界有数のコンピューター会社であるマイクロソフト社を築き上げました。「弁護士」という職業は継がなかったものの、彼は歴史に名だたる成功を収めたのです。  もし、親が無理に子丑天中殺の子どもに跡を継がせるとどうなるでしょう。親の流れに乗る、もしくは親の保護を受けることは、子丑天中殺の「宿命」からはずれることになります。宿命を素直に受け取らない場合、運命の「ひずみ」が生じます。つまり燃焼しきらないものが心の中に残り、絶えず不満がくすぶるようになってしまうのです。 「自分の本当にやりたいことができない」という葛藤や不満から親に反抗的になり、親子関係が悪くなることも決して少なくありません。  子丑天中殺は本来穏やかで、どんな人にもやさしく接することができる性格です。しかし、なぜか親に対してはとげとげしたり、反発したりしがちです。そんな自分に嫌悪感を感じることもしばしばあります。しかしこれは本人が悪いのではなく、「子丑天中殺が天から与えられた宿命」と考えてください。  算命学では「子丑天中殺の子どもが生まれたら、子どもに家業を無理強いしてはならない」と考えます。子丑天中殺の子どもを持った親は子どもに「親の生き方」を押しつけてはいけませんし、子どもは子どもで、なるべく早く親元を離れて自立の道を歩んだほうがいいのです。どんなに苦労が多そうに見えても、子丑天中殺の子どもは、親と違う道へ進むことで人生が開けるからです。  若いころに苦労した子丑天中殺は、中年以降にぐんぐん運気が盛り上がっていきます。逆に、子ども時代から青年時代を何の苦労もなく過ごしてしまうと、中年期にさしかかってからなにかと迷いの多い人生になってしまいます。 「鉄は熱いうちに打て」は、まさに子丑天中殺に与えられた言葉です。頭が柔軟で、何回でもやり直しのきく若いうちこそ、苦労をして人生経験を積むべきなのです。 「人に頼らずコツコツ努力する」という天命を与えられた子丑天中殺は、人目を引く華やかな存在感こそないものの、いったん目的を決めたら簡単には動じない「しんの強さ」を持っています。しかし目上運がないために、「あの人のようになりたい」というモデル像が存在せず、「自分は本当にこれでいいのだろうか?」と心の中でE藤することが多くなります。 「改革」がキャッチフレーズの小泉純一郎総理も子丑天中殺です。「平成13年8月15日には靖国神社に参拝する」と公言していたものの、結局は日にちを前倒しにして参拝し、論議を呼びました。これは、子丑天中殺特有の「迷い」が表面化したものです。 「変人」と言われるほどの風変わりで豪放な一面と、外部からの意見を気にする弱い面が同居する小泉総理は、典型的な子丑天中殺と言っていいでしょう。  この迷いが極端に傾き、自分の内面をコントロールできなくなると、本物の「異端者」となってしまうので注意しなければなりません。  自分や周囲の状況を冷静に見つめる目を持ち、心のバランスを保つ努力をする子丑天中殺は、中年以降、目下や部下ができるようになるとどんどん運が開けていきます。「目下を味方につけ、彼らのパワーを借りる」が、この天中殺が成功する秘訣なのです。  仕事面では頭の回転が速く、難題をクールに分析して対処する能力があるため、後輩や部下からなにかと頼りにされ、信用されるでしょう。そして、いったん信頼関係を結べば、いい関係がずっと長続きするのが特徴です。ただし、相手から「どうしても」と頼まれたり泣きつかれたりすると、つい同情してしまうのが子丑天中殺の長所であり短所です。人情家であることを人に利用されないように注意しなければなりません。  女性の場合、結婚後は夫をもり立てて、内助の功を発揮します。ただし相手の男性の性格が弱すぎると「かかあ天下」の性格が頭をもたげ、夫婦不和を引き起こすので注意が必要です。  子丑天中殺の女性は、一見頑固なように見えて本来はとても温かい心の持ち主。思いやりの気持ちをきちんと表に出すようにすれば、恋愛関係や夫婦関係、人間関係がさらにうまくいくようになるでしょう。 ☆寅卯天中殺の性格  6つの天中殺のうち、最もエネルギーが大きく、スケールの大きいのが寅卯天中殺です。特に女性がこの天中殺を持つと、「スケールが大きい」「度胸がいい」という印象を周囲に与え、仕事でバリバリ稼ぐ「女傑」になります。  男性の場合は、人情味あふれるやさしい性格になるのが特徴です。また「現実世界に強い」という運気を持つため、仕事に対する天性のセンスに恵まれ、中年以降はかなりの財力を持つでしょう。  女性も男性も、中年以降からどんどん運がよくなる大器晩成型です。特に30代、40代、50代は飛ぶ鳥を落とすほどの勢いがつくことも珍しくありません。しかしそれだけに、天中殺の時期に大きく落ち込みやすい危険があるので、注意が必要です。  寅卯天中殺の子どもは、「運のいい親」からしか生まれません。子丑天中殺が親の跡を継がない「初代運」の持ち主なら、寅卯天中殺は親の運を2倍にも3倍にも大きく発展させる「跡継ぎ運」の持ち主。親にとって、この子どもは「親孝行」以外の何者でもありません。  日本のみならず、海外でも評価の高い歌手の宇多田ヒカルさんはこの寅卯天中殺。彼女のお母さんは「圭子の『夢は夜ひらく』」などのヒット曲を出した、演歌歌手の藤圭子さんです。  お母さんは70年代の日本のアイドルでしたが、宇多田さんはいまや世界のアイドルに成長しつつあります。これはまさしく、寅卯天中殺の特徴。「親の跡を悠々と継いで、さらに大きな成功を手にする」のが、彼女に与えられた宿命なのです。  コツコツ地道に努力を積み重ねる子丑天中殺と違い、寅卯天中殺はダイナミックにものごとを進めてゆきます。この天中殺はものごとを「細部のディテール」でなく、「輪郭」でとらえるのがうまいのです。つまり広い視野で周囲を見渡し、「今必要なものは何か」をすばやく見て取ったうえで、必要なものを確実に手中に収める努力をします。  ほしいものを手に入れるときのエネルギーは、6つの天中殺の中でナンバーワン。ターゲットをねらうときの寅卯天中殺は、まさに「野獣」にも等しいのです。  思い切りがよく、押し出しも強いパワフルな寅卯天中殺ですが、その半面「おっちょこちょい」「勇み足が多い」「攻めは強いが守りに弱い」などの特徴を持ちます。特に人間関係では思い込みが激しく、用心深さに欠ける面があるので、大事な局面で失敗することもあります。  また、ある程度見込みが立つと、あと先を考えずにゴーサインを出すことがしばしばあります。それだけに大きなチャンスをつかみますが、失敗するわけがないようなことを失敗してしまうこともあります。  しかし、この天中殺はもともと「明るい」性格。一度や二度の失敗であきらめたり、へこたれたりするような小さな器ではありません。常に「がんばればなんとかなる!」をモットーに、ベストを尽くすのが寅卯天中殺の生き方なのです。  寅卯天中殺は東のパワーが欠けているため、どうしても母親や兄弟と縁が薄くなりがちです。小さいころから「自分で何でもやってみよう」というパワフルでエネルギッシュな性格のため、年若くして母親の庇護から離れ、自力で生活することを望むのです。  年ごろになると、「実家と縁が薄い」という宿命の反動として西のエネルギー、つまり「恋人や夫とのつながり」や「家庭の休息」を求めるようになります。ですからこのタイプは、自分の家庭を持つことにとても大きなエネルギーを注ぎ、なおかつたいせつにします。  ただし大ざっぱな性格のため、自分では「家族思い」と思っていても、当の家族からは「自分の好きなことばかりやって、ちっとも家のことをやらない」とか「仕事ばかりでちっとも一緒にいてくれない」などと不満を持たれることが少なくありません。  みなさんがよくご存じの寅卯天中殺の有名人といえば、歌手の松田聖子さんがあげられます。神田正輝さんとの結婚生活に終止符を打ち、その後歯科医の波多野浩之さんと電撃結婚に踏み切ったのは、「自分の家庭に安らぎを求めたい」という寅卯天中殺の本能のなせるわざと言っていいでしょう。仕事がハードであるほど、寅卯天中殺は家庭に休息の場を求め、バランスを取ろうとするのです。  しかし、本人の思惑とは裏腹に、相手の男性は「仕事にばかりエネルギーを注いで、ちっとも妻らしくしてくれない」と不満を感じていたかもしれません。家の中には収まりきらない大きなパワーを持つ星だけに、寅卯天中殺が「よき妻」「よき主婦」に収まるのは難しいのです。  寅卯天中殺のもう一つの特徴は、「外《そと》面《づら》がいい」こと。いったん信頼関係のでき上がった身内より、未知の他人に愛想がいいのが寅卯天中殺の人間関係。子丑天中殺の場合はじっくり時間をかけて相手を理解していきますが、寅卯天中殺は誰に対しても「3分話せばお友達、5分話せば大親友」というパターンです。  そのため人から好かれ、どこにいても人脈がどんどん広がっていきます。政治家や実業家にこの天中殺が多いのは、物おじせず、誰とでもすぐに親しくなれるからです。  交際運とともに、異性運も活発です。寅卯天中殺は「黙っていてもなんとなく魅力的に見える」という長所を持つので、異性からのアプローチには事欠きません。しかし、こと男女関係になると「奥手」になるのがこの天中殺の不思議なところ。本人より、周囲がもどかしくなることも少なくありません。それだけに、いったん恋に落ちると真剣で、一途に相手のことを思いつめるようになります。自分も相手も独身ならいいのですが、浮気や不倫の場合、「本気」になって全力を注ぐことがあるので、自制心が必要です。 ☆辰巳天中殺の性格  天上のエネルギー、つまり「心の世界」「精神の世界」が欠けた辰巳天中殺の第一印象は 「はみ出し者」。組織に属しているなら「どことなく浮いた感じ」、フリーなら「何かおもしろそうなことをしそうな感じ」を周囲に与えます。人と異なる存在感を持ち、どこにいても人目を引く存在です。  家族の中でも一人だけ個性的なのが特徴で、たとえばある家に子どもが3人いたとして、その一人が辰巳天中殺だとしましょう。同じ両親に育てられ、同じような環境で大きくなったにもかかわらず、その子だけが、ほかの兄弟とは「異質」な子に育つのです。つまり、「本当にあの家の子?」と周囲が驚くほど、家風や家柄から飛び出た個性を持つようになるのです。  有名人でいうとビートたけしさんが辰巳天中殺ですが、彼は三男一女の末っ子です。お兄さんの大《まさる》さんは工学博士で、よくテレビなどにも登場していますね。  たけしさんのお母さんはとてもしつけが厳しく教育熱心で、4人の子どもたちを大学に通わせたといいます。ところがたけしさんだけは明治大学を中退し、お笑いの道に進むようになりました。  今は亡き母親のさきさんは、そんなたけしさんを心配するとともに、ひときわ大きな愛情で包んだそうです。家族から一人だけ浮いた存在だっただけに、常に気になる存在だったのでしょう。  しかし、「生まれた家の流れからはみ出していく」というのは、辰巳天中殺の宿命なのです。  ちなみに、辰巳天中殺も子丑天中殺と同様、親との縁が薄い傾向です。たとえば両親が離婚するとか、片親を早く亡くすなど、親との縁が薄くなるのです。または「お父さん子」「お母さん子」というように、どちらかの親に偏った縁になることもあります。  いずれにしても、辰巳天中殺の子どもは早いうちに親元を離れていくでしょう。むしろそのほうが本人はのびのびできますし、運気も伸びやすくなります。逆にいつまでも親元を離れないでいると、本人になにかとストレスがたまるようになります。  しかし、辰巳天中殺の子どもを持った親は心配する必要はありません。辰巳天中殺にはある種の「しぶとさ」が身に備わっており、どんな荒れ地にいても、いつの間にか根を張る雑草のようなしたたかさがあるのです。つまりどんな環境や立場に置かれても、「必ず芽を出す」という宿命を持っているのです。  なぜなら、この天中殺は天上の「心」「精神」が欠けているため、その反対側(中央)に位置する「現実的な行為」に全エネルギーを注ぐからです。実生活でのがんばりと実績が、このタイプの心のよりどころになるのです。  そのため、辰巳天中殺の人は「理想」や「イメージ」にはいっさい興味がありません。頭の中でくどくどと考えているなら、即行動に移してしまえ、というタイプなのです。   ですから、自分の気持ちを言葉で表現するのがとても苦手です。心の中にくすぶっている感情を具体的に言葉にあらわしたり、ムードたっぷりの言葉で愛情表現をしたりするのが何より苦手で、そのために誤解を受けることも少なくありません。 「悪かった」と言うかわりに物品を贈る、「結婚してください」と言うかわりにエンゲージリングをプレゼントするなど、この人にとっては、行動そのものが言葉であり、心をあらわしているのです。  ですから算命学では、「辰巳天中殺からもらった物品には、疑いなく真心がこもる」と考えます。  有名人でいえば、高倉健さんがそうです。口べたで、口数が少ないのは辰巳天中殺の特徴。「口で言うより態度で示した方が早い」という不言実行のイメージは、まさに辰巳天中殺ならではのものです。  また、どんなに成功して地位が上がっても、「誰にでも温かく接する」という特徴もあります。辰巳天中殺は本来「大衆の星」と呼ばれ、気さくで親しみやすい性格の持ち主なのです。  気さくな半面、権力や体制の圧迫に対して「納得しなければ決して迎合しない」という頑固さも持ち合わせているため、「庶民の星」として活躍することも多いのです。  ただし時として、人の言うことを素直に受け入れない頑固な面が頭をもたげることも少なくありません。周囲が「黒」と言えば自分はわざと「白」と主張する、あまのじゃくなところもあります。自分の意見に固執せず、人のアドバイスを素直に聞き入れる柔軟性を養うことがたいせつです。  仕事面では、ふつうの人が考えつかないようなアイディアを考えさせたら、この天中殺にかなう人はいないでしょう。常識の枠では収まりきらない斬新な発想を生かせば、辰巳天中殺はかなりの成功を収めることができます。  ただし、古いやり方をそのまま踏襲する仕事や、毎日同じことを繰り返すルーティンワークには向いていません。最初のうちは我慢しても、そのうちに嫌気がさすか、元気がなくなって存在感が薄くなってしまいます。  恋愛、結婚に関しても、辰巳天中殺は常識や社会の枠にはまりません。一目ぼれから電撃結婚したり、別居結婚、夫婦の役割分担を逆にするなど、時代の先端を走ることも多いでしょう。また、長年一緒にいる妻や夫に対しては、どうしても言葉が少なくなりがち。できるだけこまめにコミュニケーションをとれば、良好な関係が保てます。 ☆午未天中殺の性格 「子ども運」「部下運」という南のエネルギーが欠けた午未天中殺は、目下との縁が薄くなるのが特徴です。ただし「子ども運がない」というのは「子どもができない」ということではなく、何人いても「なんとなく疎遠になる」「ふだんはそばにいない」「自分の跡を継いでくれない」ということです。女の子ならなんとか縁はつながりますが、午未天中殺の子どもが男の子の場合、たとえ長男であっても、将来は親元を離れていく可能性が高いのです。  算命学では、午未天中殺を「末代運」、つまり「家系を締めくくる運」と考えます。ですから、もしあなたが午未天中殺なら、「自分は一族の最後のまとめ役として生まれてきたんだな」と思ってください。自分の代で家業の流れがいったん終わる、ということです。 「最後のまとめ役」という宿命を担う午未天中殺は、「やるべきことを果たしたのち、最後にあの世へ行く」という運を与えられます。つまり、長寿ということです。少々のことでは倒れない精神力とスタミナは「天からの授かりもの」と考え、それを最大限に生かしてください。  ちなみに、午未天中殺の子どもは「初代運」を持つ子丑天中殺であることが多いのです。つまり親の代で家系がいったんとぎれ、別の場所で子どもが新しい流れをスタートさせるということです。  たとえば代々そば屋を経営してきた家系なら、午未天中殺の代で、そば屋はいったん店を閉めることになるでしょう。そして子どもは、新たにスパゲッティの店やレストランを始め、新しい流れをつくるというわけです。時代の流れ、環境の流れに一族の宿命がうまく乗るためには、こうした一時的な「家系のとぎれ」もときには必要、ということを覚えておいてください。 「一族の流れをまとめ上げる」宿命を持った午未天中殺は、長男、長女に限らず、中年期にさしかかると、一家のまとめ役を担うことになります。親戚で法事をするときなど、兄弟や親戚からなんとなく頼りにされ、気がつくと、リーダー役に回っていることも少なくありません。  このような傾向は、社会生活においても同様に発揮されます。会社が倒産寸前のところまでいったとき、午未天中殺が残務処理を担当すれば、すばやく確実にベストなあと処理ができます。あるいは損が出ないよう、うまくあと片づけをしてくれるでしょう。   ですから、寅卯天中殺のように「ダイナミックだけど大ざっぱ」な人のパートナーや補佐役になると、午未天中殺の能力は最大限に引き出されることになります。  また南の「精神的なよりどころ」というエネルギーが欠けているがゆえに、北の「知恵による反骨精神」を求める午未天中殺は、自分の興味のあることにとことん熱中して内面世界を広げます。いわゆる「凝り性」のタイプで、必要な情報や資料を手元に集め、少しずつ積み上げて「その道の専門家」になってしまうことが多いのです。  野球選手のイチローさんや松井秀喜さん、天才騎手と呼ばれる武豊さんなど、一流のスポーツ選手には午未天中殺が目立ちます。やはり自己の内面を常に見つめ、とことんベストを極める「凝り性」の性格が、トップの地位を引き寄せるのでしょうか。勝利を手中に収めるため、ライバルのデータやクセを地道に分析する姿が目に浮かびます。  また午未天中殺は芸術的なセンスにすぐれているため、絵を描いたり芝居にチャレンジしたりしても成功する可能性があります。そのため芸能界など、人前に立つ職業につく人が多いのです。 「芸能界を3歩歩けば午未天中殺に当たる」という言葉があります。華やかな舞台に立つ人は、実に午未天中殺が多いのです。  たとえば美輪明宏さんや藤原紀香さん、広末涼子さん、安田成美さん、所ジョージさん、反町隆史さんなどが午未天中殺です。みなさん美男美女でファッションセンスが高く、第六感が鋭そうなのも共通しています。  また、「転んでもただでは起きないタイプ」が多いのも特徴です。  根強い人気の泉ピン子さんがそうですね。数々のスキャンダルにもまれながらも、不思議に周囲から救いの手がさしのべられるのが、この天中殺の運の強いところです。  ただし、どんなに地位が上がったり、どんなに周囲から持ち上げられたりしても、午未天中殺の心の中には「孤独」の風が吹いています。やはり、「締めくくりの運」を天から与えられているせいでしょうか。  ただしこの場合の「孤独」とは「精神的な孤独」です。家族や友人に恵まれないというわけではなく、どの人とも合わせているように見えて、実はひとり「孤高の位置に立って俗世を見ている」というのが、この天中殺の基本的なスタンスなのです。  俗世のしがらみより「心の孤高」が勝ると、一匹狼になったり、街の喧噪からひっそり離れて創作の世界に生きたりすることもあります。  この天中殺が注意しなければならない時期は、50代以降です。頭がよく、自負心もあるためにプライドが高く、周囲と打ち解けられないケースが多いのです。また神経質なあまり、自分のカラに閉じこもってしまうこともあります。なるべく視野を広く保ち、多くの人と接触するように心がければ、天中殺時の運のダウンを防げます。  また「目下」に恵まれない宿命を持つため、「部下や目下からなかなか理解されない」「もり立ててくれる者がいない」など、中年以降はやや寂しくなりがちです。友人や家族など身近なパートナーとのコミュニケーションをたいせつにしましょう。 ☆申酉天中殺の性格  西の「家庭の安息」「休息の場」のエネルギーが欠けた申酉天中殺は、大変な働き者。今座ったかと思うと次の瞬間には再び立ち上がって新聞を取りに行き、さらに別の部屋へ行って掃除を始めるなど、「一瞬たりともじっとしていない」のがこの星のイメージです。  よく言えば「まめ」、悪く言えば「落ち着きがない」と言ってもいいでしょう。  そもそも申酉天中殺は西に位置するため、その正反対の東の「行動するエネルギー」「社会的な行動」を本能的に求めます。  政治家の田中真紀子さんは、この天中殺の代表的な有名人です。日本の外相として世界を舞台に活躍されていますが、あの行動力と人を圧倒するようなパワーは、まさに申酉天中殺ならではのもの。パワーナンバーワンを寅卯天中殺とするなら、申酉天中殺はそれに次ぐエネルギッシュな星なのです。口八丁手八丁が多いのも特徴で、ニュースキャスターの久米宏さん、タレントの和田アキ子さんなど、みなさん「にぎやか」な雰囲気を持っています。  有名人のみならず、ふつうの家庭の主婦であっても、申酉天中殺はじっとしているのが苦手です。こたつに入ってみかんでも食べながらゆっくりテレビを見るのが好きな子丑天中殺と異なり、この天中殺はテレビを見ながら雑誌や新聞を見たり、それを切り抜いてスクラップしたり、ついでに過去のスクラップ帳を持ってきて整理を始めるなど、片時もじっとしていません。  ご主人なら、職場から家庭に仕事を持ち込んだり、休日はまだ家族が寝ているのに早朝から日曜大工や庭の手入れをするなど、忙しく動き回ります。静かなムードを好む戌亥天中殺の子どもからすると、「お父さん、休みの日くらい静かに休ませてよ」ということになります。  家族から見れば「そばでごそごそ動かれて、ちっとも落ち着かない」ことになりますが、本人は少しも忙しいという自覚がありません。申酉天中殺の「性《さが》」で、自然に体が動いてしまうのです。「楽をしようと思わず、働けるうちは働こう」という気質を持っているこの天中殺は、「天性の働き者」と言ってもいいでしょう。  女性なら、専業主婦に収まらないのも特徴です。主婦の傍らボランティア活動に励んだり、仲間と一緒に商売を始めたり、カルチャースクールに通ったりなど、「社会参加」を好みます。  政治家の田中真紀子さんも、妻であり母親であり主婦であり、さらに日本の外相という大変な立場についています。一人二役でも三役でもこなせるのが、この天中殺の強みなのです。  ただし、興味の対象があちこち目移りしてしまうのが玉にきず。最初の出だしはスピーディーでも、「すべてのことを最後まで根気よく」は苦手です。一度に2つ、3つのことをこなすのは得意でも、それらをすべて「パーフェクト」にこなすのは申酉天中殺にとって至難のわざ。  ですから「最後の締めくくりでミスをする」ことになりやすく、何事も「竜頭蛇尾」に終わる危険があるので注意が必要です。大きなことを実行するときは、あと処理の上手な午未天中殺にサポートしてもらうと安心です。  さて、申酉天中殺の一番の長所といえば、「世渡りのうまさ」があげられるでしょう。  子どものころは勉強が苦手でも、社会に出ると持って生まれた勘のよさが発揮され、めきめき頭角をあらわします。つまり、「環境の変化」に自分を合わせていく能力が高いのです。そのときどきで自分が置かれた状況をすばやく読み取り、「何を求められているか」を瞬時に見抜くため、周囲に「切れ者」の印象を与えます。  また、自分にとって必要なのは誰かを見抜く目も持っています。申酉天中殺が「要領がいい」といわれ、スムーズにのし上がっていくのは、こういった生まれつきの「実践力」が備わっているからにほかなりません。  ですから、申酉天中殺の子どもの成績が悪くても、親は必要以上に気にすることはないのです。学校を卒業すればいやでも本領を発揮して、社会で一目置かれることになるのですから。  また、職場でも家庭でも古風なほど目上をたいせつにするため、いざというときは上から救われる運を持っています。ちなみに申酉天中殺のお嫁さんはどんな姑ともうまくつきあえるため、算命学では「人一倍賢い嫁」といわれます。無理をしなくても自然にお姑さんに合わせることができるのが、この天中殺のいいところなのです。  独身女性なら、「仕事も結婚も子育てもしてみたい」と考えている人が多いはず。ただし専業主婦に収まるタイプではないので、仕事に理解のある男性を選ぶことが大事です。  この天中殺は交友関係が広いので、友達には不自由しません。世の中で一流と呼ばれる人たちとも、あるいは庶民的なタイプの人たちとも分け隔てなくつきあいます。肩書きや上下関係で人を判断せず、根底にある人間性をたいせつにしますから、性別や年齢、国籍、職業などを問わず、いろいろな世界の人たちと交流できるでしょう。  さて、申酉天中殺のもう一つの大きな特徴は、財力に恵まれることです。社会で成功する要素をたくさん持っているタイプなので、自分で力まなくても人から引き立てられ、どんどん仕事やお金が入ってくるでしょう。  もし自分で財産を残すことができなくても、自分の子どもが財運を受け継ぐ、あるいは子どもに縁が薄ければ、自分が大きな財産を持つことになる。この天中殺の財運は、シーソーのように「自分か子どもか」のどちらかに移動するのが特徴です。 ☆戌亥天中殺の性格 「家系の流れ」「精神面での支え」という中央のエネルギーが欠けた戌亥天中殺の人生の根底に流れるものは、「孤独」と「内面の静けさ」です。 「孤独」といっても「両親や兄弟のいない天涯孤独な運」という意味ではなく、自分が生きていくうえで応援や支えに恵まれない、という意味です。  そもそもこの星は自分一代で新しい世界を切り開いていく宿命を担っています。その意味で初代運を持つ子丑天中殺と似ていますが、本質はまったく違います。子丑天中殺は一見クールに見えても内面は人情味にあふれ、現実的ですが、戌亥天中殺は一見穏やかに見えても内面はとても複雑で、他人にはなかなかわかりづらい面を持っているのです。そのため「風変わり」「浮いた存在」「異端者」と見られることも少なくありません。  戌亥天中殺の性格は非常に複雑で、パッと見てわかるものではありません。むしろ表面的には穏やかでおおらかに見えるため、甘く見て近づく人も少なくありません。しかし何かの拍子に相手の本質をついたきついひと言を口にして、「見た目と全然違う」「こわい人」「何を考えているかわからない」などと受け取られてしまうことも多いのです。  その激しい内面は、誰も頼りにできず、自分一人で長い道のりを歩いてゆかねばならない戌亥天中殺の宿命に由来するものです。  この星は6つの天中殺の中でも最も心の支えが少なく、いやがおうでも「無から有を生み出す」ことを余儀なくされる運を持ちます。中央のエネルギーである「家系の流れ」「心の支え」が欠けているということは、親も兄弟も友人もあてにできないということです。むしろ親兄弟や友人に頼ろうとすると、逆にこの星が本来持っているいい面が伸びずに運が抑えられてしまうことになります。ですからこの星の持ち主は、なるべく年若いうちに「しがらみ」から離れて一人暮らしをして、経済的にも環境的にも独立した方がいいのです。  戌亥天中殺は、「自分は何のために生まれてきたのか」「自分はこの世で何をすべきか」という疑問を常に自分にぶつけています。辰巳天中殺は頭で考えるより先に体を動かして現実的に行動しますが、戌亥天中殺は、行動する前にじっくり頭で思索を練る傾向があります。いわば、この星の人たちは「心の世界の住人」と言ってもいいでしょう。  それゆえに、俗世を捨てて宗教の道に進む人も少なくありません。  その一方、心の修行を積むことにまったく興味を持たず、流れのままに人生を送る「怠け者」になる可能性もあります。同じ天中殺でも、精神を高めようとする人とそうでない人との差が極端に大きくなるのが、戌亥天中殺の特徴なのです。  その極端な落差は、仕事の面でもあらわれます。自分から仕事に取りかかる気になれば、たとえどんなに忙しくても、どんなに悪条件でもこの星の持ち主はパワフルに働きます。しかし、その気にならないと、何カ月でも何年でも休んで遊んでしまうクセがあるのです。  たとえ周囲から「怠け者」「遊び人中の遊び人」と言われようと、戌亥天中殺は気にしません。「この仕事は自分のためにならない」と思うと、パッとあきらめてしまうある種の「いさぎよさ」があるのです。そのため、若いころには仕事が安定せず、あちこちの職場を転々とすることが多くなります。本人は「ダメなものはダメなのだからしかたない」と割り切っているのですが、家族や周囲から「いつまでもふらふらして、先が思いやられる」などとうわさされることも少なくありません。  戌亥天中殺は外面より内面に重きを置いているため、周囲の雑音を気にせず、ゆっくり静かに人生を歩いていきます。そのため一度打ち込む対象を見つけると、この星はひたすらその道を追求して、最終的には「その道の権威」として仰がれる存在になります。  戌亥天中殺の別名は、「カリスマの星」です。誰にも頼らず一人で生きる道を必死に模索する人生だからこそ、ほかの人には得られない輝きを身につけることができるのです。  有名人でいえば、女優の森光子さん、タレントの工藤静香さん、武田鉄矢さんなどがいます。特に森光子さんは、「戌亥天中殺のカリスマスター」と言ってもいいでしょう。どんなに年月がたっても美しさが衰えませんし、圧倒的な存在感があります。「芸能界のお母さん」として若い人たちから慕われているのは、酸いも甘いも知り尽くしたおおらかさと、戌亥天中殺が最終的に到達する「慈愛」の心を身につけたからに違いありません。  戌亥天中殺が口にした言葉は、たとえさりげなくぽつんと言った言葉でも、深い意味があります。行動で心を表現するのが苦手なこの天中殺は、言葉で心の内を表現するクセがあるのです。算命学では古来「戌亥天中殺の言葉は金言なり」といいます。  戌亥天中殺から軽いひと言、あるいは冗談のようなことを言われても、あとでじっくり考えてみると真実の奥底をついていた、ということが少なくありません。ですから戌亥天中殺をパートナーに持つ人は、彼、または彼女の口から出た言葉を決して軽んじてはならないのです。  また、戌亥天中殺は観察力や洞察力にすぐれているのが特徴で、芸術的なセンスがあります。ただし創造面においてではなく、鑑賞力においてその本領が発揮されます。一人で好きな音楽を聴いたり、自分の興味を引く本を読んだりしているときが、この星にとっては何より至福の時間なのです。  若い時期は理解者に恵まれず、比較的苦労の多い人生を歩みますが、40代、50代、60代と年を経るにつれて、運気は徐々に上昇していきます。精神面を鍛え、1カ所に安住することなく常に高みを目ざすようにすれば、「天上に輝く星」になれるでしょう。 第2章 天中殺・相性の法則 ☆同じ天中殺同士の相性、違う天中殺同士の相性  本書を読み進めるうち、「自分にぴったり当てはまる!」とか「あの人の性格がそのまま出ている!」など、天中殺の的中率の高さにびっくりされた方も多いのではないでしょうか。  自分に課せられた宿命と運の傾向がわかれば、次に知りたいのは身近な人との相性です。そこで第2章では、自分と同じ、あるいは異なる天中殺との相性についてお話ししていきましょう。  一口に相性といっても、親子関係、恋人関係、夫婦関係、仕事関係など非常に複雑です。しかし、どんな場合でも共通するポイントをいくつかあげてみましょう。  まず、「正反対に位置する天中殺同士」は「相手の運を止めてしまう」という特徴があります。子丑天中殺と午未天中殺、寅卯天中殺と申酉天中殺、辰巳天中殺と戌亥天中殺の組み合わせがそうです。  このペアは「お互いにないものを持っている」ため、一見相性がよさそうに思えるのですが、実はあまり発展的な関係ではありません。欠けたものを補い合うことで、運命の流れがそこでカチッと止まってしまうのです。「自分の運をもっと伸ばしたい」というときには、適度な距離を保ったほうがいいでしょう。  ただし、病気や仕事のミス、失恋などで落ち込んだり苦しんだりしているときは、その不運にバン!と「ストップ」をかけてくれる相手です。 「運の悪いときは積極的に、運のいいときは消極的に」が、正反対に位置する天中殺とのベストなつきあい方なのです。  もう一つ覚えておきたいのが、同じ天中殺同士の組み合わせです。  この場合は、同じ宿命の持ち主のため出会った瞬間に「なじみのよさ」を覚え、肩に力を入れなくてもスムーズに打ち解け合える間柄になります。一緒にいて楽しい「同志」のような関係ですが、気が合うだけにどうしてもなれ合いの関係になりやすく、あまり発展性がありません。  ですから友人や夫婦の場合はよくても、一緒に仕事をしていくとなると、「いまひとつ伸びにくい」と考えます。  一般的に夫婦、親子、職場の仲間など、いつも一緒にいる相手との相性がよければ、12年に2年の天中殺はそれほどのストレスを感じずに乗り切れます。しかし相性が悪い場合、あなたの運がさらに深刻になってしまうおそれがあるので注意してください。  人はつきあう相手しだいで運・不運を左右されますから、つきあう相手は慎重に選びましょう。  ただし、人間関係というのは自分と相手だけの相性で決まるのではありません。特に結婚や仕事などでは、「第三者」が介在して二人の関係に大きな影響を与えることになります。  たとえば取引先のAさんはいまひとつ苦手だけれど、そこにBさんが加わると、なぜかいつも話がいい方へ進む、ということがありませんか?  あるいはいまひとつ乗り気でない男性と結婚した場合でも、相手の親と同居したとたん、夫との愛情が深まることもあります。逆に、同居したとたんに破局を迎えるケースもあります。  これはひとえに、よくも悪くも重大な影響を及ぼす「影の人物」の影響です。これから結婚を考えている方なら「相手の親」、大きな仕事を手がけようとしている方なら「取引相手の上司」との相性を、事前にきちんとチェックしておきましょう。  後表「《※》あなたの運命を決める人の天中殺」に、たいせつな人の天中殺を記録しておくといいでしょう。  『《※》子丑天中殺→子丑天中殺』からの「天中殺・相性占い」では、自分の立場から見た相手との関係がわかります。  たとえば、子丑天中殺と寅卯天中殺との相性の場合、子丑天中殺の方は、子丑天中殺↓寅卯天中殺を見てください。  逆に、寅卯天中殺の方が子丑天中殺との相性を見たい場合は、寅卯天中殺↓子丑天中殺を見ます。必ず自分の立場から矢印の向かう相手との相性を見るようにしてください。 ☆子丑天中殺→子丑天中殺  一目会った瞬間に「あ、この人、楽だな」と思える相手です。寅卯天中殺や辰巳天中殺のように視野を広げてくれたり、午未天中殺のように不運をパッと止めてくれる相手ではありませんが、「一緒にいてなんとなくくつろげる」「気持ちが穏やかになる」「本来の自分のペースが取り戻せる」という相性です。恋人ならおしどりカップル、夫婦なら似た者夫婦になるでしょう。  そもそも子丑天中殺は、たとえ表面上はどんなにクールに見えても、相手の困っている姿を見るとほうっておけません。損も得もなく、「困ったときはお互いさま」と、ニッコリ手をさしのべることができます。そんな二人ですから、出会ったとたんに意気投合して穏やかな関係を結ぶことができます。この組み合わせのカップルが結婚すれば、堅実で温かい家庭を築くでしょう。  ただし二人とも「目上運」「父親運」が欠けているため、若いころはなにかと苦労が多くなりがちです。さらに「初代運」という宿命を担っているため、20代、30代はなにかと試行錯誤が多くなるでしょう。これは無から有を生み出すための、大きな試練なのです。しかしいったん軌道に乗れば、がんばり屋の二人だけに、大きな成功が望めます。  職場でも、この組み合わせはまずまずの関係と言っていいでしょう。ツーといえばカーという関係ですから、お互いに楽に仕事が進められるはずです。  タレントでいえば、ダウンタウンの浜ちゃん、松ちゃんの二人が子丑天中殺同士。激しい個性がぶつかり合うお笑いコンビの多い中、この二人が登場するだけで、視聴者はなぜかホッと安心してしまいます。芸能界広しといえども、「自然体」でムリのない笑いをとれるコンビはそう多くありません。二人の肩に余分な力が入っていない分、見るほうもくつろげるのです。  ただし、職場で上下関係にある場合は要注意です。あまりに気が合いすぎるため、「子丑天中殺の部下は子丑天中殺の上司に使われっぱなし」という事態になりやすいのです。  また上司からすれば、身内感覚が強いあまり存在感が薄れ、なかなか部下に出世や昇進のチャンスを与えようという気になりません。  お互いに居心地がいいだけにべったりくっついてしまう可能性がありますが、「過ぎたるは及ばざるがごとし」と心して、部下の子丑天中殺はある程度の距離を置く必要があります。  アフターファイブのお誘いも、毎回つきあっていたのでは疲れます。ときには「仕事に必要な勉強をしたいので」と上手に断り、自分を見つめ直す時間を持つことも必要です。 ☆子丑天中殺→寅卯天中殺  ビジネス面では「大吉」の相性です。周囲の状況をしっかりチェックしながら一歩一歩確実に進んでいく子丑天中殺と、多少大ざっぱではあるけれど度胸も押し出しも強い寅卯天中殺は、一見水と油のような組み合わせ。しかしビジネスの場では、「子丑天中殺が寅卯天中殺に長所を引き出される」相性になります。  どちらかといえば神経質で「こんなことまで言っていいのかな?」と考えがちな子丑天中殺も、寅卯天中殺の前に出ると安心して自分の意見が堂々と言えるようになります。寅卯天中殺は子丑天中殺の緻密な思考回路や気配りを高く評価してくれますから、さらに大きな発展のチャンスを与えてくれるでしょう。 「なぜかツキが回ってきた」「トントン拍子に話が進む」という場合は、周囲に必ず寅卯天中殺がいるはずです。「自分の運を高めてくれる相手」と考えて、たいせつにしてください。  本来、寅卯天中殺は別名「エネルギーの星」と呼ばれ、パワフルな発展の運気を持っています。そういう力を持った上司や同僚、取引先、友人がいるということは、子丑天中殺にとってはとてもありがたいこと。太っ腹な寅卯天中殺の胸を借りて、やりたいことをどんどんやってみましょう。努力したうえでのミスなら、「この次はがんばれよ」と受け流してくれるはず。  ただし、プライベートにまでつきあうと、かなりストレスがたまります。  日ごろ忙しい子丑天中殺ほど、オフの日は一人でのんびり過ごすことを好みます。  ところが「休日くらい静かにのんびり過ごそう」と思っているところに、いきなり「明日はゴルフへ行くぞ!」と電話してくるのが寅卯天中殺なのです。 「引き立ててくれるのはありがたいけれど、四六時中つきあうと息切れしてしまう」のがこの組み合わせ。ナイーブな子丑天中殺にとって、スタミナのかたまりである寅卯天中殺につきあうのは大変なことなのです。  人気番組「さんまのスーパーからくりTV」で活躍中のさんまさんと中村玉緒さんが、この組み合わせです。さんまさんが子丑天中殺、玉緒さんが寅卯天中殺。このコーナーが根強い人気を保っているのは、玉緒さんのダイナミックな個性を生かそうと、さんまさんが一生懸命がんばっているからではないでしょうか。傍目にはさんまさんが元気よく突っ込んでいるように見えますが、実はかなりスタミナを使っているのかもしれません。  恋人や夫婦、親子関係でも同じことが言えます。寅卯天中殺は頼もしいパートナーになりますが、パワフルな迫力で子丑天中殺を引っ張り回してしまうことがあります。  相手のペースに合わせると自分が疲れてしまうので、ほどほどの距離を保ちましょう。 ☆子丑天中殺→辰巳天中殺  北の「目上」「上司」というエネルギーが欠けた子丑天中殺は、「引き立て運」がないため、社会に出てから人並み以上に苦労します。しかし辰巳天中殺を上司に持った場合は例外です。  辰巳天中殺は天上が欠落していますから、いわゆる「世間の常識」にこだわらず、いったん「気に入った!」となると、年功序列などを一切無視して引き立ててくれます。  海外の有名人でいえば、女優のジェニファー・アニストンさんが子丑天中殺、彼女と結婚した映画スターのブラッド・ピットさんが辰巳天中殺です。「世界のブラピ」を射止めた女性として、ジェニファーさんは一気に有名になり、女優として花を咲かせました。「いいものを持っている」と思えばどんどん引き立ててくれる願ってもない相手なのですが、長くつきあえばつきあうほど、実は子丑天中殺の方にストレスがたまりがちです。  ゆっくりマイペースで歩く子丑天中殺に対し、辰巳天中殺は気分のままに忙しく行動するアクティブなタイプ。辰巳天中殺の別名は「破天荒の星」です。ある意味「常識はずれ」の考え方や行動についていくには、子丑天中殺はデリケートすぎるのです。  この組み合わせがいい関係を保てるのは、せいぜい3年くらいまで。それ以上になると、子丑天中殺の方が消耗してしまいます。相手のいい面を吸収したら、あとはほどほどの距離を保つ方が「自分の身のため」になります。  この組み合わせはあまりにも性格が違いすぎるため、恋愛、結婚面でもなかなか一筋縄ではいきません。  親元から離れる宿命を持つ子丑天中殺と、家系からはみ出していく異端児の辰巳天中殺が結びつくと、その宿命が増幅され、「親の恩恵をすべて断ち切って出発しなければならない」運を持つことになります。つまり子丑天中殺が親も財産もすべて捨て、辰巳天中殺のもとへ走るパターンになりやすいのです。無理をして親の財産を受け継ぐと、必ずどこかですべてを失う可能性が出てきます。  逆に言えば、「ゼロからスタートすればうまくいく」ということ。家族とのしがらみをすべて捨て、二人で何もないところから出発する勇気があるなら、この結婚は成功するでしょう。  また、子丑天中殺が辰巳天中殺の子どもを持つと、その子はあなたの思いどおりにはなりません。むしろ「心配の種」になることがあります。「こうしてほしい」とうるさく言い聞かせるほど反対の方向に行ってしまいますし、大きくなれば家から離れて勝手気ままに暮らす可能性も高くなります。「子どもには子どもの人生がある」と割り切って、年ごろになったらある程度突き放す覚悟が必要です。 ☆子丑天中殺→午未天中殺  子丑天中殺のちょうど反対側に位置するのが、午未天中殺です。この組み合わせは算命学のセオリーでいうと「お互いに運をストップさせる」相性。子丑天中殺が午未天中殺の影響を受けると「北も南もない」状態が生じ、運気が停滞してしまうのです。  正反対に位置する星同士なので最初は「いったいどんな人なんだろう?」と好奇心から近づくことになりますが、長く一緒にいる間に「求めるものが違う」と、なにかとすれ違いが多くなります。  とはいうものの、全面的に「相性が悪い」というわけではありません。つきあい方さえまちがえなければ、これほど力強い相手もいないのです。  さきほど「運がストップする」と述べましたが、たとえば仕事でスランプに陥っているとき、金運がダウンしているとき、恋愛がこじれているときなどに午未天中殺とつきあうと、その下がっていく運がその時点で「止まる」ことになります。  たとえば営業の仕事で業績不振が続いているとき、午未天中殺の同僚は「そんなに落ち込むことないよ」「今度がんばればいいじゃない」と慰めてくれます。  相手は運の悪さをストップしてくれるので、子丑天中殺の運はまた徐々に上がり始めます。そして再び絶好のチャンスがめぐってくると、今度は「そんなにがんばらなくてもいいじゃない」「一度トップになるとあとがきついよ」と足を引っ張るのも午未天中殺なのです。  そこで相手の言葉に納得してしまうと、上昇しかけた子丑天中殺の運はストップしてしまいます。子丑天中殺が不遇の時代に出会った恋人、または運の悪いときに限ってきずなの深くなるパートナーというのは、たいてい午未天中殺なのです。  夫婦関係の場合は、お互いに相手の領域に踏み込まないことがコツ。子丑天中殺の中村橋之助さんと午未天中殺の三田寛子さんがこの組み合わせですが、三田さんが常に一歩引いて夫の橋之助さんを見守っているため、いい関係が続いているようです。 ☆子丑天中殺→申酉天中殺  あらゆる角度からものごとを細かく分析しないと気のすまない子丑天中殺にとって、物知りで口の立つ申酉天中殺はとても頼りになる存在です。西のエネルギーが欠落していることによって現実的、社会的行動力が勝った申酉天中殺と一緒にいれば、目標に向かって大きく前進することができます。  ただし、「理論や建前では助けてくれるけれど、現実的には助けにならない」というのが子丑天中殺にとっての申酉天中殺。  子丑天中殺が仕事の相談を持ちかけると「このやり方ならスムーズに行きますよ」とか「あの人に頼めば必ずうまくいくはずです」と喜んでアドバイスしてくれますが、いざ「では、紹介状を書いてください」と言うと、手のひらを返したように冷淡になってしまうのが申酉天中殺なのです。  有名人でいえば、子丑天中殺の小泉純一郎総理と申酉天中殺の田中真紀子外相がこの組み合わせ。テンポのいい田中さんにのせられて大役を任せたはいいものの、いざ蓋を開けてみると意外に自分の足を引っ張る相手だった——というのが、小泉さんの本音ではないでしょうか。  新聞などでは「政界夫婦」とも呼ばれているこのカップルですが、小泉さんは内心「言葉と行動が伴ってくれればいいのになあ」と思っているかもしれません。  算命学では、こういう組み合わせを「無形恩恵」といいます。精神的には相談に乗ってくれるけれど、現実的な役には立たない、という関係です。  そもそも申酉天中殺は「自分のことは自分でするのが当たり前。人の力を借りるなんてとんでもない」という性格です。その性格が、子丑天中殺に対しては特に強く出てくるのです。  仕事の場ではあまり具体的な利益を与えてくれる相手ではありませんが、恋人や夫婦の場合は、二人共通の目的があるとうまくいきます。子丑天中殺の地道な性格に申酉天中殺がうまくメリハリを与え、本来隠し持っている「不屈のパワー」を引き出してくれるからです。  また、なにかと迷いがちな子丑天中殺にタイミングよくズバッと適切なアドバイスを与えてくれるのも申酉天中殺なのです。  ただし、「あれをして、これをして」など、具体的な援助を相手に期待すると逃げられてしまいます。  先輩や先生、塾の講師など、ものを教えてくれる立場の相手が申酉天中殺の場合は大吉です。子丑天中殺のいい面を引き出し、どんどん才能を伸ばしてくれるでしょう。 ☆子丑天中殺→戌亥天中殺  中央が欠落して現実性に欠ける戌亥天中殺は、よくも悪くも「地道」がモットーの子丑天中殺の人生を大きく変化させる存在になります。この組み合わせの場合、「相性がいい」「悪い」とひと言では言い切れない複雑な関係になりますが、基本的には「子丑天中殺が戌亥天中殺を応援しなければならない」という立場になります。 「応援」というのは精神的なことではなく、相手の仕事を手伝ったり、引き立てたり、お金を工面したりするなど、現実的な面での手助けのことです。  夫婦漫才で有名な宮川大助さん、花子さん。奥さんの花子さんが子丑天中殺、ご主人の大助さんが戌亥天中殺です。芸のレベルの高さは数々の賞を受けていることで証明ずみですが、その華やかな舞台の裏には、実は花子さんの並々ならぬ努力があるのではないでしょうか。  友達関係でも、特別義理があるわけではないのについ食事をおごったり、弱みがあるわけではないのにこちらが気をつかったりしてしまう相手がいるものです。それでいて、本心ではその相手に対し、「なぜ自分がここまでしなくてはならないのだろう」と、なんとなく釈然としないものを感じる。この組み合わせは、そういう関係になりやすいのです。  とはいえ、戌亥天中殺だってただ黙って相手の恩恵を受けているわけではありません。申酉天中殺は無形の恩恵を与えてくれる相手でしたが、戌亥天中殺はここ一番!というとき、残業してでも高収入を持ってきたり、がんばって出世したりするなど、しっかり「有形」の恩恵を子丑天中殺に与えてくれます。  二人が一緒にがんばれば金銭面、物質面ではかなり豊かになりますが、「精神的な面ではどうもしっくりいかない」というのがこのカップルなのです。「なにか割り切れないものを抱えながら、それでもなんとか一緒にやっていく」というケースが多くなるでしょう。  ただしビジネス面では、戌亥天中殺はいい意味での「ライバル意識」を刺激してくれます。子丑天中殺特有の「いざというときに甘い」「つい情にほだされる」という欠点を打ち消し、ビジネスに欠かせない「厳しさ」を引き出してくれます。戌亥天中殺と一緒に仕事をすると、「なにくそ!」という不屈の闘志が引き出されますから、一回り大きく成長できるはずです。  戌亥天中殺の親を持った場合は、将来はお小遣いをあげるなど、なにかと親の面倒を見る立場になるでしょう。ただし、あなたが困っているときには「それくらいで悩んでいてどうする! 情けない」とハッパをかけ、元気を取り戻させてくれます。  夫婦にせよ親子にせよ、時間がたつにつれて「なんとなくうっとうしいけれど、なくてはならない存在」になるのが、子丑天中殺と戌亥天中殺の組み合わせなのです。 ☆寅卯天中殺→子丑天中殺  寅卯天中殺が困っているとき、親身になって物質的にも精神的にも助けてくれるのが子丑天中殺です。たとえ血のつながっていない他人であっても、信頼関係ができると有形無形に助けてくれる「親」のような存在になります。細かい部分に気を配るのが苦手な寅卯天中殺にとって、子丑天中殺のサポートやアドバイスは何より得難い宝物になるはずです。  ただし、子丑天中殺は「手も貸すけど口も出す」相手です。窮地を救ってくれたあとで「だいたいあなたは大ざっぱだからこうなるんです」など、くどくどとお説教が始まるのは覚悟しなければなりません。寅卯天中殺にとっては「助けてくれるのはいいけれど、そこまで言われると面白くない」ということになります。  ただし、子丑天中殺の言葉に裏はありません。これが申酉天中殺なら、助けたあとに無言の圧力をかけてくるようになりますが、子丑天中殺は「言うだけ」で終わりです。寅卯天中殺をコントロールしようとか、恩を売ろうなどという気はありません。ですからつきあい方のコツさえ覚えてしまえば、子丑天中殺は最高のパートナーになるのです。  もし親が子丑天中殺なら、ふだんは口うるさくても、いざというときは体を張ってでもあなたを守ってくれるでしょう。  寅卯天中殺が親の場合、子丑天中殺の子どもを頭から押さえつけないように注意しなければなりません。しかるときは、子どもの意見をきちんと聞いてからにしましょう。  この関係は、ビジネスの場でも同じです。子丑天中殺の上司は寅卯天中殺の部下になにかと口を出しますが、別に嫌っているわけではありません。いざというときにはちゃんと引き立ててくれるし、出世のチャンスも与えてくれます。子丑天中殺が部下なら、実務面でとても頼もしい存在になるでしょう。いずれにしても、寅卯天中殺が子丑天中殺への感謝の気持ちを保てば、ベストな関係が築けます。  恋人や夫婦の場合、男性が寅卯天中殺なら、女性を頼もしくリードして、明るい関係を築きます。子丑天中殺の女性から見れば、相手が自分の可能性を引き出してくれるのです。  逆に女性が寅卯天中殺なら、どうしても「かかあ天下」になってしまいます。世界的に有名な作曲家の坂本龍一さんは子丑天中殺、奥様の矢野顕子さんは寅卯天中殺。矢野さんは一見、「やまとなでしこ」のイメージがありますが、実はご家庭ではしっかり主導権を握っていらっしゃるのではないでしょうか。  亭主関白にせよ、かかあ天下にせよ、相手を尊敬する気持ちを持ち続ければ、このカップルは長続きします。 ☆寅卯天中殺→寅卯天中殺  出会ったとたん、「以前どこかで会ったような気がする」と感じる相手です。基本的には損も得もないし、特別なマイナス面というのもない関係です。  ただしお互い大ざっぱで似た者同士だけに、二人でいると「発展が少ない」「ものごとが進まない」になりがち。たとえば「もう何年もつきあっているのに、いっこうに結婚話が出てこない」とか、「二人で共同作業を手がけても、いっこうに進展しない」というのがこの組み合わせなのです。  単独で行動すれば、寅卯天中殺はダイナミックにものごとを推し進めるパワフルな星。ところが同じ星同士が一緒にいると、正反対の結果が生まれてしまうのです。ここが、相性の不思議なところです。  寅卯天中殺は基本的に人見知りしないタイプなので、一目見て「気が合う」と思えば、誰とでもすぐに仲よくなってしまいます。相手が寅卯天中殺ならその傾向はさらに高まり、「会ったその日に意気投合」になりがちです。  けれど、いったん意見が食い違うと「もう顔も見たくない!」と強く反発してしまうのです。特に寅卯天中殺は歯に衣着せぬ言い方をしますから、言い合いを始めたらたいへんです。デリケートな子丑天中殺や戌亥天中殺がそばにいたら、青い顔をしてその場を立ち去ってしまうかもしれません。  ただし、すっきりあと腐れのないのが寅卯天中殺のいいところ。激しいバトルのあとはケロッとした顔で、また二人で飲みに行ったりします。  恋人同士なら、ケンカと仲直りを繰り返す関係になるでしょう。似た者同士だけに、相手の長所も欠点も知り尽くした間柄になります。ただしそれだけに新鮮味と発展性に欠けるため、恋愛からスムーズに結婚に移行するのは難しいかもしれません。  特に寅卯天中殺は親の跡を継ぐ「跡継ぎ運」を持ちますから、いざ結婚となると、「親」の存在は無視できません。両家とも自営業の場合、「どちらが跡を継ぐか」でもめることもあります。このカップルが結婚する場合は、時間をかけて気長に一歩一歩土台固めをしていく覚悟が必要です。  職場では、一緒に動き回るわりには結果が伴わない傾向があります。「あんなにいつも忙しそうにしているのに」と周囲から不思議に思われるのは、寅卯天中殺のペアと思ってまちがいありません。データ分析の得意な子丑天中殺や、まとめ役の午未天中殺をチームに加えるとうまくいきます。 ☆寅卯天中殺→辰巳天中殺  友人、親子、恋人、夫婦、職場の上司、同僚など、どんな関係であれ、とてもいい相性です。「自分の居場所を確保したい」と絶えずパワフルに動き回る寅卯天中殺にとって、型にはまった考えをしない辰巳天中殺はとても居心地のいい相手。しかも物知りですから、寅卯天中殺が知らないことを何でも教えてくれますし、迷ったときは適切なアドバイスも与えてくれます。  辰巳天中殺がそばにいると寅卯天中殺は勇気づけられ、どんな大胆な挑戦でも可能になります。その意味で、辰巳天中殺は「寅卯天中殺の視野を広げ、人生の可能性を示してくれる相手」と考えていいでしょう。  恋人同士なら、会話がポンポンはずむ楽しいカップルになります。たとえふだんはお互いに憎まれ口をたたいていても、いざというときは手に手を取って苦労を乗り越える、ベストカップルになるでしょう。またアクティブな二人ですから、休日はツーリングに出かけたり野外でバーベキューを楽しむなど、楽しい日々を過ごせるはずです。  ただし、一つだけ注意しておきたいことがあります。天上の「心」というエネルギーが欠落した辰巳天中殺は運の振幅が激しく、気持ちが不安定になることがあります。その波の荒さに、寅卯天中殺が振り回されてしまうことが少なくないのです。  有名人でいえば、俳優の石坂浩二さんと女優の浅丘ルリ子さんがこの組み合わせ。残念ながら2000年末、29年間の結婚生活に終止符を打ってしまいました。  傍目にはきずなの深い二人に見えましたが、辰巳天中殺の石坂さんから離婚話を切り出したそうです。寅卯天中殺の浅丘さんは思わず「なにもいまさら離婚しなくても」と言ったそうですが、結局石坂さんの主張に同意しました。  寅卯天中殺の女性は失敗からも何かをつかむ運を持っていますが、2000年の辰年は、石坂さんにとって天中殺でした。  離婚会見からすぐに年若い女性と再婚したそうですが、その結果ははたしてどう出るでしょうか? ☆寅卯天中殺→午未天中殺  この組み合わせは「長いつきあいになる」と思ってください。もともと寅卯天中殺は「来る者は拒まず、去る者は追わず」がモットーです。男性でも女性でも人間関係に関しては「太っ腹」なところがあるので、一度知り合って気心がわかると、ずっと長続きする傾向があります。  職場の上司や取引先、先生など、自分の目上が午未天中殺の場合、自分のいい面を「末永く」引き出してもらうことになります。 「出会った最初から自分の味方についてくれて、ゆっくり着実に出世させてくれる相手」というのは、たいてい午未天中殺と考えてまちがいありません。そもそも午未天中殺は「リーダーシップの星」と呼ばれ、相手の長所を引き出す術にたけているのです。  気分にムラのある辰巳天中殺のように「急に引き立てたり引き立てなくなったり」という波がなく、いつも一定のペースでゆっくり確実に引き立ててくれますから、寅卯天中殺にとってはとてもありがたい相手です。ただし、せっかちな寅卯天中殺にとって、慎重な午未天中殺は時として「のんびり屋」に見えることがあります。しかし、短気は禁物。じっくり長期的な視野でつきあえば、確実にこちらの運気を上げてくれます。  ビジネス面ではかなりメリットのある相手ですが、恋人、夫婦となると少し問題が出てきます。何事もスピーディーに立ち回る寅卯天中殺が、何事もじっくりマイペース型の午未天中殺にストレスを感じてしまうことが少なくないのです。  寅卯天中殺の松田聖子さんと、午未天中殺の神田正輝さんのカップルがそうでした。「今よりもっともっと幸せになりたい」と目を輝かせる聖子さんに、「今の生活のどこがいけないの?」とのんびりかまえる神田さん。「動き回らずにはいられない」性《さが》を持つ聖子さんに日々ストレスや不満がたまっていったのは、想像にかたくありません。  しかし、この組み合わせは決して「相性が悪い」というわけではありません。お互いにそれぞれ「自分の世界」を持ち、相手の領域に踏み込まない努力をすれば、とてもいい家庭を築くことができます。  寅卯天中殺の渡辺徹さんと午未天中殺の榊原郁恵さんのご夫婦が、ちょうどのこの組み合わせ。お互いに忙しくてあまり一緒にいる時間がないのが、かえってよい結果を生んでいるのではないでしょうか。傍で見ていても、安心できるカップルです。  このペアは金銭など物質的なものを相手に求めるより、お互いに精神面を高め合うようにするとうまくいきます。休日には図書館で本を読んだり美術館に行って教養を高めたり、あるいはボランティア活動に携わったりするのもおすすめです。 ☆寅卯天中殺→申酉天中殺  寅卯天中殺が「この世の終わり」というくらい落ち込んでいるとき、最も頼りになるのが申酉天中殺です。なぜなら、申酉天中殺は寅卯天中殺の不運をその場で止めてくれるからです。  しかもこの組み合わせの場合、その止め方がものすごく激しいのが特徴です。子丑天中殺が午未天中殺に「ゆるゆる」と止めてもらうのとはレベルが違い、止めるとなったらその場でバーン!と勢いよく止めてしまうのです。グレーゾーンを飛び越えて、いきなり「白か黒か」の決着をつけてくれるというわけです。 「こんなに努力しているのに、いつまでたっても状況がよくならない」とか「人間関係でトラブルが起きている」というとき、「どうしよう?」と相談に行けば一発で片をつけてくれる頼もしい相手です。しかし、こわいのはそのあとです。  助けてもらった代償として、寅卯天中殺は申酉天中殺の支配を受けることになってしまうのです。表立って「恩を着せられる」というわけではないのですが、無言の圧力で知らず知らずのうちに申酉天中殺の手伝いをさせられ、寅卯天中殺がいやと言えずにしぶしぶつきあうパターンになってしまうのです。ですから相談する前に、本当に申酉天中殺に助けを求めていいのかどうか、よく考えることをおすすめします。  恋愛関係なら、最初のうちはお互いにないものを持っているため新鮮な関係が続きますが、そのうちになんとなく違和感を覚え、お互いに不満が多くなってしまいそうです。あまりべったり一緒にいるより、少し距離を置いてつきあいたい相手です。   夫婦関係なら、申酉天中殺の方が主導権を握るようになるでしょう。たとえば申酉天中殺の妻は、寅卯天中殺の夫の不始末をパッとその場で解決してくれます。しかし、夫はその後ずっと妻の尻に敷かれることを覚悟しなければなりません。いやいやながらも、なぜか妻の圧力に屈してしまうのがこのカップルの特徴なのです。  親子関係でもなにかとストレスが生じがちです。申酉天中殺の親から干渉されると寅卯天中殺の子どもはのびのびできませんし、逆に子どもが申酉天中殺の場合、寅卯天中殺の親の存在がうっとうしくなるでしょう。  寅卯天中殺の松田聖子さんと、申酉天中殺の長女・SAYAKAさんがこの組み合わせです。現在、聖子さんは娘さんの名サポーター役としていい関係を保っていらっしゃるようですが、もともとSAYAKAさんは人一倍デリケートでナイーブな心の持ち主。  寅卯天中殺の親は時として、愛情から出たきついひと言で子どもの心を傷つけてしまうことがあるので、言葉には気をつけなければなりません。 ☆寅卯天中殺→戌亥天中殺  寅卯天中殺の人生にバン、バンと大きなチャンスを与えてくれるのが戌亥天中殺です。特に中央の「現実的な行為」というエネルギーが欠落した戌亥天中殺が上司や上役の場合、「一気に天まで引き上げてくれる」のも不可能ではありません。  同じ引き立ててくれるにしても、午未天中殺は「ゆっくり、少しずつ」でしたが、戌亥天中殺の場合は「嵐のように集中的に」持ち上げてくれます。その意味で、せっかちな寅卯天中殺にとって戌亥天中殺はとてもありがたい相手です。  ただし、このペアは「関係が長続きしない」という特徴があります。3年、5年と集中的に面倒を見てはくれるけれど、あるとき、その関係がフッと切れてしまうのです。  有名人でいえば、寅卯天中殺のTUBEの前田亘輝さんと、戌亥天中殺の飯島直子さんがこの組み合わせ。97年に結婚しましたが、残念ながら3年弱で離婚してしまいました。離婚の原因は、「一緒に暮らしているうちに価値観がずれてきたため」といわれます。この組み合わせの場合、戌亥天中殺は「じっくり尽くすほど裏目に出る」、寅卯天中殺は「いつも一緒にいるとストレスがたまる」という作用が働いてしまうのです。  歌手の山下久美子さんと、ギタリストの布袋寅泰さんもこの組み合わせでした。「行動しながら考える」寅卯天中殺の山下さんと、「言葉を張りめぐらせて考える」戌亥天中殺の布袋さんとでは、価値観が違いすぎたのかもしれません。  離婚してすぐに、布袋さんは歌手の今井美樹さんと再婚しました。午未天中殺の今井さんにとって戌亥天中殺の布袋さんは、「長い時間をかけて自分の格を高めてくれる相手」。じっくり長続きする関係になりそうです。  一般的には、戌亥天中殺と寅卯天中殺が恋をすると、人がうらやむほどの熱烈なロマンスが芽生えます。しかし、その関係はある瞬間でパッととぎれることになりやすいのです。ただしこの組み合わせの夫婦の場合、「離婚」という形を取らずに「一時的な別居」という形にとどめておけば、復活するチャンスは十分にあることを覚えておいてください。  またこのカップルが一緒になると、お互いの天中殺が作用し合う結果、戌亥天中殺の方に 「運気の逆転現象」が起こります。つまりよくも悪くも、それまで歩いてきた人生とはまったく別の道を歩くことになるのです。  たとえば非常に裕福な家庭に育った戌亥天中殺は、寅卯天中殺との結婚を機に庶民的な暮らしに変化していきますし、それまであまりお金に恵まれていなかったなら、結婚と同時にお金持ちになるというわけです。 ☆辰巳天中殺→子丑天中殺  どんな位置関係であれ、辰巳天中殺は子丑天中殺から慕われ、頼りにされます。それはいうなれば「親分と子分」のような関係。北の「父親運」「目上運」が欠落した子丑天中殺は、現実社会に強い辰巳天中殺を慕い、何も言われなくても辰巳天中殺の役に立とうとするのです。  職場の同僚や部下、学校の仲間、ご近所など、なにかというと寄ってきて相談を持ちかけたり、大した用もないのに呼び止めたりするのはたいてい子丑天中殺です。辰巳天中殺は「子丑天中殺から好かれる」という宿命を持っているのです。基本的に辰巳天中殺の運が伸びるのを助けてくれる相手ですから、大事におつきあいしましょう。  辰巳天中殺が上の立場にいる場合、目下の子丑天中殺は目上が働きやすい環境をつくってくれます。つまり、言われなくても書類や資料をそろえてくれたり、スケジュールを確認してくれたり、経費の精算などもかわりにやって、辰巳天中殺が一歩「前進」するのを助けてくれるのです。その意味で、子丑天中殺は「運のアクセル」の役割を担ってくれる、と言ってもいいでしょう。  ですから部下や秘書、あるいは後輩が子丑天中殺の場合、辰巳天中殺は仕事がとても楽になります。相手のいいところをきちんとほめ、能力を引き出してやれば、やがて「右腕」のような頼もしい存在になってくれるでしょう。  逆に、辰巳天中殺が部下の場合はどうでしょう。この場合も、子丑天中殺の上司は辰巳天中殺の部下になにかと頼ってきます。あるいは親なら子どもに頼ろうとする、つまり老後の面倒を見てもらいたがる可能性が高くなります。少々重荷に感じるかもしれませんが、基本的な相性としては悪くありません。  職場関係、親子関係、友人関係では悪くない相性ですが、恋人、夫婦の場合はやや運命的な波乱が出てきます。  子丑天中殺のパートナーは辰巳天中殺の「アクセル役」になりますから、運が落ちているときに出会うとうまく持ち上げてくれますが、運のいいときに出会うと、運が「暴走」してしまう危険があるのです。つまり、辰巳天中殺が本来持っている波乱運に火をつけてしまうのが、子丑天中殺の異性というわけです。ですから、この二人が出会う時期はとてもたいせつです。辰巳天中殺の運が「いまひとつ」のときはいいのですが、「絶好調」のときに出会ってしまうと、その後の関係がなにかと波乱含みになるおそれがあります。  夫婦関係では、辰巳天中殺が夫なら亭主関白になりますが、逆に妻が辰巳天中殺なら、「私がしっかりしなきゃ、誰がしっかりするの?」と気丈な性格になるでしょう。 ☆辰巳天中殺→寅卯天中殺  辰巳天中殺の運を大きく引き上げてくれる相手です。特に仕事の面では大吉。  天上の「常識」というエネルギーが欠落した辰巳天中殺は、いわば「集団のはみ出し者」。いささか「変わり者」が多く、組織の中では浮いてしまう面があります。  ところが寅卯天中殺は「少々変わっていても気にしない、実力さえあればいい」と割り切るタイプ。もし上司が寅卯天中殺なら、辰巳天中殺の型破りな個性を高く評価してくれるでしょう。つまり、理解者の少ない辰巳天中殺にとって、寅卯天中殺は「強い味方」になってくれるというわけです。どっしり大きなエネルギーを持つ寅卯天中殺のもとにいると、辰巳天中殺の無鉄砲さは徐々に抑えられ、柔軟性が生まれてきます。ものごとを多角的に見られるようになるので、ミスが少なくなり、その結果成績がグングン上がっていきます。  これは相手が上司だけに限らず、同僚や部下、得意先でも同じことです。寅卯天中殺とかかわると、自分でもびっくりするほど仕事のツキが高まるでしょう。  ただし、ここで一つだけ注意したいことがあります。それは、「辰巳天中殺は寅卯天中殺のペースに乗せられやすい」ということ。寅卯天中殺は辰巳天中殺の言うことを何でも受け入れ、力になってくれますが、気がつくと「相手の手中に収まっている」ということになりやすいのです。  つまり、運を「誘導」されてしまうのです。運のいい寅卯天中殺なら「長いものには巻かれろ」ですが、逆に落ち目の寅卯天中殺に誘導されてしまうとたいへんです。つきあい始める前に、辰巳天中殺はそのあたりの見極めをしておかなければなりません。  もう一つの特徴として、「辰巳天中殺の男性は寅卯天中殺の女性の誘惑に乗りやすい」があげられます。特に仕事がらみの場で出会うと、辰巳天中殺の男性は知らず知らずのうちに寅卯天中殺の女性のペースに乗せられ、「社内恋愛」や「職場結婚」をするケースが多いのです。  寅卯天中殺の松本伊代さんと、辰巳天中殺のヒロミさんがこの組み合わせ。一見プレイボーイに見えるヒロミさんですが、毎年お正月には家族をハワイに連れていくなど、とても家庭を大事にしていらっしゃるようです。その秘密は、奥様の伊代さんが寅卯天中殺だから。この組み合わせの場合、主導権は寅卯天中殺が握ることが多いのです。  ただし、辰巳天中殺の夫はあれこれ指図する寅卯天中殺の妻に対し、「うるさいなあ、もっと自由にやらせてほしいのに」と、ときにはストレスがたまるかもしれません。  親子なら、友達のように楽しい関係がつくれます。ただし、寅卯天中殺が親の場合は、自分の意見を子どもに無理強いしないよう気をつけてください。 ☆辰巳天中殺→辰巳天中殺  同じ天中殺同士はお互いに同じ波長を持っているため、時間をかけなくてもツーカーの関係になれます。辰巳天中殺同士の相性も例外ではありません。出会った瞬間にウマが合い、会話が盛り上がるでしょう。辰巳天中殺の友人や知り合いは、人生を楽しくふくらませてくれます。  ただし、これがビジネスパートナーや夫婦となると、話は変わってきます。  辰巳天中殺は「理屈」や「理論」のエネルギーを持つ天上が欠落していますから、この二人が強い結びつきを持つと、運のアップダウンが激しくなってしまうのです。つまり運がいいときは天に昇るほどの勢いがあるけれど、悪くなると地の底まで落ちてしまいかねない、ということです。特にビジネスでは、「一か八かの関係」と言ってもいいでしょう。逆に言うと、一発大逆転をねらうなら、辰巳天中殺は自分と同じ星のパートナーを探せばいいわけです。 「悲劇のプリンセス」といわれるイギリスの故ダイアナ元皇太子妃と、チャールズ皇太子が実はこの組み合わせでした。チャールズ皇太子と結婚し、王室に入ったことでダイアナさんの地位は一気に上がりました。しかしその後、周囲との確執がマスコミに取り上げられたり、ストレスによる拒食症で病院に通うなど、運気は激しいアップダウンに満ちてしまいました。  辰巳天中殺はお互いに激しい気質の持ち主ですから、「自分はこうしたい」「いや、自分はこうしたい」と意見がぶつかり合うことは避けられません。子丑天中殺同士ならお互いに相手を思いやり、穏やかで安定した関係を結べますが、辰巳天中殺はまったくその逆で、運命的な波乱が多くなるのです。  それは恋人や夫婦関係に限らず、ビジネスでも同じです。  辰巳天中殺同士の組み合わせには「中庸」という概念がありません。どうしてもオール・オア・ナッシングの関係になりやすく、お互いの努力なしにはその関係が長続きしない傾向があります。「お互いに気持ちが向かい合っているときはいいけれど、そうでないときは犬猿の仲」というのは、たいてい辰巳天中殺同士です。  ただし夫婦の場合は、子どもの数が多ければ多いほど運気が安定していきます。つまり、第三者が介入することによって、運が「中和」されていくのです。  親子の場合はことあるごとに意見が対立し、よく言えば「それぞれの個性が強い」、悪く言えば「バラバラ」の家族になりそうです。しかしこの組み合わせの場合、無理して「家族なんだから一つにまとまろう」などと考える必要はありません。「辰巳天中殺は自由に行動してこそ長所が生きる」と考え、子どもの自由をある程度尊重してやりましょう。上から押さえつけるのではなく、同じ視点に立って話をするといい関係が築けます。 ☆辰巳天中殺→午未天中殺  辰巳天中殺にとって、午未天中殺は「なくてはならない人間関係の一つ」と言っていいでしょう。午未天中殺は、辰巳天中殺の「人生の揺れ」を抑えてくれる相手なのです。  もともと辰巳天中殺は人と違った個性や才能を持った星ですが、人生の起伏が激しくなりすぎる面があります。いいときはとことんいいけれど、悪いときはものすごく悪い。まるでジェットコースターのようにスリリングな人生ですが、その波に歯止めをかけ、「安定」を与えてくれるのが午未天中殺なのです。  ここで一つ覚えておきたいのは、違う世界にいる人、または異性の方が、「歯止め効果」が大きいということです。たとえば営業職の辰巳天中殺の男性なら、同じ営業職の午未天中殺の男性より、事務職の午未天中殺の女性の影響をより強く受ける、ということです。ここが、天中殺の相性の不思議なところです。  さて、午未天中殺は辰巳天中殺のよき批判者であり、子どもっぽい性格を矯正してくれます。そもそも午未天中殺は「リーダーシップの星」と呼ばれ、人を育てるのがとても上手な星。大事な局面では情に流されずドライになれますし、ときには冷静な判断力で相手に鋭い批判を投げかけることもあります。いつまでも大人になりきれない「やんちゃ坊主」のような辰巳天中殺に対しても、容赦なく厳しい批判を浴びせるでしょう。それによって辰巳天中殺は自分の未熟さを反省し、徐々に社会での順応性を身につけるようになるのです。  いわば、午未天中殺は「激しく燃え上がる炎をコントロールしてくれる存在」。暴走をコントロールしてくれるがゆえに、辰巳天中殺の運気は穏やかに安定するのです。ここで、あなたの周囲を見回してみましょう。親や兄弟、職場の上司、同僚、恋人、妻や夫の中に午未天中殺がいるなら、その人はあなたにとっての「ラッキーパーソン」と考えていいでしょう。  恋人や夫婦関係では、どっしり安定感のある午未天中殺が辰巳天中殺をリードして、落ち着いた家庭を作ることになります。「天才」と呼ばれる野球選手のイチローさんと、元TBSアナウンサーの福島弓子さんがこの組み合わせ。きっと家の中では、午未天中殺のイチローさんが、辰巳天中殺の福島さんを頼もしくリードしているに違いありません。  午未天中殺が夫なら「亭主関白」、辰巳天中殺が夫なら「かかあ天下」に徹すれば、このカップルはいつまでも円満です。  親子関係では、親が午未天中殺なら大吉。必要以上に甘やかさないので、自立心旺盛でしっかりした子に育つでしょう。逆に親が辰巳天中殺なら、子どもの自由を尊重するため、のびのび素直な性格に育ちます。 ☆辰巳天中殺→申酉天中殺  辰巳天中殺も申酉天中殺もお互いにかなり強いパワーを持っていますから、ちょっと考えると「一触即発」の危ない関係、と思いがちです。実際、二人が一緒にいるとしょっちゅう激しい口論をしたり、競争心をむき出しにしたりすることがあります。それは、そばにいる子丑天中殺や戌亥天中殺が心配するほどの迫力です。  しかし、実際は本当に仲が悪いわけではありません。会えばケンカになるけれど、会わなければ会わないで「何をしているんだろう?」とそわそわ気になるのがこの組み合わせなのです。  つまり、辰巳天中殺にとって申酉天中殺は誰よりも気になる「戦友」、あるいは天性の「よきライバル」と言ってもいいでしょう。  また、論理より直感や感情で突っ走る辰巳天中殺にとって、現実を優先させる申酉天中殺の意見はなによりの宝になります。申酉天中殺の厳しいひと言が、あとになってじわじわ効いてくることも少なくないでしょう。   ですから職場の上司、同僚、部下、得意先はもちろん、友人や恋人、夫婦としても、この相性は最高と言えます。  歌手の小泉今日子さんは辰巳天中殺、夫の永瀬正敏さんは申酉天中殺です。ときには激しく意見を戦わせることもあるでしょうが、小泉さんにとって永瀬さんは、自分の感性を刺激してくれるよきライバルであり、よきアドバイザーであるはず。  このご夫婦は世間の常識などかまわず、二人独自の世界をたいせつにしているはずです。  一般的にはこの組み合わせは恋人や夫婦関係では多少「甘さ」に欠けるものの、時間がたつにつれて強いきずなで結ばれていくため、将来的には安定した関係を築くことができます。 「家系からはみ出していく運」を持つ辰巳天中殺も、申酉天中殺と一緒にいることで徐々に運気が穏やかになり、自分の家族を何よりもたいせつにするようになるでしょう。 ☆辰巳天中殺→戌亥天中殺  天上のエネルギーが欠けた辰巳天中殺に中央のエネルギーが欠けた戌亥天中殺。両者は正反対に位置しますから、算命学では「お互いに運を止める相性」と考えます。  行動派の辰巳天中殺に思索派の戌亥天中殺ではなにかとテンポが合わず、一緒に行動しようとすると、お互いにストレスがたまってしまいます。特に何事も自由気ままにその場の気分で行動したい辰巳天中殺にとって、何かあるとすぐ考え込む戌亥天中殺は「足かせ」のような存在に映るでしょう。つまり、「伸びよう」「発展しよう」という運をストップさせられてしまうのです。もちろん、相手に悪気があるわけではありません。これも天から与えられた「相性の宿命」と考えてください。  算命学では、「相性のよくない相手こそ自分を成長させてくれる」と考えます。「あの人とは相性が悪いからいっさいつきあわないことにしよう」と人間関係を自ら狭めていては、人はいつまでたっても成長できません。むしろ「あの人は自分にない長所がある。それを学んでみよう」と積極的に学ぶことで、自分の幅がより豊かに広がるのです。  さらに算命学では、「悪い相性もつきあい方しだいで自分の宝になる」と考えます。  戌亥天中殺は辰巳天中殺の発展をストップさせると同時に、不運も止めてくれます。ですから運のいいときは距離を置き、落ち込んだら近づいて力になってもらえばいいのです。これは決して「打算」ではありません。古来、算命学に伝わる「人間関係の極意」なのです。  困ったときはお互いさま。戌亥天中殺だって、困ったときは辰巳天中殺に不運を止めてもらっているのです。人間関係とは、実は運の貸し借りで成り立っているのです。  戌亥天中殺のところに相談に行くと、とても親身に話を聞いてくれます。ただし、相手に具体的な助けを期待してはいけません。  たとえばお金に困っているとき、寅卯天中殺なら「しかたないなあ、あるときに返してくれればいいから」と気前よくお金を貸してくれるでしょうし、申酉天中殺なら「こういう割のいいバイトがあるよ」と、条件のいいところを教えてくれるでしょう。  しかし戌亥天中殺は、「心配するな。実は自分にもそういう時期があった」とじっくり慰めてくれます。つまり物質的な面ではなく、精神的な面で支えになってくれるのです。懐は温かくしてくれないけれど、心を温かくしてくれるわけです。  辰巳天中殺と戌亥天中殺が恋愛をすると、結婚までの道のりがかなり長くなります。このカップルの場合、お互いをじっくり理解するための「長い助走」が必要です。「時間をかけた方がきずなが強くなる」と考え、ゆっくり愛情を深めてください。 ☆午未天中殺→子丑天中殺  午未天中殺の正反対の位置にある子丑天中殺は、午未天中殺の「これから伸びよう」という運を止めてしまう半面、不運のときには「それ以上悪くならないようにする」という役目を担ってくれます。ですから午未天中殺が病気になったとき、子丑天中殺の医者のもとへ行くと病気が「ストップ」して、不思議に治りが早くなるのです。なぜなら、その医者には相手の「不運を止める」パワーが備わっているからです。  同じような意味で、子丑天中殺の弁護士も午未天中殺の危機を救ってくれます。  これが辰巳天中殺や申酉天中殺だとどうでしょう。運をどんどん発展させてくれる相手だけに、病気がいつまでも治らなかったり、あるいは訴訟問題が発展したりして、かえって悪化してしまう場合もあるのです。  算命学では「医者と弁護士は、正反対の天中殺に頼むとよい」と考えます。一般的に「発展的な相性ではない」といわれる正反対の位置の相手でも、時と場合によっては強い味方になる場合があるのです。これは午未天中殺と子丑天中殺のケースに限らず、寅卯天中殺と申酉天中殺、辰巳天中殺と戌亥天中殺の場合にも共通です。  ただしここで気をつけたいのは、「中途半端に相手を利用してはならない」ということ。午未天中殺が子丑天中殺に泣きつけば、子丑天中殺は親身になって話を聞き、最善の方法で助けてくれます。その結果、今までの不運がウソのようにピタッと止まります。  しかし、そこで午未天中殺がせっかちに「もういいよ、さようなら」と子丑天中殺のもとから去るとどうなるでしょう。まだ不運が抜けきらないうちに自分の力を過信して、きちんと感謝もせずにせっかくの子丑天中殺のパワーを中途半端に断ち切ると、「不運の逆流現象」が起こってしまいます。つまり波のせき止め方が不十分なために、前にも増して大きな波に襲われるということです。ここが、人間関係の難しいところなのです。  午未天中殺と子丑天中殺がカップルになると、子丑天中殺はとてもよく尽くしてくれます。ところがいったん幸運の波に乗りかけると、二人はなんとなくちぐはぐな関係になりやすいのです。特に午未天中殺が男性なら、子丑天中殺の女性を邪険に扱ってはいけません。何があっても、最後まで敬意を払ってください。  職場関係では、上司が子丑天中殺の場合はあまり大きな発展は望めませんが、午未天中殺が上司の場合、部下に実務を任せたり、新人を育てさせるとよい結果が得られます。  別の世界に住んでいる友人なら、可もなく不可もなく。お互いに個性が異なるので、感性を刺激されるでしょう。 ☆午未天中殺→寅卯天中殺  午未天中殺は外見がどうであれ、神経が繊細でナイーブです。意外に細かいことを気にする面があり、対人関係ではストレスがたまることも多いのですが、相手が寅卯天中殺の場合は別。少々のことでは動じない寅卯天中殺の太っ腹ぶりに安心して、ほっと気を許すことができるのです。ですから上司や取引先、姑など、目上が寅卯天中殺なら、午未天中殺は気が楽ですし、穏やかないい関係を築くことができます。  ただし、寅卯天中殺はおおらかな半面、「ざる」のようなところがあります。たとえば午未天中殺が「絶対に守ってくださいね」と念を押したことでも、土壇場になると「あ、ごめん! 忘れてた!」ということが少なくありません。悪気はないのですが、寅卯天中殺は「細かいこと」が苦手なのです。逆に午未天中殺は細かいことをきちんとやらないと気のすまない「凝り性の星」ですから、そんな寅卯天中殺にイライラしてしまいます。  とはいえ、職場で寅卯天中殺が上司ならラッキーです。なぜなら、相手は午未天中殺の部下をぐいぐい引っ張り上げてくれるからです。気配り上手でデータ処理も確実な午未天中殺は、寅卯天中殺にとってなくてはならない存在なのです。人より早く出世したいなら、多少のストレスはガマンしても、寅卯天中殺についていくべきです。  恋愛、結婚の場合は「周囲の反対にあいやすい」という作用が起こります。「子ども運」という南のエネルギーが欠落した午未天中殺と、「跡継ぎ運」を持つ寅卯天中殺とでは、なにかと運命が反発しやすいのです。  歌手の華原朋美さんは午未天中殺、プロデューサーの小室哲哉さんは寅卯天中殺。一時期はあこがれのカップルとして話題を呼びましたが、残念ながら別れてしまいました。華原さんの言うことを何でも「はいはい」と聞いてくれるけれど、いざというときは大ざっぱでツメの甘い寅卯天中殺の小室さんに、たぶん華原さんのほうが疲れてしまったのではないでしょうか。  ただし一般的にこの組み合わせは、二人で力を合わせ、周囲の反対を押し切って結婚した場合、きずながとても強くなります。 ☆午未天中殺→辰巳天中殺  午未天中殺の能力をスムーズに引き出し、瞬時に運を上げてくれるのが辰巳天中殺です。午未天中殺にはとても「ありがたい存在」と言っていいでしょう。  たとえばほかの天中殺なら「1、2週間待って」と言われるような難しい交渉事でも、相手が辰巳天中殺ならその場でパパッと話がまとまりますし、あとでトラブルを起こすこともありません。辰巳天中殺の取引先や上司は、理想より実績を重視しますから、合理的に動いてきちんと結果を出す午未天中殺を高く評価してくれます。また、辰巳天中殺と一緒に仕事をすると視野が広がり、考え方に幅と奥行きが出てくるため、仕事運が尻上がりにどんどんよくなっていくのです。  ただしつきあいが長くなると、お互いに相手の手のうちが読めてしまい、やりにくくなることもあります。対等な立場の同僚なら「気心の知れた仲」になりますが、上下関係、または得意先の上司の場合、隠し事をしてもすぐに見抜かれてしまうため、建前が通用しなくなるケースが多いのです。  また、この組み合わせの人間関係は「瞬間的にくっつくものの、長続きしない」という特徴があります。目先の仕事を手がけるには最高の組み合わせなのですが、転勤や異動などがきっかけで疎遠になってしまうことが多いため、10年、15年先の長期プロジェクトを組むには向きません。  友人関係なら、辰巳天中殺は会うたびに新しい情報や知識を提供してくれるでしょう。この友人とはいつもべったりつきあうより、「たまに会う」程度にとどめておいた方が長続きしますし、新鮮です。また趣味や習い事の先輩や先生、コーチが辰巳天中殺なら、午未天中殺のいい面をどんどん引き出して、あっという間に上達させてくれるでしょう。特にテニスやゴルフなど、スポーツ系なら大吉の相性です。  辰巳天中殺が恋人になった場合、出会った瞬間に恋の炎がめらめらと燃え上がりそうです。特に午未天中殺がなんらかの「窮地」に陥っている場合、辰巳天中殺は快く協力してくれます。二人で手に手を取って歩いていけるカップルですから、恋愛からそのまま結婚へ移行することも少なくありません。  しかし、結婚後は午未天中殺にストレスがたまる傾向があります。辰巳天中殺の衝動的なところに振り回され、デリケートな午未天中殺が精神的に疲れてしまうのです。特に辰巳天中殺の浮気や転職をきっかけに危機が訪れやすいので、気をつけなければなりません。午未天中殺の妻は専業主婦で家の中に閉じこもるより、仕事を持った方がいいでしょう。 ☆午未天中殺→午未天中殺  どの天中殺にも言えることですが、同じ天中殺同士の相性はひと言で言うと「可もなく不可もなく」。つまり大きな発展もないかわりに大きなトラブルも起こりにくいため、「長く続く」という特徴があります。  特に午未天中殺同士の場合、本来「静かな星」という特徴を持っているため、「地味で堅実な関係がずっと続く」ことになります。お互いに思索派で、現実より理想を重視する傾向がありますから、どうしても現実的な面での前進は少なくなります。しかしその分、精神的に高め合うことができます。つまり、「心の友」になれるのです。  たとえ仕事仲間でも、二人が一緒にいるとお金や物の話より精神世界の話になるでしょう。「もっと利益を出すにはこんな方法がある」と話し合うところが、いつの間にか「このプロジェクトにはこんな社会的価値を持たせよう」と熱っぽく語り合っているのがこの組み合わせ。つまりこのペアは現世的な利益を追うより、精神的な意味合いを重視する傾向があるのです。  ですから午未天中殺の上役や部下、得意先と会議や打ち合わせをすると、どうしても損得の計算より理想を追い求める「机上の空論」になりがちです。そこに現実的な行動力のある申酉天中殺や寅卯天中殺が加われば、困難な「船出」も可能になるでしょう。  ただし、学問の研究、開発に携わる師弟関係の場合は、この組み合わせは非常にすばらしい成果を上げるでしょう。どちらも凝り性で対象にじっくり取り組むタイプですし、理論を戦わせたらこのペアに勝る組み合わせはありません。二人で新しい発見やアイディアを次々に生み出し、世間から注目されるようになる可能性があります。  友人としても、とてもいい関係が築けます。音楽や映画など共通の趣味を持っている場合、何時間でも語り合って親交を深めるでしょう。時間がたつにつれ、お互いになくてはならない存在になります。しっかり者ではあるけれど、どちらかというと地味な性格の午未天中殺同士が恋人になると、「男と女」というより、さっぱりしたフランクな関係になりそうです。一緒にいるだけで楽しい、友達のようなカップルになるでしょう。  結婚して夫婦になると、家事や育児をきちんと分担し合う「対等な関係」になります。一見理想的に見えますが、実は一つの会社に社長が二人いるようなもの。いったんケンカが始まるとお互いに主張し合うため、なかなか収拾がつきません。  またマイホーム購入や子どもの学校を選ぶときなど、二人で理想論ばかり追いかけて、なかなか具体的に話が進展しない傾向があります。そんなときは寅卯天中殺の親戚や辰巳天中殺の友人にアドバイスを求めると、話がスムーズにまとまります。 ☆午未天中殺→申酉天中殺  申酉天中殺を部下に持てば、午未天中殺はこわいものなしの勢いで出世することができるでしょう。もともと午未天中殺は「知恵」「思索」の星、申酉天中殺は「行動」「前進」の星。午未天中殺の発想やアイディアを最も合理的なやり方で実行に移してくれるのが申酉天中殺なのです。もともと申酉天中殺は、寅卯天中殺に次ぐパワフルな星。午未天中殺が10働くとしたら、申酉天中殺は20働くことができます。つまり、本気を出せば「不可能が可能になる」と言っていいほどのすばらしい働きをしてくれるのです。  いったん味方につければ自分の手足となってバリバリ働いてくれますから、午未天中殺は申酉天中殺に感謝し、たいせつにしなければなりません。  しかし、神経の細かい午未天中殺は、時として申酉天中殺に妙なライバル意識を持つことがあります。「本心からそう言っているのだろうか」「いつか追い抜かされるのではないか」と疑心暗鬼になると、せっかくの信頼関係が台無しになってしまいます。  申酉天中殺はもともと目上に対してとても礼儀正しいタイプです。人間関係では筋を通すタイプなので、「上司を出し抜こう」などと大それた考えは持ちません。午未天中殺はどっしりおおらかにかまえて、お互いの信頼関係を深める努力をしてください。  さて、恋愛、結婚の場合はどうでしょうか。  午未天中殺はじっくりものを考えるタイプ、申酉天中殺は考えながら行動するタイプ。お互いに性格が異なるだけに、出会った瞬間にひかれ合うでしょう。自分にないものを持っている相手だけに、「一目ぼれ」も多くなります。  「大物スターカップル」と騒がれた俳優の反町隆史さんは午未天中殺、奥様の松嶋菜々子さんは申酉天中殺です。さわやかで愛くるしい魅力を振りまく松嶋さんに、思索派で一途な性格の反町さんが一目ぼれ、というパターンだったのではないでしょうか。  ただしこの天中殺のカップルは、一緒に暮らす生活が長くなるにつれて、価値観のズレ、行動のズレが目立ちやすくなります。  たとえば休日の過ごし方にしても、午未天中殺は二人でゆっくり過ごしたいのに、申酉天中殺は一人でさっさと有名ブランドのショッピングに出かけてしまう。あるいはお酒を一緒に飲むときも、午未天中殺は人生の夢や目標を語り合いたいのに、申酉天中殺は人のうわさ話や流行の店の話をする。二人で力を合わせれば「店を繁盛させたい」「お金持ちになりたい」などの夢を実現させるパワーが生まれますが、精神的な面では「いまひとつしっくりこない」とストレスがたまるかもしれません。 ☆午未天中殺→戌亥天中殺  長い長い時間をかけて午未天中殺の「格」を上げてくれるのが戌亥天中殺です。身近に戌亥天中殺の上司や先輩、先生など目上がいれば、「人生の師」になる可能性がある、と言っていいでしょう。そもそも午未天中殺は思慮深い性格で、現世的な利益より心の世界を充実させたい、と願う傾向があります。一方、中央の「現実」というパワーが欠落した戌亥天中殺は心の世界に生きる人。この二人が出会えば、「戌亥天中殺が午未天中殺を導き、指導する」という宿命が働くのです。  ただし、午未天中殺が成長するためには、2年、3年といった短い期間ではなく、8年、10年という長い時間が必要です。時間の流れに耐えて長期的な結びつきを保ち続けられるかどうかが、この相性を活かせるか否かの分かれ目になります。  有名人でいえば、タレントの長嶋一茂さんが午未天中殺、父親の長嶋茂雄元監督が戌亥天中殺です。父と同じ三塁手としてマウンドに立ち、ドラフト1位でヤクルトに入団したものの一茂さんは伸び悩み、1996年に引退してからはタレントとして活躍しています。その明るく天衣無縫なキャラクターは「父親譲り」と評され、幅広い層に人気があります。  野球という舞台では大輪の花は咲かなかったけれど、一茂さんは父・長嶋茂雄の生きる姿勢を通して、野球以上のものを学んでいるのではないでしょうか。  さて、職場で戌亥天中殺が上司だった場合、午未天中殺の部下は仕事に対する意識の変革を余儀なくされることになります。今まで「これが仕事だ」と思っていた自分なりの「常識」を、くつがえされてしまうのです。たとえば単に利益を追い求めるだけに働いていたとしたら、戌亥天中殺は「奉仕の精神」や「犠牲の精神」を教えてくれるでしょう。仕事とは単なる金もうけの方法ではなく、社会に「仕える」ことでもあると、身をもって示してくれるのです。  職場や学校、サークル、あるいは家族など、どの場で知り合っても長い時間をかけて人生の視野を広げ、人間としての格を引っ張り上げてくれるのが戌亥天中殺です。その意味で、ほかにない「スケールの大きな人間関係」と言っていいでしょう。  恋人の場合はどちらが年上であれ、戌亥天中殺が午未天中殺をリードする形になります。どちらかというと、午未天中殺の方があれこれ尽くすパターンになるでしょう。  結婚すると、「お互いに非常に忙しくなる」という宿命が働きます。戌亥天中殺と一緒になると、午未天中殺は今までにないチャンス、あるいは試練を数多く味わうことになるでしょう。何事も「成長に必要な出来事」と心して、おおらかに受け入れてください。戌亥天中殺と一緒なら、どんなことも必ず乗り越えられるはずです。 ☆申酉天中殺→子丑天中殺  西のエネルギーである「休息」が欠落した申酉天中殺は常に華やかに動き回る活動的な星、北のエネルギーである「目上」「上司」が欠落した子丑天中殺は穏やかでしっかりした地味な星。  両者がペアになると反発し合うのではと思いがちですが、実は地味な子丑天中殺の方が派手な申酉天中殺の運を助け、発展させる役割を担います。  ただし、子丑天中殺が直接手を貸すわけではなく、「仲介役となって第三者を紹介する」というパターンです。たとえば申酉天中殺が知り合いの子丑天中殺のところに仕事を頼みに行くと、「今は忙しくて受けられないから、別の人を紹介しましょう」と言って第三者を紹介してくれます。おそるおそるその人を訪ねて仕事を頼んでみると、思っていたよりずっと出来がよく、しかも安く仕上げてくれます。つまり、結果が「大当たり」と出るのです。  ですから会社の上司や同僚、友人、家族の中に子丑天中殺がいるなら、その人は「福の神」と考えていいでしょう。いざというとき相談すれば、腕がよく、信頼できる「当たりの第三者」を紹介してくれます。  また、子丑天中殺は不言実行の人。安易な口約束はめったにしませんが、申酉天中殺が困っている姿を見ると、どこからかスッと手をさしのべて助けてくれます。  そんな子丑天中殺と一緒にいると、あくせく忙しく動き回る申酉天中殺にも、知らず知らずのうちに心のゆとりが出てきます。他人の気持ちを思いやる余裕が出てくるため、人間的に一回り大きく成長できるのです。  ですから、この組み合わせは職場関係、友人関係、恋愛、結婚を問わず、とてもいい相性なのです。  俳優の萩原聖人さんと、奥様の和久井映見さんがこの組み合わせ。映画にドラマに忙しく活躍する申酉天中殺のご主人を、子丑天中殺の和久井さんが家庭でしっかり支える姿が目に浮かびます。 ☆申酉天中殺→寅卯天中殺  西のエネルギーが欠落した申酉天中殺に、東のエネルギーが欠落した寅卯天中殺。お互いに正反対の位置なので、基本的には「運を止め合う」という相性です。  ただしこの組み合わせの場合、ほかのパターンに比べるとやや「アバウト」な止め方になります。本来寅卯天中殺はよく言えばダイナミックでおおらか、悪く言うと大ざっぱで雑なところがあります。ですから相手の運を止めるといってもどこか大まかで、「100パーセント完璧に」ということはないのです。  たとえば申酉天中殺がお金に困っているとき、寅卯天中殺の知り合いにお金を借りるとします。太っ腹な寅卯天中殺は「よしわかった。1000万円必要なんだね」と快くうなずいてくれるでしょう。そして翌日お金を借りに行ってみると、実際には800万円しかそろっていない、というようなことが往々にしてあるのです。  当の本人はケロッとした顔で「800万円用意しておいたよ。あとの200万円は自分でなんとかしてね」と言うでしょう。そこで申酉天中殺が困っても、相手はどこ吹く風。逆に「せっかくお金を工面してあげたのに、何が不満なの?」と聞いてきます。もちろん、寅卯天中殺に悪気はありません。ただ単に本当のことを言っているだけなのです。  ですから寅卯天中殺に助けを求めるときは、100パーセントを期待してはいけません。70パーセント、よくて80パーセント助けてくれれば御の字、と割り切る必要があります。  逆に申酉天中殺の発展・上昇運を止めるときも、寅卯天中殺はアバウトです。たとえば俳優志望の申酉天中殺がチャンスをつかんで世の中に出ようとするとき、寅卯天中殺の友人は「有名になるとなにかとたいへんだよ。今のまま地道にやっていればいいじゃないか」と引き留めます。しかし申酉天中殺が「どうしても有名になりたいんだ!」と言えば、寅卯天中殺は「そうか、そこまで言うならしかたない。でも、あとは知らないぞ」と言ってさらりと身を引くでしょう。寅卯天中殺は人間関係において、決して「深追い」はしないのです。  困ったときは「ほどほどに」助けてくれるし、伸びようとするときにも「それほどじゃまはしない」というのが、この天中殺同士の相性なのです。  恋愛、結婚の場合は、お互いにないものを補い合う「割れ鍋にとじ蓋」のカップルになるでしょう。「店を繁盛させる」「家を建てる」など共通の目的があれば、手に手を取って二人三脚で歩いていける組み合わせです。お互い表裏のない性格だけにケンカが多くなりますが、どちらも基本的に「陽」の性格ですから、いつまでもあとに残るようなことはないでしょう。ある意味では、理想的な夫婦と言えるかもしれません。 ☆申酉天中殺→辰巳天中殺  申酉天中殺の運をなにかとバックアップして、ぐいぐい引き上げてくれるのが辰巳天中殺です。そもそも天上の「理屈」や「理論」というエネルギーが欠けた辰巳天中殺は、細かいことにこだわらない西方の申酉天中殺や東方の寅卯天中殺ととても相性がいいのです。  ちなみに天上(辰巳天中殺)、東(寅卯天中殺)、西(申酉天中殺)のメンバーが集まればワイワイにぎやかで行動的なグループに、中央(戌亥天中殺)、北(子丑天中殺)、南(午未天中殺)が集まれば、じっくり人生を語り合う穏やかなグループになります。前者は「陽」の性質を持つ天中殺、後者は「陰」の性質を持つ天中殺と言ってもいいでしょう。  さて、申酉天中殺は本来働き者で世渡り上手ですが、「人は人、自分は自分」と割り切る面があり、ときに「冷たい」とか「情が薄い」などと見られてしまうことがあります。そのためなかなか「ナンバーワン」になれないこともあります。  しかし辰巳天中殺と一緒にいると、不思議に申酉天中殺には人間的なおおらかさや柔軟性が備わり、奥行きが出てきます。そのため周囲から「あいつは最近一回り大きくなった」と評価され、一気にトップに押されやすくなるのです。  有名人でいえば、時代劇でおなじみの松平健さんが申酉天中殺、奥様の大地真央さんが辰巳天中殺です。美男美女の大型カップルとして1990年に結婚し、すでに10年以上経過していますが、舞台で息もぴったりの共演をするなど、相変わらず仲がいいようです。  実はこの組み合わせは恋人、夫婦、職場関係など、どれをとってもマイナス面の少ない組み合わせ。「理想的なペア」と言ってもいいのです。  辰巳天中殺は申酉天中殺のいい面をどんどん引き出してくれますし、人間的なスケールを広げてくれます。松平さんの人気がいつまでたっても衰えないのは、きっと大地さんがそばについているからでしょう。松平さんにとって、辰巳天中殺の大地さんは「弁天様」のような存在なのです。恋愛から結婚へはスムーズに移行できるでしょうし、いったん結びつくと、このカップルはとても息が長いのが特徴です。  兄弟や親戚など自分の身内に辰巳天中殺がいると、その縁でなにかと得をすることも少なくありません。辰巳天中殺の知り合いに誘われてめったに行けない豪華なパーティに出席できたり、身内を通じて割のいい仕事のチャンスが飛び込んできたりするのです。  辰巳天中殺と一緒にいると「棚からぼた餅」を地で行けるようになります。ただし「いったんこじれると、とことん対立が深くなる」と心して、日ごろから感謝の気持ちをきちんと言葉であらわすようにしましょう。 ☆申酉天中殺→午未天中殺  ふだんは難しいこと、高尚なことを考える傾向の午未天中殺も、申酉天中殺と一緒にいると「現実面」に目が向き、商才がむくむくと頭をもたげ始めます。つまり行動的な申酉天中殺と思索派の午未天中殺が一緒になると、必然的にエネルギーが「ビジネス」の方向へ注がれる、というわけです。  この二人が知り合うと、「午未天中殺が申酉天中殺にもうけ話を持ちかける」という図式が生まれます。たとえばご近所の午未天中殺の奥さんが申酉天中殺の家にやってきて、「私がやっている化粧品のセールスを手伝う気はない? とても歩合がいいの」と話を持ちかけたりするのです。この場合、「利益の上がる率はとても高い」と考えていいでしょう。  ですから、午未天中殺が商売の取引相手や共同事業のパートナー、上司、先輩などの場合、「相性はいい」と考えていいでしょう。自分になんらかの利益をもたらしてくれる相手ですから、たいせつにして損はないのです。  午未天中殺の同僚や部下も、しばしば「おいしい話」を持ちかけてくれます。  ただし現世利益で結ばれる相性ですから、精神的なつながりはあまり期待できません。ですから友人や恋人になっても、よほど自分から思いやりを示さないと、あまり長続きしないことが多いのです。ある期間はうまくいくけれど、その時期を過ぎると急に離れ、冷却期間をおいてからまた再会するというのが、このカップルの特徴です。  結婚して夫婦になった場合でも、周期的なサイクルで倦怠期がやってくることになります。どちらかというと、陽性の申酉天中殺の方が陰性の午未天中殺のことを「なんとなくうっとうしい」とか「うんざりしてしまう」と感じることが多いようです。それをいかに乗り越えるかがこの夫婦の運命の分かれ目です。  俳優の渡部篤郎さんは申酉天中殺、奥様の村上里佳子さんは午未天中殺です。この二人がうまくいっているのは、お互いに仕事を持っているせいでしょう。この組み合わせはあまり長くべったり一緒にいると、申酉天中殺の方が飽きて興味の対象をほかに持ちやすいのです。  倦怠期を上手に乗り越えるコツは、家の中のインテリアやライフスタイルなどをしょっちゅう変えて、常に家の中に新鮮さを持ち込むことです。環境が変われば気持ちも変わりますから、飽きっぽい申酉天中殺が「うんざり」することもないのです。  自営業の申酉天中殺が午未天中殺の子どもを持つと、その子が大きくなってから「店をこう変えてみたらどう? きっと今よりもうかるよ」とアドバイスしてくれます。親にとって、とても頼もしい存在になるでしょう。 ☆申酉天中殺→申酉天中殺  陽性同士の組み合わせですから、こそこそしたところのない、おおらかな関係になります。このペアは友達であれ同僚であれ恋人であれ「オープンな関係」が特徴で、陰謀とか策略などとは無縁です。会えば憎まれ口をきくこともありますが、決して仲が悪いわけではなく、むしろお互いに信頼し合い、「同志」のような気持ちを抱いています。  無理なくつきあえる関係ですから、「一生涯のつきあいになる」と言ってもいいでしょう。  ただし、申酉天中殺は負けん気の強い星。特に年齢が近いほど、競争心が出て「張り合う」傾向が強くなります。ただしこの組み合わせの場合、同じ天中殺なので「相手を蹴落としてまでも」ということはありません。よきライバルとしてお互いに刺激し合い、成長していきます。  職場の同僚が申酉天中殺なら、どんなジャンルの仕事であれ相性は大吉です。特に同じプロジェクトチームに配属された場合、エネルギーの大きい申酉天中殺同士なので、仕事の能率が上がり、大きな成果が上がるでしょう。  この二人は西のエネルギーが欠落しているため、東の「行動」「前進」という位置へそろって進むことになり、周囲もびっくりするほどのものすごいスピードを出して進みます。さらに「休息」というエネルギーが欠落していますから、休むこと、退くことを知りません。それゆえに、成功も大きければミスも大きくなりがちです。  働きすぎて健康を損なったり、仕事のスピードが速すぎて周囲と歩調が合わなくなったりしないよう、十分に気をつけなければなりません。冷静に状況を判断できる子丑天中殺や午未天中殺がこのペアに加われば、不測の事態を予防することができるでしょう。  さて、恋愛、結婚の場合はどうでしょう。  同じ天中殺同士ですから、会った瞬間に「この人、どこかで見たことあるな」と感じるはずです。そして、恋人になるまでに時間はそれほど長くかからないでしょう。熱烈な恋愛の末ゴールインを迎えるカップルも少なくないのですが、この二人が夫婦になると、「激しい浮き沈みを繰り返す」という宿命を与えられることになります。  最初はとてもうまくいっていたのに、やがて顔も見たくなくなり、破綻が訪れる。しばらくたつとどちらからともなく「やり直そうか」と言いだし、再び蜜月時代が訪れる。このパターンを繰り返す可能性が高いのです。  あるいは二人で商売を始めると、またたく間に大成功するけれど、「止まることを知らない」ために短期間で大失敗してしまう可能性があります。基本的な相性は悪くありませんが、なにかと困難を伴う組み合わせと言えます。 ☆申酉天中殺→戌亥天中殺  西が欠落することによって東の「行動」「前進」を追い求める申酉天中殺に、中央が欠落することによって天上の「精神」「心の世界」を追い求める戌亥天中殺。申酉天中殺の別名は「行動に燃える星」、戌亥天中殺は「カリスマの星」です。方向性こそ違え、どちらもトップとして活躍する可能性が高く、どこにいても周囲から一目置かれる存在です。  両者が同じ土俵に立てば、激しい火花が散るのは避けられません。特に職場の同僚がこの組み合わせの場合、異常な競争心がわき起こって熾烈な戦いが始まるでしょう。時と場合によっては中傷合戦も起こりかねません。しかもお互いに頑固なので、決して自分から折れようとしないのです。この組み合わせの場合、相手の競争心に火をつけないよう、少し距離を置き、クールにつきあうのが賢いやり方です。ただし同じ職場でも、片方が社長でもう片方が平社員という格の違いがあれば、問題は起きません。  また片方がカメラマンでもう片方が弁護士など、まったく仕事のジャンルが違う場合は、 「自分の知らない世界を見せてくれる相手」となり、一転して大吉の相性となります。つまりこの組み合わせは、「どこで出会うか」によって吉凶がはっきり分かれるのです。  さらに、同じ立場の同性同士なら凶と出ても、恋愛、結婚なら吉と出るのが天中殺の相性の不思議なところ。このカップルの場合、特に申酉天中殺の運が上がり、「活躍の場が広がって忙しくなる」という宿命を与えられます。  ミュージシャンのCHARAさんは申酉天中殺、俳優の浅野忠信さんは戌亥天中殺です。お子さんも誕生し、お二人で堅実な家庭生活を営んでいらっしゃるようですが、その一方でCHARAさんはニューアルバムを次々に発表し、精力的に全国ツアーもこなしています。やはり浅野さんのどっしりした存在があるからこそ、CHARAさんは外に出て思う存分才能を発揮できるのではないでしょうか。  友人の場合は、どんなに親しくなっても心のどこかに競争心が燃え続ける関係になります。どんなに相手に歩調を合わせようとしても「どこかしっくりこない」「肌が合わない」と感じるため、長続きしないことが多いのです。あまり深追いするより、「そういう縁なのだからしようがない」と割り切った方がいいでしょう。  親子の場合も、残念ながら「大吉の相性」とは言えません。どちらが親でも子でも、考え方が根底から違うためぶつかり合いが多くなります。戌と申で「犬猿の仲」という言葉もあります。子どもはいつか実家から巣立っていくもの。無理に仲よくしようとがんばるより、「子どもには子どもの人生がある」と割り切った方がうまくいきます。 ☆戌亥天中殺→子丑天中殺  どんな立場にいても「より高みの精神世界」を求める戌亥天中殺は、一人で行動する傾向があり、あまり人を頼りません。その半面、何かあるとすぐに「孤独な殻」に閉じこもる傾向があります。そんな戌亥天中殺を穏やかに明るいところに連れ戻してくれるのが、子丑天中殺。子丑天中殺は口数は少なくても、人の心の奥底を読み取るのがうまいのです。  ですからこの組み合わせは、「戌亥天中殺が子丑天中殺に孤独感をいやしてもらう」「隠れた才能を引き出してもらう」という相性になります。  またそれだけでなく、子丑天中殺は戌亥天中殺の長所や才能をほかの人にアピールするコーディネーターの役割も果たしてくれます。  たとえば子丑天中殺の上司に連れられて社長や専務と同席した場合、その上司は「この人は絵の才能もあるのです」とか「この間、彼がこんなすばらしい業績をあげましてね」などと押し上げてくれます。その結果周囲から一目置かれるようになり、仕事で新しい局面が開けることも少なくありません。 「小泉純一郎の息子」として注目された俳優の小泉孝太郎さんと、父親の小泉純一郎総理がまさにこの組み合わせ。戌亥天中殺の孝太郎さんは「これから」という新人なのにもかかわらず、子丑天中殺のお父さんのおかげで脚光を浴び、マスコミにもたびたび登場するようになりました。子丑天中殺の親は、戌亥天中殺の子どもに「七光り」を与えます。本人が意識する、しないにかかわらず、天中殺の相性の宿命がそのような結果を生むのです。  職場関係や親子に限らず、兄弟、友人、ご近所など、この組み合わせはどんな関係においても吉と言えます。ただし家族以外の場合は、子丑天中殺から長所を引き出してもらうまでに、かなり時間がかかることを覚悟してください。どちらも「中年以降に運が強くなる」という大器晩成型の運を持っているからです。  さて、恋人、夫婦の場合は少し事情が違ってきます。女性が子丑天中殺の場合、戌亥天中殺の男性に「ああするといい、こうするといい」となにかと指示する傾向が強くなります。いわゆる「かかあ天下」のパターンです。  戌亥天中殺が素直に聞いているうちはいいのですが、妻が少しでも威圧的な態度を見せると、戌亥天中殺の誇り高い性格が頭をもたげ、ぶつかり合いになってしまいます。  逆に妻が戌亥天中殺の場合、子丑天中殺の夫からなにかと「引き立てられ」、外の世界に連れ出されます。外で華やかに活躍したい妻ならいいのですが、専業主婦に徹したい場合はストレスがたまるかもしれません。 ☆戌亥天中殺→寅卯天中殺  子丑天中殺がゆっくりと時間をかけて戌亥天中殺の運を引き上げるなら、寅卯天中殺は「その場で」あっという間に引き上げてくれます。寅卯天中殺はもともとパワフルな星ですから、ドカン!と爆発するような瞬発力が期待できるのです。  たとえば「いくつも就職試験を受けたのに、すべて落ちてしまった。もうあとがない、さあどうしよう」というとき、寅卯天中殺の知り合いのところに行けば「わかった。なんとかしてあげよう」と胸をたたいてくれます。  もちろん紹介先が100パーセント満足できるところではなくても、とりあえずその場では救われます。戌亥天中殺にとっては、まさに「救いの神」のような存在と言っていいでしょう。  ただし、寅卯天中殺との相性は「短期集中型」と思ってください。瞬間的に力を与えてくれますし、親身になって助けてくれますが、せいぜい2、3年の期間です。それ以後はぷつんと糸が切れたように疎遠になってしまうのが、この星同士の宿命なのです。  いつものように寅卯天中殺の得意先に営業に出かけたら、いつの間にか異動していなくなっていた、という話は少なくありません。ですから、いつまでも寅卯天中殺のパワーに頼るのは危険です。集中的に才能や運を引き出してもらったら、あとは自分の力でやっていく覚悟をしてつきあうといいでしょう。  ただし、「1年に数回しか会わない」という場合は別です。映画「男はつらいよ」シリーズで有名になった山田洋次監督は戌亥天中殺、今は亡き寅さん役の渥美清さんは寅卯天中殺でした。「フーテンの寅」は、渥美清というスターがいたからこそ爆発的に大ヒットしたのです。つまり山田監督は、渥美清さんによって才能を引き出されたと言ってもいいでしょう。  山田監督と渥美さんはプライベートのつきあいはなく、映画を撮るときだけ出会う、つまり「1年に一度のおつきあい」だったといいます。この距離感を保ったからこそ、このシリーズは49作も続き、26年間ものロングランを実現させたと言っていいでしょう。  恋人や夫婦の場合は、まずまずの相性になります。特にどちらか、あるいは両方がタレントや芸術家、ミュージシャン、学者など、才能を生かした自由業なら大吉です。お互いに支え合い、いつまでも仲よく暮らしていける相性です。  有名人でいえば、戌亥天中殺の工藤静香さんと寅卯天中殺の木村拓哉さんのカップルがこの組み合わせ。お互いに感性を刺激し合い、精神的に高め合ういい組み合わせです。ただしサラリーマンや公務員などのように、どちらか、あるいは両方が組織や集団の中で仕事をしている場合、家庭で個性がぶつかり合い、なにかとストレスがたまりそうです。 ☆戌亥天中殺→辰巳天中殺  中央の「現実的な行為」というエネルギーが欠落した戌亥天中殺と、天上の「心の世界」が欠落した辰巳天中殺は正反対の位置関係。つまり、両者は「運を止め合う」という関係です。  戌亥天中殺の運が落ち込んでいるときに辰巳天中殺のところへ行くと、つらさ、苦しさをピタリと止めてくれます。しかも、その止め方は半端ではありません。大ざっぱな寅卯天中殺が70パーセント止めるとすると、辰巳天中殺は100パーセント、120パーセント、不運をストップさせてしまうのです。ですから病気になったとき、戌亥天中殺の患者は辰巳天中殺の医者のもとへ行くと、治りが早くなります。  もともと辰巳天中殺は行動力があり、面倒見のいいタイプ。困っている戌亥天中殺を見ると、ほうってはおけません。戌亥天中殺の置かれている状況を冷静に観察し、ベストな方法ですばやく問題を解決してくれるでしょう。  ただし、困るのは運が上向いてきたとき。「これから発展しようとするときは、なるべく正反対の天中殺と距離を置く」が天中殺の相性の法則です。しかし辰巳天中殺は独占欲の強い面があり、伸びようとする戌亥天中殺をなんとかして引き留めようとすることがあります。  辰巳天中殺の上司や取引先の上司から「経済的なことは保証するから自分だけについてこい」と言われたら要注意です。人間関係をしばられてしまうと、能力を発揮するチャンスに恵まれなくなってしまいます。相手が引き留めようとしたら、やんわり逃れて適度な距離感を保ってください。  ただし、一方が自由業で一方が公務員など、まったく別のジャンルなら話は別です。お互い違う世界に住んでいるなら、相手の存在がいい刺激になるでしょう。  恋人、夫婦の場合は、お互いにないものを持っているため、引き合う力が強くなります。辰巳天中殺の恋人は戌亥天中殺の不安や悩みに具体的で適切なアドバイスをくれますし、夫婦なら二人三脚で仲よく人生を歩んでいけるでしょう。  TOKIOのボーカルの長瀬智也さんは戌亥天中殺、恋人の浜崎あゆみさんは辰巳天中殺です。「生き馬の目を抜く」といわれる芸能界で、ときに人知れず悩みを抱える長瀬さんを、浜崎さんが明るく元気づけていらっしゃるのではないでしょうか。陰と陽のバランスがとれた相思相愛のカップルとして、今後が楽しみです。  結婚も悪くありませんが、10代、20代の早い時期に結ばれた場合、「なにかと苦労を背負い込みやすい」という宿命を担うことになります。30代以降の結婚、またはどちらかが再婚の場合は、穏やかで安定した家庭を築くでしょう。 ☆戌亥天中殺→午未天中殺  なにかと戌亥天中殺の「面倒」を見てくれるのが午未天中殺です。ありがたい秘書役、世話役を担ってくれると言っていいでしょう。とにかく、自分のためにこまめに気をつかってくれるのです。  たとえば同じ会社の同僚でも、自分の留守中にたいせつな電話がかかってきたとき、申酉天中殺なら「電話あり」とメモだけ残しておきますが、午未天中殺はわざわざ自分のところまで来て「○○さんから何時に電話があって、とても急いでいる感じでしたよ。たぶんあの件だと思うので、電話してみてください。この時間なら、まだいらっしゃると思いますよ」とこと細かに情報を提供してくれます。  もし同僚や部下、友人、恋人、配偶者が午未天中殺なら、戌亥天中殺は「ラッキー!」と思ってください。彼らは損得を省みず、あなたのためになにかと世話を焼いてくれるはずです。  有名人でいえば、タレントの神田うのさんが戌亥天中殺、歌手の美川憲一さんが午未天中殺です。芸能界の先輩、後輩としていい関係を保っているのはもちろん、私生活でも仲がいいのは周知の事実。注目度が高いがゆえになにかとマスコミで取り上げられるうのさんを、面倒見のいい美川さんがフォローしているようです。この図式こそ、この天中殺同士の基本的なパターンなのです。 「物質的、金銭的な利益にはつながらない」という特徴はありますが、もし身近に午未天中殺がいるなら、味方につけて損はありません。いざというとき精神的な支えになってくれるのはもちろん、思慮深い午未天中殺の影響を受けて、「戌亥天中殺の知性がレベルアップする」というメリットもあります。  もともと中央のエネルギーが欠落した戌亥天中殺は、天上の「心の世界」「精神的な充足」を求める星。知性、理性を求める午未天中殺と一緒になれば、「ともに手を取り合って成長し合う」という作用が生まれるのです。ですから友人、恋人としての相性もまずまずですし、夫婦になった場合でも、会話を楽しむ恋人のような関係が続きます。  また、この二人は力を合わせて自営業を始めてもうまくいきます。戌亥天中殺が中心になって事業を起こし、午未天中殺があれこれ秘書的な役割を担うことになるでしょう。ゆっくりだんらんを楽しむ生活とは無縁になりますが、逆にその方がいつまでも新鮮な関係が長続きします。  ただし二世帯、三世帯同居など大家族になると、「夫婦間にトラブルが起こりやすい」という宿命が生まれます。できれば核家族で暮らすのがベストです。 ☆戌亥天中殺→申酉天中殺  金銭的、物質的な利益をもたらしてくれる相手です。心の世界を追い求める戌亥天中殺はどちらかといえば「お金もうけ」のビジネスが苦手ですが、現実的な利益を追い求めるのが得意な申酉天中殺と一緒に行動すると、相手からなにかと利益をもたらされるようになります。ただし、「別の分野に属していること」が条件です。一方が営業なら一方は企画、一方が社長なら一方は平社員など、立場も格もまったく違えば何の問題もなくうまくいくでしょう。  女優の内田有紀さんは戌亥天中殺、演出家のつかこうへいさんは申酉天中殺です。女優として方向性を模索していた内田さんが、つかさんの懐《ふところ》に飛び込んだのは正解でした。2000年、つかさんの演出で舞台に立った内田さんは新境地を開拓し、周囲から絶賛されました。自分の知らない世界を見せてくれる申酉天中殺のつかさんと一緒に組めば、今後はさらに仕事の幅が広がり、大輪の花が咲くことになるでしょう。  ただし、相手が同じ土俵に立っている場合はストレスがたまりがちです。同じ時期に入社した社員同士、あるいは同じ業界で働くセールスマン同士なら、一瞬のうちに激しい火花が飛び散り、一触即発の危険性が出てきます。どちらも自分に自信を持っているためプライドが高く、しかも頑固な面がありますから、一歩も譲りません。  穏やかな子丑天中殺や午未天中殺が間に割って入ればなんとか収まりますが、いったん競争心がむき出しになると、あとあとまで尾を引くのでやっかいです。「負けるもんか!」という熱意をそのまま仕事にぶつければ問題ないのですが、それが難しいなら、初めから少し距離を置いてつきあった方が無難です。  もし運悪く一緒のチームになってしまったら、「自分を成長させてくれる相手」と割り切って、いちいち相手の言葉に反応しないこと。「カッとなった方が負け」と心して、穏やかな態度で接することを心がけてください。  ただし、恋人や夫婦の場合はまずまずの相性と考えます。算命学では「男女の立場はもともとまったく違うもの」ととらえますし、たとえ反発し合ったとしても、異性同士のこの組み合わせはあまりにも異質すぎて、ケンカにならないのです。むしろ立ち回りの上手な申酉天中殺のパワーを受けて、「戌亥天中殺の世渡りがうまくなる」という効果も得られます。  親子、兄弟の場合は要注意です。同じ家の中に住んでいるので「同じ土俵に立っている」と考えますから、なにかとストレスが多くなる可能性があります。  特に親子の場合、ある程度の意見の衝突は避けられません。「親子の意見は多少食い違って当たり前」と割り切って、おおらかな心を保ってください。 ☆戌亥天中殺→戌亥天中殺  基本的に同じ天中殺同士は同じ波長を持つため、あまり言葉を交わさなくても通じ合います。ですから職場や友人、恋人、夫婦などどの関係であっても、自然体で長続きする相手と考えていいのです。  とはいえこの組み合わせの場合、子丑天中殺同士や申酉天中殺同士のように、べったり親密な関係はつくりません。もともと一匹狼的な要素を持ち、集団にいるより孤独を好むタイプですから、「親しいけれどどこかよそよそしい」「長くつきあっても一線を越えない」という関係になります。  どんなに親しくなっても相手の領域には踏み込まないため、その関係は細く長く続きます。女性同士の場合でも相手のプライバシーを尊重し合うため、プライベートでは相手の家族の顔も知らない、ということがよくあります。  いわゆる「大人のつきあい」ができる二人ですから、仕事仲間や友人関係なら最高の相性になると言っていいでしょう。特に利害関係のない相手なら、「生涯の友」になる可能性もあります。  中央が欠落した戌亥天中殺は、「エネルギーがまっすぐ天上に向かう」という特徴を持ちます。そのためこの二人が一緒に仕事を始めると、仕事の展開が早すぎて収拾がつかなくなることがあります。規模がどんどん大きくなって人手が足りなくなったり、資金面で間に合わなくなったりすることもあります。  この二人が結婚すると、「夫婦」というより「親友」に近い関係になります。お互いに相手の世界を尊重するうちは何の問題も起こりませんが、相手の領域に一歩でも踏み込むとトラブルが起こります。  離婚してしまった俳優の真田広之さんと、女優の手塚理美さんが戌亥天中殺同士でした。夫婦二人だけのときは相手とほどよい距離がとれても、子どもの誕生や親との同居などをきっかけにバランスが崩れることがあります。そこをどう乗り越えるかが、この組み合わせの課題と言えるでしょう。 第3章 天中殺に負けない運気逆転法 ☆天中殺中にやっていいこと、いけないこと  ここまで読んでこられた方は、「どの天中殺にもそれぞれ固有の特徴がある」「接する相手によって、いい面が出てくることもあれば悪い面が出てくることもある」ということがおわかりになったはずです。天中殺の基本パターンは6種類でも、接する相手によって長所を引き出してもらったり、短所が出やすくなったり、ときには運を止め合うなど、その作用は非常に複雑で、奥が深いものです。  算命学では、生まれた個人の生年月日からさらにくわしく星を見て、その人の個性や年代別の運気バイオリズムをより詳細に判断することができます。これについては、また別の機会にご紹介することにしましょう。  さて、ここで気をつけていただきたいことがあります。それは、12年に2年間だけめぐってくる天中殺の時期は「本来のよさを生かせない」ということ。  たとえばどんなときでも積極的に行動し、グングン前進するのがモットーの寅卯天中殺も、寅年、卯年の天中殺の時期に入ると「勇み足」「思うように動けない」「小さなミスで足元をすくわれる」ということになります。  思慮深く、常に精神の高みを目ざす戌亥天中殺も、戌年、亥年になると「周囲から一人だけ浮いてしまう」「孤独を余儀なくされる」など、本来持っている個性のマイナス面が強調されるようになるのです。  最初にもお話ししましたが、天中殺は「天が味方してくれない時期」。どんなに一生懸命がんばっても本当の実力が発揮できなかったり、周囲が賛成してくれなかったりなど、努力が実りにくい時期なのです。  とはいえ、必要以上に「あれもできない、これもできない」などと身を固くする必要はありません。なんといっても、人生はたった一度だけ。少しでも楽しく、自分のやりたいことをやって思いどおりに過ごすのが本来の道なのです。  実は、「天中殺は何をしてもダメ」というわけではありません。恋愛でも引っ越しでも、「その行いの目的」さえまちがえなければ、あるいは一定の条件さえ満たしていれば、「天中殺中のすべての災いをはずす」ことができるのです。  これを知っているかいないかで、あなたの人生の幅と奥行きはまったく違うものになるでしょう。  そこで、ここでは具体的な例をあげながら、「天中殺中にやっていいこと、いけないこと」についてご説明します。  子《※》丑天中殺の運気サイクルからの各運気サイクルを見て自分の天中殺の時期をチェックし、「2年以内に天中殺に突入する」という人は、特にしっかり頭に入れておいてください。 ★恋愛・お見合い 「恋をするだけ」「相手と一緒に楽しい時間を過ごすだけ」というなら、何の災いも起こりません。たとえ天中殺中であっても、どんどん恋をして大丈夫。  ただし、一つだけ気をつけていただきたいことがあります。それは、「未婚同士は肉体関係を避ける」ということ。なかなか難しいかもしれませんが、天中殺期間は「心だけ一緒」を守りましょう。「身も心も一緒」になるのは、天中殺期間が明けてから。  万が一「天が味方してくれない時期」に結ばれてしまうと、天中殺が終わってからも「天に祝福されない」ことになるおそれがあるのです。  ですからこの時期は二人きりになるより、グループ交際でお互いの理解を深めた方が利口です。みんなでスポーツ観戦をしたりアウトドアを楽しむなど、わいわいにぎやかに過ごしましょう。  もう一つ、天中殺期間の2年間は、恋のエネルギーを「結婚」に注いではいけません。ひたすら「飲んで食べて楽しく過ごす」に徹してください。  結婚を前提につきあうと、周囲から反対が出たり、三角関係など予期せぬじゃま者が入ったりして、まとまるまでにかなり苦労します。万が一まとまっても、天中殺から抜けるころに破談になる可能性も少なくありません。  お見合いの場合も、相手に会うだけなら何の災いも受けませんが、「ぜひに」と具体的に話を進めると、途中で横やりが入ったり、自分や相手の秘密が発覚するなど、不愉快な思いをしがちです。結婚の返事は、「天中殺が明けてから」が鉄則です。  ただし、肉体関係や結婚に進んでもまったく問題のないケースもあります。それは㈰国際結婚、㈪女性が年上で男性が年下、㈫どちらか一方、または両方が再婚のとき。  気持ちがいつになく盛り上がり、お互いにじっくり愛情を深めることができるでしょう。 ★婚約・結婚  天中殺の最中は「自分の利益になること」を具体的に行動に移すと、必ず裏目に出ます。  婚約や結納は「ゴール」ではなく「結婚への途中経過」と考えますから、天中殺中でも災いは起こりません。  ただし籍を入れたり結婚式を挙げたりするのは、天中殺の前、あるいは天中殺が終わってからにしてください。結婚して多くの方は「赤ちゃんをつくろう」と考えますが、実は天中殺時に結婚して男の子が生まれたり、子どもが3人以上できた場合、夫婦が子どものことで悩み、それがもとで夫婦の愛情にひびが入ることが多いのです。  子どもがいないか、または女の子が2人までなら、天中殺の災いは起こりません。いわゆる「跡継ぎ」ができる場合のみ、問題になります。  もし実際に天中殺中に結婚し、子どものことで悩んでいるなら、夫が「離れ」で暮らしたり、単身赴任するなど、「夫婦のどちらかが家にいない」状況をつくり出せば大丈夫。  子どもたちが成長して親元を離れた時点で天中殺の影響から抜けられますから、「子どもが巣立つまでの辛抱」と考えればいいのです。  それまでは夫婦間でなにかとストレスが多くなるかもしれませんが、趣味や仕事で上手に発散しながら、山を乗り越えていきましょう。 ★同棲  天中殺中にスタートさせた同棲は長続きしません。本来持っている長所がどうしても裏目に出やすく、相手に誤解されたり、不満を持たれたりしてしまうのです。ささいな違和感がどんどん大きな亀裂に発展し、ケンカも多くなるでしょう。  特に天中殺中の人が相手にお金を貸したりすると、あとで泣きを見ることがあるので注意してください。また、この時期にあせって結婚を迫ったりすると、相手が去っていくおそれもあります。「この先、どう転ぶかわからない」と心して、少し距離を置くくらいの余裕を持ちましょう。  どうしても今の相手と別れたくないなら、天中殺が明けてから半年〜1年ほど距離を置き、その後、なるべく早い時期に再び一緒に暮らすといいでしょう。天中殺明けに新しいスタートを切れば、縁が長く続きます。  ★離婚・再婚  天中殺時に一気に不満が爆発し、離婚するのは「自然なこと」と考えます。現世的な利益を目的にした離婚でない限り、災いはいっさい起こりません。  ただしこの期間に離婚しようとすると、「相手がなかなかうんと言ってくれない」「財産や慰謝料でもめる」「慰謝料の支払いが滞る」など、手続きの面でやっかいなことが起こります。相手に直接交渉して無駄なエネルギーを使うより、弁護士など第三者を立て、事務的に処理する方がいいでしょう。  天中殺時に再婚する場合、相手も再婚者で、どちらかが子連れなら大丈夫。子どもが天中殺の災いを払いのけてくれるからです。  どちらかが初婚の場合は凶。天中殺の災いを受け、ケンカが多くなったり、周囲の理解が得られずに苦しむ可能性が高くなります。二人の間に子どもができない場合のみ、「災いを免れる」と考えます。 ★出産  母親が天中殺のときに男の子を生む場合は、さほど大きな影響はありません。「難産になるのでは?」などと恐れる必要もありません。ただし、女の子が生まれた場合は「いつまでも母親離れしない娘」になるおそれがあります。  たとえば小さいころはいつも母親がそばにいないと不安がったり、年ごろになって嫁いでも頻繁に実家を訪れ、なにかと母親を頼りにして、周囲から「独り立ちできていない」と批判されることが多くなります。  これを防ぐには、10代の初めに親元から離し、自立心を養わせるようにすることです。学校の寮に入れたり、祖父母のもとに預けるなどすれば、しっかりした娘に育つでしょう。  父親が天中殺の場合は、女の子が生まれるなら何も問題はありません。ただし男の子が生まれた場合、なかなか父親を超えられないケースが多くなりがちです。  特に自営業の場合、息子を後継者にしても安心できず、父親がハラハラすることが多いようです。小さいうちは母親より父親が中心になって厳しく育て、10代の後半になったら親元から離し、他人に育ててもらうことで改善できます。  さて、天中殺中に子どもが生まれたら、ぜひお宮参りに行きましょう。天中殺の期間はなにかと心が落ち着かなくなり、子育てが不安に感じられるものですが、神社で神様にお願いすればどっしりかまえられるようになります。  神様の世界は人間界とまったく別のシステムで動いていますから、たとえ人間が天中殺であろうとなかろうと、災いを受ける心配はありません。むしろ天中殺のときこそ神様に手を合わせ、「天と自分とのパイプ」を強化しておくことがたいせつなのです。  お宮参りに限らず、時間があるときは神社へ行き、ゆっくり心を静めるといいでしょう。 ★不動産購入・新築 「土地を買う」という行為自体には何の問題もありません。土地は「神様がつくったもの」と考えますから、どれだけ買っても災いは起きないのです。資材置き場にしたり、倉庫がわりにしたり、値上がり目的で寝かせておくならいいでしょう。  また、不動産の売却も「自分から土地が離れていく」と考えるため、凶とは考えません。ただし契約上でゴタゴタが起こる可能性が高いので、必ずプロの第三者を仲介させましょう。  さて、「購入した土地に建物を建てる」となると、話は変わってきます。人間の工作物である家を土地に乗せ始めた瞬間から、「建築中に事故が起こる」「土地にまつわる金銭トラブルが生じる」「周辺の家ともめる」など、不動産トラブルが出てくることになります。つまり、「人間の利益」のために土地を利用すると、天からしっぺ返しがくる、と考えてください。  どうしても土地を買って家を建てたいなら、「自分ではなく家族の名義で建てる」「天中殺明けに再び増築する」などの方法で難を逃れることができます。  また「本宅ではなく別荘」とか、「子や孫が使う家」「自分がひっそりと隠居するための家」というなら、災いの対象にはなりません。  家の外観が変わるような大規模な増改築も凶です。天中殺中に家相を変えると悪い運気が家に宿り、住人の運がダウンしてしまいます。とりあえず内装やインテリアの工夫で変化をつけ、工事は天中殺が明けてから進めるようにしましょう。 ★就職・転職  最初のうちはガマンできても、天中殺が明けるころから「自分はこの会社に合わない」と感じることが多くなります。最もストレスが多いのは人間関係で、上司や同僚、または取引先に不満を感じたり、泣かされたりする可能性が高くなります。  その結果やる気がなくなったり、ミスが多くなり、上司からにらまれたりすることも少なくありません。この場合、「心機一転してがんばろう!」と、無理に自分を奮い立たせると逆効果になります。  どんな災いが起ころうと、天中殺の期間に入ったら、あまりがんばらない方がいいのです。一生懸命がんばるほど「酸欠状態」になり、運気がますます落ち込んでしまうからです。  いちばんいいのは「受け身でいること」。何でも自分が率先して行うのではなく、リーダーの下につく「サブ」に徹することです。たとえ反りの合わない上司でも、とにかく徹底的にその人に従い、尽くすのです。「目上に尽くすことで天中殺の災いを避けられる」と思ってください。 「2、3年がんばってみたけど、どうしてもダメだった」というなら、天中殺明けに転職を考えましょう。天中殺が明けないうちにほかに移ると、またほかでも同じことが起きてしまうからです。複数の会社を転々とするうちにエネルギーを消耗し、ますます運が悪くなってしまうので注意してください。 ★会社の設立  天中殺時に「欲」や「利益」をねらってスタートさせた事柄は、ほとんどの場合うまくいきません。特にビジネス面ではシビアに出ますから、この時期の事業拡大や会社設立などは控えた方が賢明です。  たとえ最初は軌道に乗ったかに見えても、そのうちにスタッフに裏切られたり、資金繰りが悪化したりするおそれがあるのです。すでに設立してしまった場合は、天中殺明けに社名変更をするか、会社の本拠地を別の場所に移動させることです。そして大きな決断をするときは、周囲のスタッフの意見を尊重しましょう。  人の上に立つ人ほど、天中殺を甘く見てはいけません。なぜなら、その人の運気でその他大勢のスタッフの運気が左右されてしまうからです。特にトップが「攻撃型」、つまり困難に直面したときほど積極的に動き回るタイプだと、努力が裏目に出てしまいます。逆に、じっくり慎重にコマを進めていく「守備型」なら、災いは最小限に抑えられます。  自分がどちらのタイプなのかを冷静に見極めて、「いざ」を乗り切ってください。 ★通院・手術  美容整形など、外見を美しくするのが目的の手術以外なら「吉」です。病気を治すのは、神様から与えられた体を修理すること。天中殺でなくても病気はきちんと治さなければいけませんが、「天中殺だから」といってひるむ必要もありません。この場合、自分の天中殺と正反対に位置する天中殺の医師なら、「悪い運を止めてくれる」と考えて。 ★お墓の購入 「天中殺の時期にお墓を建てると縁起が悪いのでは?」と考える人が少なくありませんが、実はその逆で、「とてもいいこと」。お墓は神様の領域ですから、天中殺である、なしに関係ありません。素直な気持ちで、ご先祖をおまつりしてください。  いろいろな例をあげてお話ししてきましたが、いかがでしたか?   今までの例から、天中殺の期間中は、自分の利益を優先させるとほとんどが裏目に出ることがおわかりいただけたと思います。新規事業のオープンや商売の拡大、結婚、不動産の購入、新築など、「自分の利を目的とした行い」はすべて凶なのです。  逆に神社やお寺への寄進、お中元、お歳暮、奉仕活動、町内会の世話役など、「自分の利益に関係のない行い」なら問題ありません。  天中殺に入ったら、自然のままに流されるのがいちばんいいのです。この期間は無理をせず、いつもはできない趣味や勉強に打ち込んだり、仕事や家事を休んで旅に出てみたりするなど、自分を磨くために時間を使いましょう。体内からあふれてくるエネルギーを、自分の内面を磨き、豊かにするために使うといいのです。  その意味で、天中殺は「自分を成長させる時期」。天中殺は「神様が与えてくださった人生の休日」と考え、今までとは違う別の世界をのぞいて楽しんではいかがでしょう。それによって自分の「器」がふくらみ、天中殺以降はさらに豊かな幸せをつかむことが可能になります。 「慎《しん》独《どく》」という言葉があります。これは「独りを慎む」という意味です。つまり、「誰も見ていないときこそ心正しく、きちんと生きなさい」という戒めですが、「神様の加護から離れてひとりぼっちで生きる天中殺の時期こそ、心清らかに生きなさい」と解釈することもできます。  天中殺は確かに「こわい」「おそろしい」時期かもしれませんが、ある意味では自分の今までの生き方を試される期間とも言えます。つまり、天中殺は神様から授かる特別な期間。その2年間を素直な心で過ごし、幸せの芽をしっかりと育ててください。  最後に、6タイプ別・天中殺の運気サイクルをご紹介しましょう。これを読めば、これから自分がたどるであろう人生の流れを知ることができます。それぞれのサイクルの特徴をしっかり頭に入れておけば、転職や結婚、不動産購入など、「人生の勝負どき」がいつくるのかもわかります。  人生はたった一度だけ。豊かさと愛に満ちた人生を送るため、ぜひ役立ててください。 ★子丑天中殺の運気サイクル  子丑天中殺だけに限らず、あらゆる天中殺の人生の運気サイクルは十二支をもとにして「12年でワンサイクル」と考えます。子丑天中殺の場合、その12年間のうち、大きな運の盛り上がりが2つやってきます。それは辰年〜巳年と申年〜酉年。このチャンスを上手に生かせば、大きな夢が実現するでしょう。  子丑天中殺の運気サイクルは、天中殺時期である子年、丑年からスタートします。この2年間は金銭トラブルや仕事上のミス、失恋、破談、精神的なあせりなどにさいなまれるおそれがあります。たとえ気持ちがあせっても、本来のマイペースを保ってください。  天中殺の丑年を過ぎて寅年になれば、今までの落ち込みがうそのように運気が回復します。寅年、卯年は自分を世間に売り込むための大チャンス。上手に波に乗れた人は、次の辰年、巳年に大きな金運が転がり込んでくるでしょう。  午年、未年は家庭内のもめ事に注意してください。特に夫婦げんかや嫁姑問題はあとに残さず、その場で解決を。申年、酉年は運気最高潮。算命学ではこの時期の子丑天中殺を「貴人、光の雲に包まれる」と表現します。周囲から引き立てられ、信じられないほどの幸運をつかむ可能性がありますから、チャンスを逃さないこと。亥年からは天中殺の前ぶれが徐々に始まります。天中殺の前の年ですが、気を引き締めて行動してください。 子丑天中殺の運気サイクル 平成14年(午年) 家庭内の意見の食い違いに注意。親の病気やケガにも注意 平成15年(未年) 脱力感がつきまとう。マイペースでゆっくり進むとよい 平成16年(申年) 前年の不調がうそのように運気が晴れ晴れと回復する 平成17年(酉年) 人気が上がり、大チャンスがくる。ツキは絶好調 平成18年(戌年) 10の努力をすると20の成果が上がる好運期 平成19年(亥年) 運気に陰りが。病気やケガ、盗難などに注意 平成20年(子年) 天中殺に突入。気持ちがあせっても新しいことは控える 平成21年(丑年) 天中殺。気持ちがあせっても新しいことは控える 平成22年(寅年) 天中殺からスッキリ抜け出せる。自分を売り込むチャンスの年 平成23年(卯年) 家族に大きな喜び事がある。心穏やかに過ごせる年 平成24年(辰年) 今までのがんばりが認められ、社会的な地位が上がる 平成25年(巳年) 財運が上がり、収入面でうれしいことがある ★寅卯天中殺の運気サイクル  たとえ天中殺期間でも次々に新しいことを手がけ、「なんだ、天中殺なんて大したことないじゃない」と強気に行くのが寅卯天中殺。確かに寅年、卯年は天中殺期間にもかかわらず、それほどのアクシデントもなく過ぎていきます。  しかし問題は、天中殺が明けたあとの巳年。天中殺の年にがんばってきた人ほど、ここで天中殺の「つけ」を払わされることになるのです。  特に気をつけたいのは対人面。ささいなことから信用を失うことになりかねないので、気を引き締めていきましょう。算命学では巳年〜午年にかけての寅卯天中殺を、「目隠しをした人が、断崖絶壁に面した小道を歩くようなもの」とたとえます。  危ない時期を通過すれば、未年から運気の上昇が始まります。申年、酉年になると自分の才能や能力を100パーセントフル稼働して、その結果世に認められるチャンスがやってくるでしょう。特に酉年は目上から大抜擢され、地位や名誉を獲得する可能性が。  戌年、亥年はのんびり楽しく過ごす時期です。そして次の天中殺前の子年、丑年には「転換期」がやってきます。実はここで「変身」することで、次の天中殺の災いを軽くすることができるのです。ファッションやヘアスタイルなどの外見はもちろん、精神的にも一歩大きく成長するよう心がけてください。 寅卯天中殺の運気サイクル 平成14年(午年) 自分の人生を考える年。周囲に迎合するより孤独が吉 平成15年(未年) 本格的な上昇期がスタート。活動範囲が広がり、猛烈に忙しくなる 平成16年(申年) 全エネルギーをフル回転させて社会で活躍する1年。人脈も豊かに 平成17年(酉年) 大抜擢の可能性あり。財運、愛情、地位、名誉が手に入る 平成18年(戌年) のんびり楽しいプライベートが楽しめる。息抜きをして吉 平成19年(亥年) 今まで知らなかった分野の知識を吸収すると生涯の宝物になる 平成20年(子年) 食べ物の好みが変り、体質が変わる。健康面にやや注意 平成21年(丑年) 経済力がつき、収入が上がる。愛情面でもうれしいことが 平成22年(寅年) ゆるやかに天中殺に入る。大きな災厄の心配はない 平成23年(卯年) 天中殺。この1年に大きな災厄が集中する傾向。気を引き締めて 平成24年(辰年) 天中殺時にとった行動がお金を生み、財運が上がる 平成25年(巳年) 急激に運気が落ち込む。周囲と信頼関係を保つ努力が必要 ★辰巳天中殺の運気サイクル  6種類の天中殺のうちで最も人生の波が荒い、つまりいいときと悪いときの差が激しいのが辰巳天中殺です。辰年、巳年の天中殺時の「大揺れ」をいかに上手にかいくぐるかが、この人の人生のテーマになるでしょう。  天中殺時には予期せぬさまざまな出来事が襲いかかり、それを解決するために大きなエネルギーを使うため、天中殺明けの午年は「へとへと」になります。いわゆる「エネルギーゼロ」の状態ですから、午年は無理をせずのんびり気力を回復させ、未年から本腰を入れるのが賢いやり方といえるでしょう。  いったん腰を上げるとがむしゃらに働くのが辰巳天中殺ですから、申年、酉年はたくさんお金の入ってくる「財運期」になります。その年に得たお金で夢を実行に移すのが、戌年と亥年です。この2年は運気が最高潮に達し、やることなすことすべて「大当たり」。その余波を受けて戌年、亥年には社会的地位や名誉が上がり、人脈もぐんと広がります。この時期に出会った人を大事にして、次のサイクルの幸せにつなげましょう。  子年、丑年になると徐々に運気は落ち着きを取り戻し、やや下降線をたどりますが、寅年、卯年には再び活気を見せ始め、運気を盛り返して一花咲かせます。そして辰年に入るやいなや、運気が上下に揺れ始めます。気を引き締めて、心の安定を心がけましょう。 辰巳天中殺の運気サイクル 平成14年(午年) 精神的な消耗が激しいため、「静かな年」になる。無理は禁物 平成15年(未年) ようやく本来のパワーを取り戻す。夢や希望がわいてくる 平成16年(申年) 金運絶好調。不動産、貴金属、車などに縁がある 平成17年(酉年) 願ってもない話が訪れ、大幅に収入が増える 平成18年(戌年) 念願の絶好長期。周囲から認められ、自分の考えが実現する 平成19年(亥年) 人脈に恵まれる年。この年に出会う人たちは生涯の宝物になる 平成20年(子年) 自分の今までの生き方を反省し、見つめ直すようになる 平成21年(丑年) 冒険心がわき起るが、運気はダウンぎみ。単独行動は慎む 平成22年(寅年) 運気が回復するように見えても、エネルギーの消耗が激しい 平成23年(卯年) 運気が安定し、のんびり過ごせる。翌年からの天中殺に備えを 平成24年(辰年) 天中殺に突入するやいなや、運気が大揺れする可能性 平成25年(巳年) 天中殺。行動が裏目に出る。あせらず落ち着いて行動するとよい ★午未天中殺の運気サイクル  運の揺れの激しい辰巳天中殺に比べると、午未天中殺の運気サイクルはゆるやかです。午年、未年の天中殺もゆるゆると入っていくため、天中殺に入ったことすら気づかないことも少なくありません。  天中殺中は、「目下」のとばっちりを受けないように注意してください。部下のミスで午未天中殺の上司が処分を受けたり、あるいは子どものもめ事で悩むことが多くなりそうです。ただし、午未天中殺には「運の悪いときは心静かに過ごす」という知恵が備わっています。じっと耐えて天中殺を抜けたあとの申年、酉年には運気が上昇し、引っ越しや転職、結婚などで、今までの人生が一変して改善されるでしょう。  戌年、亥年には健康運が下がる傾向なので、無理は禁物。心配なら病院でチェックを受け、子年、丑年の幸運期に備えてください。  子年、丑年2年間は今までの努力が認められ、高く評価される時期です。サラリーマンなら昇進したり、自由業なら突然注目を浴びたり、人気が高まるでしょう。  寅年、卯年は名誉と財運の年。「両手に花」の大幸運期ですから、このチャンスを逃してはいけません。  辰年、巳年は安定期。心身ともに穏やかな毎日が過ごせるでしょう。 午未天中殺の運気サイクル 平成14年(午年) 天中殺に入る。仕事のミスや家のもめ事に注意 平成15年(未年) 天中殺。あせらずじっと耐えればパワーが温存できる 平成16年(申年) 運気上昇の年。今まで閉じ込められていた力をパッと発揮できる 平成17年(酉年) 人生の変動期。気持ちが明るくなる。転職、独立、引っ越しなど吉 平成18年(戌年) 運の落ち込みに注意。特に健康面で不安があるなら早めに治療を 平成19年(亥年) 引き続きケガや病気に注意。なにかと落ち着かない年になる 平成20年(子年) 大幸運期世間から脚光を浴びる。昇進、栄転、大抜擢の可能性が 平成21年(丑年) 責任が重くなり、精神的なプレッシャーやストレスを感じる年 平成22年(寅年) 運気が急激に上昇し、財運と名誉が一度に両方とも手に入る 平成23年(卯年) 引き続き幸運期。やりたいことがあるならチャレンジを 平成24年(辰年) 安定期。心身ともに穏やかな日々が過ごせる 平成25年(巳年) 安定期。ただし天中殺の前の年なので引っ越しや結婚は控える ★申酉天中殺の運気サイクル  申年、酉年の天中殺が明けても、次の戌年、亥年までその余波が続くのが申酉天中殺の特徴です。この2年はなにかと環境が変わりやすく、職場では異動や転勤、家庭では友人の変化や子どもの独立、あるいは長年つきあってきた人との別離を経験するかもしれません。  ただし、これらはすべて次の子年から始まる幸運期に必要なプロセスと考えてください。申酉天中殺は子年から卯年にかけての4年間、ほかの天中殺にはない大きな運の盛り上がりを経験します。より高くジャンプするためには、戌年、亥年の沈み込みが必要なのです。  寅年、卯年は「向かうところ敵なし」の勢いがつき、大きな夢が実現できるとき。申酉天中殺は本来、政治家や事業家など、大きなことを成し遂げるパワーを持っています。この好調期を逃さず、チャンスをものにしてください。  ただし、今までの盛り上がりの反動で、次の辰年、巳年には「もう一つの天中殺」と言ってもいいほどの落ち込みがきます。気分が落ち込んで「とにかく生活を変えたい!」と引っ越しや転職、結婚、婚約などをあせりがちですが、下手に事を起こしてはいけません。人の意見に左右されず、マイペースを保って低調期を切り抜けましょう。  午年は再び運気が盛り返すとき。今までになく多忙になりますし、それだけの成果も得られる時期です。未年に入れば、精神的なゆとりが得られるでしょう。 申酉天中殺の運気サイクル 平成14年(午年) 運気復活。周囲から引き立てられて多忙になる。体力勝負の年 平成15年(未年) 忙中の閑。余裕を持って趣味を楽しむとよい 平成16年(申年) 天中殺に突入。裏切りや別離、争い事など災厄が押し寄せる 平成17年(酉年) 天中殺。ただし前年に比べれば比較的穏やかに過ごせる 平成18年(戌年) 運の地盤沈下が続く。今まで身近にいた人が離れていきやすい 平成19年(亥年) 前年の人間関係の変化がいい方向に傾き、徐々に盛り上がる 平成20年(子年) 本来の強運が戻る。特に金運、財運に喜び事あり 平成21年(丑年) 願ってもなに人脈が広がり、自分の運気を引き上げてくれる 平成22年(寅年) 運気絶好調。夢が形になってあらわれる。大役を任される可能性 平成23年(卯年) 引き続き絶好調。人生のチャンスがどんどん訪れる 平成24年(辰年) 運気ダウン。天中殺に似た災厄現象が訪れる。あせりは禁物 平成25年(巳年) 運気の落ち込みに注意。安易に周囲の誘惑に乗ると損をする ★戌亥天中殺の運気サイクル  天中殺に限らず、12年間のどの時期であれ「試練」を数多く与えられるのが戌亥天中殺の宿命です。算命学では、「戌亥天中殺は苦難や試練を乗り越えるほど魂が洗われ、清らかな存在になる」と考えます。戌亥天中殺にとって、この世は楽しく遊ぶために存在するのではなく、成長するために存在すると言っても過言ではないのです。つまりそれほどの重要な役目を、天から与えられていると言っていいでしょう。  この天中殺の場合、戌年、亥年の天中殺が明けて子年、丑年になっても、相変わらず不安定な運気が続きます。それは対人面や金銭面などではなく、主に精神面にあらわれます。しかし寅年、卯年になると徐々に気持ちが安定し、やる気がわいてくるでしょう。  辰年、巳年は運気が最高潮に達しますが、その半面「揺れ」も大きくなります。この2年間は今までの自分から脱皮する年と思って、根性を据えてひとがんばりしてください。その結果、ワンランク上の地位に昇ることができるでしょう。  午年、未年のテーマは人助け。身近な人が困っていたら親身になって助けてあげると、次の天中殺の災いが軽くなります。申年、酉年は「戦い」の年。自分の気持ちに正直に進んでください。たとえ困難な道でも、試練から逃げずに真正面から取り組めば、周囲があっと驚くほど大きく成長できます。 戌亥天中殺の運気サイクル 平成14年(午年) 周囲のケガや病気に注意。親身になって助れると天中殺が軽くなる 平成15年(未年) 環境を変えたくなるが、実行すると苦労が多くなる。我慢の年 平成16年(申年) 運気上昇。迷うことなく自分の道を突き進むといい結果が得られる 平成17年(酉年) なにかと迷いが多くなる。翌年の天中殺に備えて無理は控える 平成18年(戌年) 天中殺に突入。周囲から浮いてひときわ孤独感を感じる年になる 平成19年(亥年) 天中殺。すべて投げ出したくなっても短期は禁物。最後までねばる 平成20年(子年) 気持ちが不安定になり、躁とうつを交互に繰り返しやすい 平成21年(丑年) 運気が持ち直す。環境を変えてみたくなるが実行に移すのは禁物 平成22年(寅年) 自分の努力が周囲に認められ、仕事運、家庭運が安定する 平成23年(卯年) 人間関係の輪が広がり、出費も多くなるが将来への投資と考えて 平成24年(辰年) 運気絶好調。がんばって試練を乗り越えると大きく飛躍できる 平成25年(巳年) 心を成長させる年。困難を克服すると豊かな幸せが待っている 基本運命数早見表 天中殺占い 尾学館 ------------------------------------------------------------------------------- 平成14年1月11日 発行 発行者  松村邦彦 発行所  株式会社 主婦の友社 〒101-8911 東京都千代田区神田駿河台2-9 Takao Gakkan 2002 本電子書籍は下記にもとづいて制作しました 主婦の友社『天中殺占い』平成13年12月10日初版刊行